実休光忠
薬研くん
名前を呼ばれる度に ヒトではない心が満たされる
人に呼ばれ顕現し 器を得た当初は気にならなかった空虚
日に日に増していくソレは 人の身では当たり前なんだと
そう決めつけては見ぬフリをした
だが俺が顕現してから8年
この空虚の理由はあんただったと
この胸の隙間を埋めるのは 実休光忠しかいないのだと
あんたがきてくれてようやくわかった
薬研藤四郎
なぁ、実休さん
ありがとう、来てくれて
あんたが来てくれたから 俺は満たされる
薬研藤四郎
(やっぱり、俺は)
薬研藤四郎
(あんたを)
薬研藤四郎
(実休さんを待ってたんだ)
実休光忠
どうしたんだい?薬研くん
薬研藤四郎
…いや、ちょっとな
ちょっと、あんたのこと考えてた
それだけだ
それだけだが ふとした時には目で追って
目の届かない所にいれば 何をしているのか考えたり
名前を呼ばれるだけで 暖かくなる胸
近くで、共にありたいと願う
薬研藤四郎
(こんな気持ちを)
あんたなら、なんと名付ける?







