月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
赤くん→火を操る能力 水くん→植物を操る能力 白くん→毒を操る能力 桃さん→重力を操る能力 青さん→一度見たものを完全に覚えられる能力、水を操る能力(温度変化により氷の操作も可能) 黒さん→言霊(言葉で人を操ったり言ったことが現実になったりする)
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・赤桃、青黒、白水前提 ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
朝起きて、重たい瞼を擦って体を起こす。
のそのそとベットを整え、間抜け面で欠伸をしながら部屋のドアを開けて廊下に出た。
リビングがある方へと体の向きを変えれば、そこには。
────しっかりと奥まで見渡せる廊下が広がっている。
桃
黒
エプロンを付けたあにきが、キッチンでフライパンを片手に振り返った。揺れるポニーテールが絵になる。元々長いけど、あにき髪伸びたなぁ。
鼻歌を歌いながらリビングのソファに腰掛けると、あにきが小さく笑った。
黒
桃
黒
何馬鹿なことを言ってるんだと何も知らない人が聞けば思うかもしれないが、俺にとってはかなりの変化であった。
先日、ほとけっちが能力を扱える様になった。
今までは能力を上手く扱うことが出来なくて、寝てる間に能力が勝手に暴走し、廊下の突き当たり、ほとけっちの部屋の隣の俺の部屋の前にジャングルにも劣らない植物だらけの廊下を作り上げてくれていた。
それらの植物を破壊でもしないと俺は一生閉じ込められたままなのであって。朝から能力を使わなければいけない始末。
毎朝、部屋のドアを開けて向きを変えた瞬間に鬱蒼とした植物と対面していた俺の気持ちを誰が理解出来るだろうか。
それが今では、ほとけっちの能力暴走もなくなり俺は毎日快適な朝を過ごさせてもらっている。・・・いや、本来それが普通なんだけどね!?
赤
黒
桃
赤
黒
桃
赤
黒
失礼だなコイツら。こちとら本当に大変だったって言うのに。
黒
桃
テーブルに朝食を用意してくれたあにきにお礼を言い、その香ばしい匂いに早速手を伸ばす。今日もあにきのご飯は美味しい。
赤
桃
赤
黒
桃
赤
青
赤
黒
青
桃
赤
桃
赤
黒
いむしょーの2人はまだ起きて来ない。りうらとあにきがひらひらと手を振って送り出してくれた。あにきに後ろから抱きついているまろは見ないフリをした。アイツは知らん。
朝から能力を使う必要も無く、あにきの美味しいご飯を食べて、メンバーに見送られて出社。うーん良い朝だ。
グッと背伸びをしながら歩いていると、前から歩いて来た人とドン、とぶつかってしまった。
桃
何も返されなかった。まぁああいう人は沢山いるよな、なんて思いながら、俺も深く気にすることはしなかった。
ただ、すれ違った時に一瞬見えた口角がにやりと笑っていたような気がしたのが、少しだけ気がかりだった。
その日の夜、俺は夢を見た。
視界いっぱいが、赤く染まる。
桃
ここは何処だ。突然の状況に理解が追いつかない。
目の前に広がる、この赤はなんだ。
・・・その中心に倒れ込む、赤い髪の彼は。
桃
目にしたその姿に漸く少しずつ理解が追いついて来た俺は、倒れている彼の元に駆け寄った。
桃
彼の体に触れれば、手を襲うのは何かで濡れる感覚。
はっと手の平を自分の方に向けて見れば、手は赤く染まっていた。
桃
腰を抜かし、その場に座り込む。血なんて、今まで何度も見たことがあるはずなのに。
なんで、なんでりうらが、ねえ、嘘だよね、りうら、りうら、
俺の背後、誰かが耳元で囁く。
お前のせいだ
桃
ガバッと飛び起きる。不規則な荒々しい呼吸が静かな部屋の中に響いた。
桃
細い息を吐き出して、今のが夢だと理解して尚、俺の鼓動は速度を遅めてはくれなかった。
あれが現実になる可能性が無いなんて、どう足掻いても言い切れない。
彼はどうして、あんな姿になってしまっていたんだろう。
俺を守って?そもそも、俺がこんな日常に誘ってしまったから?
