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空兎寒夢
桃水♀ 学パロ? 余命、病気あり ※作中で登場する病気の名前はオリジナルです 地雷さんUターン OKな方だけどうぞ!
この世界では寿命をコンビニで買える
正確にはコンビニの隣にある「ライフバンク」だ。
白いガラス張りの店舗。青い文字でこう書いてある
__あなたの時間、売れます
高校2年の春。
俺は、その前で約30分間も立ち尽くしていた。
理由は単純だ__
俺は、後半年で死ぬらしい
病院で医者が言った__
医者
医者は淡々と言った。
医者
そんなに、コンビニのおにぎりの賞味期限みたいに言うなよ。
俺の人生の残り時間はスマホのアプリで見られる
《残寿命:182日 04時間 33分》
数字は、嘘みたいに正確に減っていく。
この世界では、十年前から寿命の可視化が始まった。
ナノデバイスだか何だか知らないが、全人類の寿命が数値化された。
そして同時に__
寿命は売買可能になった。
金持ちは若返り、
貧乏人は時間を切り売りする。
シンプルな構図だ。
俺は死ぬ予定の人間だ。
だから考えた__
どうせなら、俺の寿命を売って金に変えて、親に残そう。
そう思って、ライフバンクの前に立った。
けど__
桃
正直言って、意味はない。
俺が買っても、どうせ病気で減る。
それでも、なぜか足は動かなかった。
その時だった__
???
横から声がした
振り向くと、白いワンピースの少女が立っていた。
驚くほど白い肌。
きれいな水色の髪が風に揺れる。
彼女は、俺のスマホを覗き込んだ。
???
普通なら失礼だ。
けど彼女の声は、不思議と優しかった。
桃
俺は言い返す
???
彼女のスマホ画面をのぞき込んだ__
《残寿命:1日 12時間 08分》
俺は、息を呑んだ。
桃
???
彼女は笑った。
笑っていった。
???
彼女の名前は「稲荷ほとけ」
同い年。別の高校。
桃
俺は聞いた。
寿命は高値で売れる。 一日でも、結構な額になる。
彼女は首を横に振った__
水
桃
水
わがままだな、と思った。
けど__
なぜか胸が痛んだ。
桃
俺は言った。
桃
水
桃
自分でも意味が分からない。
俺はあと半年で死ぬ。
彼女はあと一日。
足し算しても、何も変わらない。
それでも__
桃
彼女は、目を見開いた。
寿命の移転は簡単だった。
ライフバンクの白い部屋。
手の甲に触れるだけ。
彼女の数字が、減る。
《残寿命:0日 12時間 03分》
俺の数字が、増える。
《残寿命:183日 16時間 29分》
たった24時間。
けど確かに、彼女の時間は俺に移った。
水
彼女は少し照れたように言う。
桃
俺は首を振る
桃
翌日。
俺たちは、ただの高校生みたいに過ごした。
映画を観て。
クレープを食べて。
海まで電車で行って。
砂浜に座った。
水
水
彼女は言う
水
”やりたいこと”がたくさんあったよ__
空兎寒夢
空兎寒夢