knmc受け

ﾊﾟﾀﾝ

今日は剣持家に遊びに来た。いわゆるお家デート？(まぁあっちは何も思っていないのだろうけど…)だから気分が上がっているのだが…やっぱりすぐに我に返る。

だが、仕方が無いと思う。だって

そう、''血''が飲めていないのだ。

最近は配信やらなんやらで比較的忙しく、いろいろな休憩が出来ていない。

そして、俺は血を一定の期間飲めていないと2つ、精神的に変化が起こる。

1つ目は体がダルくなる。

2つ目はすぐにイライラするようになる。

そして、今！なうで！今日から！その期間にに突入してしまったのだ。

もちさんは俺が''そういうモノ''だということは知っている。

だけど俺はまだもちさんの前で決定的な証拠になるようなことはしていない。

それは、血を吸うという行為が人間にとって怖いことということを理解しているつもりだからだ。

だから、今日も我慢しなければならない。

いやいやいや、何してんの、もちさん

次会う約束までしちゃって。

俺はちょっと無理してでも会いに来たのに。

嫉妬するのは筋違いってことはわかっている。

でも、だけど…

ｶﾞﾁｬ

もちさんが入ってきた瞬間に、爽やかな、それでいて甘い香りが強くなる。

ついさっきまで嫉妬していたはずなのに、目の前の想い人は可愛くて、甘そうで、

食べたい。

もちさんの、血が

ホシイ

ﾄﾞｻｯ

そう思った。

これまで耐えていた細い糸がプツンと切れた。

もちさんの肩に顔を埋める。

さ彼の香りがさっきよりも近づいて、頭がクラクラする。

ｶﾞﾌﾞｯ

口の中に甘い蜜のような味が広がる。

声が震えて、たまに声が出てしまう彼が愛おしくて仕方が無い。

ずっと、俺だけ見てればいいんだ。

彼の声で目が覚める。

あぁ、やってしまった。

どうしよう

どうしよう

どうしよう

我慢しなければならなかったのに

我慢、

この人は何を言ってるんだ？

怒ってないのか？

え

ってことは

つまりは

あぁ、俺はきっと彼を悲しませてしまった。

だから、ねぇ、

もう悲しませないから、

だから、

ずっと、一緒に

他の男と話す彼の首には

今までも、これからも消えない、

あの日の印がついている。