“お前のせいだ”
夢の中の言葉がフラッシュバックし、ビクッと体が震えた。
桃
見たくない、あんな現実。あんな未来、絶対に迎えたくない。
ベッドから降り、ふらふらと覚束無い足取りで部屋を出る。
まだ外は暗い。流石のあにきもまだ起きていないようだった。
階段を上がり、とある部屋に入る。部屋の主は、すやすやと夢の中だった。
その手に触れて、その体温に安心する。温かい。息をしている、ここにいる。綺麗な白いシーツに包まれ、赤く染まってなんかいない。
そのことに安堵して、俺は涙をこぼした。
桃
あんな未来が起こってしまうかもしれない危険な世界に、俺はこの手を引っ張ってしまった。
もしかしたら、俺が声をかけていなければりうらは、今頃普通の大学生として安心した暮らしを送っていたのかもしれない。
こんな、能力者狩りや他の悪い能力者に狙われ、いつ怪我をするかも分からない危険と隣り合わせの生活なんて、送っていなかったかもしれない。
自分の中を支配していく、この恐怖か不安か、はたまた別の何かか分からない感情。
俺は静かに、りうらの部屋を後にした。
赤
開いてるのか開いてないのか分からないくらいに、薄らと目を開く。
ぼやけた視界に、ピンクの髪が映り込んだ気がしたのは、ただの気のせいだろうか。
体を起こしてそれをしっかり確認することもなく、俺はまた睡魔に引っ張られ、眠りの底へと落ちてしまった。
気付いたら、夜道を歩いていた。
どの道をどうやって歩いて来たのか。道中の記憶なんて残っていなかった。
そうして歩いていると、前に一つの人影。
ひたすら地面を見つめていた視線をゆっくり上げると、そこには朝会社に行く途中でぶつかった人物が立っていた。
俺の中の俺が、これは危険だと警報を告げる中、俺の頭は上手く働いていなかった。その場から逃げ出すことすらせず、ぼんやりとその人を見つめていた。
桃
最悪の、未来。
言葉通りの、最悪さだった。
声も出さず、頷いた。当たり前だ。あんなの、あんなの。
逃げろと、俺の中で誰かが叫ぶ。断れ、駄目だ、と声がする。
さっきの夢の中の、倒れ込むりうらを思い出した。
それから、優しい笑顔を浮かべた、いつもの姿。
桃
りうらがもう傷付くことがない。そんな夢を、見ることが出来るなら。
桃
夜の世界にいとも簡単に飲まれてしまいそうな、か細い声。
そんな声を確かに受け取ったらしいその人物は、にやりと口角を上げた。
ドタバタと、慌ただしい足音が遠くから聞こえて来る。
まだ覚醒し切ってない意識で、寝返りを打つ。カーテンの隙間から漏れる光が眩しかった。もう朝なのか。
今は何時だろうかと確認する為に手探りでスマホを探していると、俺の部屋の扉がバン!と大きな音を立てて開いた。
黒
赤
予想外の人物の声にぼんやりと目を開けた。
てっきり、ほとけっちか初兎ちゃん辺りが、「りうちゃん今日休みでしょ?どっか行こー!」と飛び込んでくるのかと思ったのだが。
赤
そう言って、また寝返りを打つ。寝起きのベッドほど罪なものはない。いつまでも寝ていたい。
黒
赤
その声色が、只事じゃないと訴えていた。
いつも落ち着いている最年長のあにきが、こんな声を出すのは珍しかった。
黒
何も分からない状態でその先の言葉を待ちながら、何処かで嫌な予感を感じていた。
黒
赤
スマホは部屋に置きっ放し。財布も部屋の鞄の中に入ったまま。
ただ忽然と、靴が消え、彼が消えていた。
白
青
黒
黒
全員の表情が曇っていた。だって、そもそも原因が思い付かない。昨日まで彼は普通だった。なんの異常も見られなかった。
じゃあ、何故?
