涼介side
樹に胸倉を掴まれた後、
ずーっと考えてた
‘‘死んでるお前が出来る事つったら
傍に居てやるって事しかねぇだろ’’
その言葉が俺の頭の中を駆け回った
そっか
俺、やっぱり好きなんだ
しずの事
そう思った瞬間、
今までのモヤモヤが消え去った気がした
ガチャ
静かな部屋にドアノブの音が響いた
‘‘ただいま’’の声は聞こえない
涼介
雫那
雫那
俺はしずの胸の中へ飛び込んだ
涼介
涼介
雫那
涼介
涼介
雫那
雫那
雫那side
この前は遮られた‘‘あたしも’’の言葉も
涼介は黙って聞いてくれた
肋骨が折れそうな程、
抱き締める腕の強さが強くなった
ぐさっ
雫那
…
雫那
…
雫那
涼介
初めて会ったあの日みたいな笑顔を 浮かべた涼介、
右手には、
血の着いた包丁.
Fin.