『ねえねえ、赤ちゃんってどこから来るの?』
『僕達が20歳になったらね、コウノトリが運んで来るんだよ!』
10年後
私はいつの間にか高校生になっていた
コウノトリの話をしてくれた彼は
もう居ない
ついこの前
病気になって亡くなった
私は彼を愛していた
彼も私を好きでいてくれていた
あと5年
あと5年したらコウノトリが来てくれるんだよね。
君がいなくても
絶対育てるから
向こうで見てて
彼
おーい
私
え?
彼
お、相変わらず返信はやw
彼
俺だよ、俺俺
私
嘘……
彼
お前が心配になってここに来てみたらさ
彼
まーだ俺の事引きずっちゃって
彼
新しい人生を歩みなさい!
彼
お(`Д´)こ
私
その顔文字…笑
私
でも、君じゃないとやだよ…
彼
もうこの世に俺は居ないの。
彼
俺さ、決めたんだ
彼
お前のとこに行くって
私
へ……?
彼
また5年後に会おうな。
私
待って…
私
ねぇ…
私
返信してよ…
君との会話はあっという間に終わった
君のお願いなら…
新しい人生…
5年後
私は会社の同僚と結婚した
とても幸せだ。
5年前の今日。
あんな事があったんだな……
バサッバサッ
なんの音…?
そこには赤ちゃんを持った
コウノトリがいた
そのコウノトリは
赤ちゃんを置いていった
その赤ちゃんは
どこかあの人に似ている気がした