水
黒
青
水
白
水
赤
ほとけっちの言葉に、そっと頷く。まだ心が動揺していて、上手く感情を出すことも、言葉を発することも出来なかった俺の代わりに話してくれた様で、優しい彼に心の中で感謝する。
白
水
白
申し訳なさそうな顔をするほとけっちの頭に、ぽん、と初兎ちゃんが手を乗せた。
白
水
白
青
黒
白
3人が拳を突き合わせる。そんな光景を見て、俺は小さく息を吐き出した。
赤
次この家に来る時には、ないくんを見つけて、一緒に帰って来るんだ。
何処を目指して、なんてことはなく、ただひたすらに走る。いる可能性がある場所は徹底的に調べて、その姿だけを探して走る。
りうらにはほとけがついているし、初兎もあの様子なら大丈夫だろう。最近、各々が明らかな成長を見せていてなんだか嬉しくなる。保護者か俺は。
黒
青
黒
隣を走る彼と短い会話を交わし、別れ道を曲がった瞬間
黒
青
目の前に立っていた見知らぬ人物に、咄嗟に足を止めた。
青
まろが俺を背中に隠す様にして前に立ち、そいつに尋ねた。
黒
正体を尋ねる問いかけには何一つ答えようとせず、そいつは不敵な笑みを浮かべたままくるりと俺達に背を向けた。
それだけ言って歩き出すそいつに、俺とまろは目を見合わせた。
楽しそうに上がるその口角に、拳を固く握りしめた。
俺は、街中にいた。
ここは駅前だ。なんで俺はこんなところにいるんだろうと考えたけど、何も思い出すことは出来なかった。
そんな時、前方から聞き慣れた声が飛んでくる。
赤
その声に、バッと顔を上げた。こちらに手を振って近付いてくる赤髪が、風に吹かれて軽やかに揺れる。
赤
桃
今の今まで自分が何をしていたかすら覚えていないのに、迷うことなくそんな言葉が口をついて出た。
赤
桃
能力なんて無い、普通の世界。普通の俺達。
りうらと過ごす、平和で当たり前の日々。
この笑顔が永遠に続くなら、俺はなんだって。
赤
桃
自然と取られた手に、口元が緩む。
楽しそうに話す彼の隣を歩きながら、俺の心は何処か落ち着かなそうに揺れていた。
幸せ、なのに。
繋がれた彼の手の冷たさに、なんだか違和感を拭えなかった。
赤
水
とある建物を前にして、俺達はその場に立ち尽くしていた。
あにきから、今からここに来いと送られて来たのは、最寄りの駅よりもずっと東にある、とある建物の地図の写真だった。
・・・ないこが、おった
その言葉に、何も考えずひたすらに走ってここまで来たわけだが。
この建物はなんだ?
店にしては、看板が無い。人の家にしては広すぎる。こんなところがあったのか。
白
赤
水
入るのを躊躇っていた俺達の前に、中から現れたのは見慣れた姿だった。俺達の姿を見て、駆け寄って来る。
水
白
そう言って、初兎ちゃんが建物の入り口へと歩き出す。まだ不安げな表情を浮かべるほとけっちと目を見合わせ、覚悟を決めてその背中を追いかけた。
水
呆然としているほとけっちが、途切れ途切れでそう声を漏らす。
かくいう俺も、目の前の異様な光景に唖然としていた。
長い廊下の左右には、多くの扉が付いていた。
その扉一つ一つには、紙が貼り付けられている。
“7月2日”
“4月18日”
“9月10日”
紙に書かれた日付は全てバラバラ。一体何の日なのだろうか。
白
前を歩いていた初兎ちゃんが、とある部屋の扉の前で立ち止まる。
その扉に貼られた紙を見て、俺は小さく息を呑んだ。
今日の日付だ。
白
俺達の方を一瞥した初兎ちゃんが、ドアノブに手をかけた。
部屋の奥には、ベッドが一台。
それ以外、家具という家具が無かった。変な構造の部屋に眉を顰める。
水
唯一存在するベッドの前に立つ三人の姿。あにきに、まろに、もう一人。
赤
名前も知らないそいつの言葉に、首を傾げる。何を言ってるんだ?
