桃side
最近、赤の帰りが異様に遅い。
学校にも行ってなくて、
バイトもして無いはずなのに...
家族全員が思っている様だった。
朝は1階に降りて来なくても 赤の部屋からアラーム音が聞こえる。
もちろん、アラームを止める音も。
たまに誰かと電話をしてる声だったり、
スマホから流れているであろう アニメの音声も。
今住んでる家は壁が少し薄く、
隣の部屋の音が聞こえる時がある。
だから俺が夜中にゲームをしてたら
隣の部屋に居る紫ーくんに よく怒られる。
でも夜7、8時くらいになると 赤の部屋が一切無音になる。
初めは「寝てるのかな。」 とか思ってたけどそんな 早く寝る事は無いだろう。
じゃあ何だ、?
考えれば考えるほど 頭がごちゃごちゃになる。
その日の夜は眠れなかった。
学校で先生や友達に叩き起されながら 1日を過ごした。
その日の夜。
いつもの様に赤以外で夕飯を食べ、
各自自由な事をしてくつろぐ。
でもこの日はいつもと同じ様には ならなかった。
上から下へと音が鳴る。
誰かの足音。
みんなは気付いてない。
俺は目だけ階段の方に向け、 じっと見つめる。
くるっと半回転して降りて来たのは、
見た事無いくらいに可愛く、 顔が整った、
赤。
肩を出して、男を誘惑する様な見た目、
黒メッシュが入ってる、 少し伸びた赤髪、
軟骨にまで開けた 可愛らしいピアス。
16歳には到底買えないであろう 銀のネックレス。
朱色のカバーを付けた スマホを片手に持って、
操作をしながら降りて来る。
赤も俺達の存在に気付いてない。
俺は無意識のうちに声を上げる。
びくっと肩を揺らし、 スマホを落としそうになる赤。
俺と赤以外の兄弟も 俺の視線を追って赤を見る。
長男の紫ーくんが冷静に問う。
それに対して一瞬目を泳がした赤が 答える。
全てに冷たく答える赤。
俯き気味で、苦しそうな顔をして。
黄が言った途端、
あからさまに赤の表情が変わった。
苦しそうな顔から、 激怒した様な顔に。
初めて聞いた。
こんな赤が怒ってる声なんて。
俺も赤以外の兄弟も 目を見開いてびっくりしてる。
俺はそれを隠すかの様に赤に問う。
今にも叫びそうな赤を 阻止するかの様に続ける。
ちょっと強く言い過ぎたかな。
あれから少し口喧嘩をして、 赤は家を出て行った。
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コメント
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なんか雰囲気違う?自分的にはrana の方が好きだっt((
ブクマ失礼します!