聞き慣れない声がした
郁美
女の人が怒っている
母の怒鳴り声が聞こえて
畳み掛けるように大人達の声も聞こえた
お腹が空いた
喉が乾いた
美結
何度呼んでも
私の声は届かない
美結
美結
徐々に重くなる瞼
隣の部屋では
まだ大人達が話し合っていた
拓郎
優香里の伯父
優香里の叔母
郁美
郁美
優香里
優香里
拓郎
拓郎
優香里
優香里
優香里の叔母
優香里
意識が薄れる直前
私の耳に届いたのは
優香里
泣き叫ぶ母の声だった
そこから後のことはよくわからない
私は深い眠りにつくように
意識を失っていたからだ
母の姿に驚きつつも
言葉の意味がわからず困惑していたいっちゃん達
でも母の言う"あれ"が私の事だとわかると
私の身を案じたたっくんが親戚達に詰め寄り
優香里の伯父
母の伯父が慌てて誤魔化そうとしたが
優香里
母のその一言が
いっちゃんの逆鱗に触れた
郁美
郁美
優香里
優香里
郁美
優香里の伯父
優香里の叔母
拓郎
郁美
いっちゃんは静かに話していたけれど
沸き上がる怒りで全身は震えていた
優香里の伯父
郁美
郁美
郁美
郁美
優香里
いっちゃんが母の頬を叩いた
優香里
優香里の伯父
郁美
郁美
郁美
いっちゃんが母に掴みかかった直後
優香里の叔母
私の様子を見に行った母の叔母が
血相を変えて戻ってきた
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