黒
俺の名前を呼んだあにきが、その場から一歩横にずれた。
そして、ベッドの様子が露わになる。
赤
桃
ベッドの上で眠るのは、何よりも大切な彼だった。
赤
黒
混乱する俺に、もう一度あにきが名前を呼んだ。
黒
赤
笑みを浮かべながら話し始めたそいつを、怪訝な表情で見つめる。
白
水
廊下で見た、無数の扉が思い浮かぶ。そこに貼られていた紙に書かれた日付は、まさかその人達がそれぞれの“幸せな夢”に落ちた日?
・・・それからずっと、眠っているのか?
青
白
水
怒りの声を上げる初兎ちゃんの横で、ほとけっちが植物を生やす。
水
白
水
二人が言葉に詰まり、ほとけっちの植物がシュルシュルと姿を消す。
黙り込む俺達の中で、たった一人だけ、声を上げた人物がいた。
黒
白
しょにだの声にハッとその視線の先を見れば、あにきがないこの方へと歩を進めていた。
黒
怒りだろうか、悲しみだろうか。計り知れない感情が込められた声で、あにきはその名前を呼んだ。
黒
言霊。俺達は息を呑んでその行方を見守る。
ぴく、とないこの手が動いた。
水
ビシャッッ
ないこが起きたんだと、嬉しそうにその名前を呼ぼうとしたほとけの声は、目の前の衝撃的な映像によって途切れてしまった。
黒
ゴボ、とその口から真っ赤な血が溢れる。
青
一瞬、動揺で体が動かなかった。その一瞬でも、彼に少しでも早く寄り添うことが出来なかった自分に嫌気がさした。
床に膝をついた彼の元へ、全速力で駆け寄る。彼の口に当てられた手の隙間から、ボタボタとこぼれ落ちる赤。
余裕の笑みを浮かべて笑うそいつを、あにきの肩を抱いてキッと睨み付けた。
青
その言葉に、ぐっと黙り込む。その間にもげほげほと咽せるあせきの背中を慌てて撫でた。
ないこの現状に対して、能力的にも俺は何も出来ない。俺は静かに奥歯を噛み締めた。
赤
愛しい人が×ぬ。夢だろうと、起こる“かもしれない”にとどまる未来だろうと、それほどまでに苦しいことはない。
一瞬自分の立場に置き換え、ゾッとする。そんな未来なんて見てしまったら、俺だってどうするか。
赤
白
りうらが、眠り続けるないこの目の前に立った。
赤
何の意味も無い。分かってる。分かっていても、声に出す。
だって、納得出来ない。
赤
こんな口調で、彼に話しかけたことはあっただろうか。
赤
瞼がぴくりと動くことすらない。それでも、言葉を止めることはなかった。
赤
水
なんだよ、俺が死ぬ最悪な未来って。
その未来を迎えない為に、幸せな夢に逃げたって?
赤
こんな奴が生み出した夢の中で、偽りの俺に会って。
赤
ボッと音を立てて、炎が現れる。
白
赤
青
赤
そう言って、俺は部屋の壁へと炎を放った。
水
俺の方に近づいて来ようとしたそいつの体に、ツルが巻き付く。
黒
あにきの言葉に、俺はふっと口角を上げた。
赤
炎が壁を這い、その勢力を増す中、不思議と焦りはなかった。
“りうらの手も炎も、あったかくて好きなんだよね”
いつだったかそう言って笑ったないくんの笑顔だけが、俺の頭の中に浮かんでいた。
赤
桃
満足げに笑うりうらを微笑ましく思いながら、その隣を歩く。繋いだ手の温度の違和感も、大分感じなくなっていた。
そんな時。
桃
後ろから、肩に手を置かれる。誰なのか確かめる為に自分で振り返るより先に、ぐっとその手に力が入り引っ張られ、俺の体は後ろを向いた。
赤
桃
りうらが、二人?なんで、どういうこと?
