ゆら
昨日人を殺したんだ
きみはそう言っていた
ゆめ
え……
梅雨時ずぶ濡れのまんま
部屋の前で泣いていた
ゆめ
とりあえず入って?
ゆら
ありが…とう
ゆめ
大丈夫?
ゆら
(。_。`)コク
夏が始まったばかりというのに
君はひどく震えていた
そんな話で始まるあの夏の日の記憶だ
ゆら
殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ
ゆら
もう嫌になって
ゆら
肩を突き飛ばして
ゆら
打ちどころが悪かったんだ
ゆめ
そうなんだ
ゆら
もうここには居れないと思うしどっか遠いとこで死んでくるよ
そんな君に僕は言った
ゆめ
じゃあ僕も連れてって
ゆら
え?
ゆら
いいのか?
ゆめ
…うん!
財布を持って
ナイフを持って
ケータイゲームもカバンに詰めて
ゆら
あ…いらない物どうしよう
ゆめ
いらない物は全部壊していこう!
ゆら
そう…だね…
ゆら
必要ないもんね
あの写真も
あの日記も
今となっちゃえばもういらないさ!
人殺しと
ゆら
ねえ本当にいいの?ゆらの為に死ぬなんて
ゆめ
違うよ…僕は僕のために君と死ぬ
ダメ人間の
ゆめ
そう
ゆめ
これは死ぬ為の
ゆめ
君と僕の旅だ
ゆら
…、
ゆら
そうだな
そして僕らは逃げ出した
この狭い狭い世界から
家族もクラスの奴らも
全部捨てて君と二人で
ゆら
ここら辺は綺麗だね
ゆめ
そうだね
ゆめ
でもまだあの所よりもっと
ゆめ
遠い遠い誰も居ない場所で
ゆめ
二人で死のうよ
ゆら
うん!
もうこの世界に価値など無いよ
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか
ゆら
………
ゆめ
君は何も悪くないよ
ゆめ
君は何も悪くないよ
ゆら
…そうなのかな
ゆめ
絶対そうだよ!