青桃たんぺんしゅ～

大切な人へ

拝啓桃くんへ

生きていますか？

ぐしゃぐしゃぐしゃｯ！

書いた自分しか見ない手紙を

ぐしゃぐしゃのビリビリになるまで

破って、潰して、丸めて捨てた

あの…あの人を

ただ…ただ思って、思って思って思って…

ううん…良いやｯ…

もう良いや…

あの人を探そうと外へ出た…

でも…

居なかった…

「居なかった」じゃない…

正しくは…「探さなかった」かな…

学生の頃の僕には

生きてて良いことなんて

数えられる程しか無かった

こんな僕に

微笑み掛けてくれた

嬉しかった

今までに無いくらいの

感情が込み上げてきた

好き、嬉しい、可愛い、嫌だ、死にたい、嫌い

でも…こんな僕にも

優しく、可愛く、楽しそうに

この頃の僕は

何も知らなかったんだ

本当に

君の本当の心

君の裏を

ﾄﾞｻｯ

ｻﾞｼｭｯ!!!!

ﾄﾞｻｯ…

…かわいそｯ…

ほｯ…本当にｯ…あるｯ…

テレビ局ｯ…！

あれ…？

まだ…公になって無いのに…

なんで…あの人は…知ってるの…？

ﾋﾟｯ！

テレビを消した

うざかったから、憎かったから、逮捕されて嬉しいと思ったから

沢山の感情が出てきた

ただの録画だ

もう桃くんが生きているわけが無い

もう桃くんは死んでいる

拝啓桃くんへ

幸せですか？