赤
桃
赤
桃
だって、こんな夢にでも逃げないと。
“お前のせいだ”
・・・そう、俺のせいで。
桃
赤
桃
パン、と乾いた音が響いた。
何が起きたのか理解するより先に、左頬がじんと熱を帯びて痛む。
赤
怒りのこもった視線が身体に突き刺さる。
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
その真っ直ぐな目が、俺の中の不安も恐怖も、何もかもを見透かしているようで。
赤?
今まで黙っていた彼が、後ろで声を上げた。握られる右手。
赤?
桃
後ろの彼じゃない。今正面から俺を見つめる、正真正銘の。
桃
みんなに、りうらに。
赤
桃
赤
りうらが硬い表情を崩し、くしゃっと笑みを溢した。
後ろの彼の手を振り払い、差し出された目の前の手を取る。
すぐに伝わってくる温かさに、心の中に一気に安心が広がった。
赤
走り出したりうらに手を引かれ、その背中を追いかける。
あの時感じた違和感の理由に、漸く気が付いた。
りうらの手は、こんなにも温かいんだ。
俺の大好きな彼の温もりを感じながら、走る、走る。
─────熱い。
桃
寝起きとは思えない馬鹿でかい声を上げ、ガバッと起き上がる彼に、安堵で自分の表情が緩むのを感じた。
・・・とまぁ、今はそれどころじゃなく。
炎に囲われ崩れ落ちる壁に、ないくんがギョッと目を向ける。
桃
赤
桃
赤
ギャイギャイと騒ぎ立てる彼にそう言って、俺はその体を抱き上げた。
桃
赤
そうして炎の中を掻い潜り、俺は走り出した。火を操る能力を持つ俺は、火傷もしないし火を特別熱いとも思わない。
赤
そんなこと、させてやるもんか。
最悪な未来なんて絶対に迎えないし、幸せな夢も見せてやらない。
夢なんかじゃない。今ここにいる二人で、幸せを作って行くんだから。
「いや熱っ!燃える!!」と、雰囲気もクソもない様子で叫ぶないくんに笑いながら、俺は走り続けた。
赤
桃
赤
桃
一瞬目を丸くしたないくんが、その表情を和らげた。
桃
ああ、君が起きた。
建物から少し離れた場所に、彼らは立っていた。
水
青
水
青
白
黒
ずっと建物の方を見ていた悠佑が、弾かれた様に声を上げた。
三人もその視線の先を追えば、建物の入り口から見慣れた姿が走って来ているのが見えた。
その腕に、さっきまで眠っていた彼が抱えられているのも。
水
白
青
黒
こちらに向かってくるその姿を見ていた悠佑が、ふっと目を細めて笑った。
黒
走るりうらの腕の中で揺れながら、外へ出た。
離れた場所に、四人が立ってこちらを見ているのが分かった。
ぶんぶんと嬉しそうに手を振ってくるほとけっち、安心したように大袈裟に息を吐く素振り見せる初兎ちゃん、呆れた様に笑うまろに、こちらを見守る様な温かい笑顔を浮かべるあにき。
なんだか気恥ずかしさを覚えながら、りうらに体を委ねていた。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
まろからの制裁が確定したことに絶望する。が、そんな俺を見て弾けたりうらの笑顔に、なんだかどうでも良くなってしまった。
幸せな夢の中で、りうらはずっと楽しそうに笑ってた。
能力も無い、平和で普通の生活を二人で過ごしていた。
でも、何処か大切なものが足りなかった。
この手の温もりも、俺の心を溶かす優しさが滲んだ言葉も、この世界じゃないと意味が無いみたいだ。
だから、起きたいと思った。この能力が導いて、繋げてくれた俺達。俺は今日も眠りについて、明日またきっと、君に会う為に目を開ける。
こんなイレギュラーな生活で、明日も君におはようを伝えよう。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
コメント
52件
イムくんが新しい能力を手に入れるとか? (治療とか?)
水くんと黒くんが強い能力者狩りに捕まる→青くんが助けに行く→2人を逃がす→戦う→ボロボロになって帰るみたいなの書いて欲しい!!