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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ねぇねぇ聞いた?

聞いた聞いた。 セオドア様のことでしょ?

外交補助官を外されたんですってね。

ルドルフがセシル様の養子になって、代わりに貿易の仕事をするって…。

それも、クロエ王がお認めになったって…前ローゼ王女はセオドア様を称賛していたのに。

しっ!ローゼ女王って言っちゃだめ!

クロエ王子があの人をお嫌いなの分かってるでしょ?

もうあの人の時代は終わった、 これからはローゼを蔑んだ 言い方をしないと…!

ッ…そうだったそうだった! あぶない!気をつけないと。

にしても、

クロエ王子、 これからどんな政治を行うのかしら。

穏やかに支配するローゼとは違って、自分はクリジア人を決して許さないって言ってたけど…

一方その頃 【マリアの部屋】

シゼ

マリア様、着心地はどうですか?

しゅるっ… (シゼがマリアに真っ白な ドレスを着せる)

マリア

とってもいいわよ、シゼ

マリア

このドレス、とっても着心地がいいわ

シゼ

そうでしたか、よかった…

シゼ

でも、残念ですね

シゼ

新しい王様のせいで、色付きの衣服がが全て没収されてしまって…

シゼ

私が先日、お兄様の家で手に入れたオレンジのドレスがなくなっちゃいました。

マリア

確かに…あれは残念だったわね

マリア

とっても綺麗で、気に入ってたのに

シゼ

マリア

……でも、

マリア

ヒューゴ様に会うことを禁止されないだけまだマシだわ

シゼ

マリア様…。

シゼ

(新婚の花嫁さんなのに、こんな地味な…ワンピースみたいなドレスしか着せれないなんて)

シゼ

(自分の力ではどうにもできないのは分かるけど、悲しいな…)

マリア

…さ、

マリア

お化粧道具もとられちゃったから、お花で彩ろうかしら。

マリア

シゼ、お花を探しに行くわよ

シゼ

!、は…はい。

シゼ

コンコンコン…

シゼ

シゼ

(扉から音がする…誰だろう?)

シゼ

マリア

!、あら…!

レン

…。

(赤い軍服を着たレンが現れる)

レン

…やぁ、こんにちは、シゼ。

レン

嫁入り準備中に失礼するよ

シゼ

レンさん…!

ばっ!(シゼがレンの方を掴む)

レン

おっと…?、シゼ?

シゼ

っ、一体どこに行ってたんですか?

シゼ

とっても心配してたんですよ…!

シゼ

オーロラさんに、マリア様に…いったいどれだけの人が…

レン

…そんなに…僕を心配してくれたの?

シゼ

はい!いったいどこに行ってたんですか?

レン

レン

……

レン

…………。

レン

マリア

?…

マリア

し、シゼ、待ちなさい

マリア

なにかレンくんの様子がおかしいわ。

シゼ

レン

…シゼ、俺がどこに行っていたか、知りたい?

レン

“俺”はね…

ガシッ…! (レンがシゼの手首を掴む)

シゼ

っ!?、いたっ…!

レン

お前らクリジア人を捕まえるために訓練に明け暮れていたのさ!

レン

お前ら…入れ!

シゼ

!?…え?、

シゼ

レンさん…!?

ぞろぞろ…

(レンの言葉に後ろの方にいた 少年たちがシゼを取り囲む)

マリア

し、シゼ…!

マリア

レンくん、あなた急に現れたと思ったら、いったい何を…!

レン

クリジア人は黙れ。

レン

レン

シゼ・ノーディンは、元外交補助官のセオドア・レティオールをたぶらかし

レン

国家転覆を目論んだ、大悪女なり!

レン

我々、クロエ王子に使える紅蓮騎士団は…

レン

ローゼ女王とは違い、お前らクリジア人を絶対に許さない…!

シゼ

シゼ

(な…何が起こってるの?)

シゼ

(私が、セオドアをたぶらかした?)

シゼ

(なんで私とセオドアに関わりがあることがバレて…)

レン

くっくっく

レン

レン

…シゼ、僕はようやく思い出したんだよ

レン

いや、“気づいた”の方が正しいかな。

レン

失った記憶なんてどうでもいい

レン

大事なのは、新しい人生を作り、歩むこと…

レン

あの人と出会って、牢屋で何度も教えられて…僕はやっとそれを理解した。

シゼ

?…

レン

あのひとは、僕を立派な騎士にすることを望んだ

レン

シゼ、君にはあの人の夢のために死んでもらうよ

レン

クリジア人のくせに、目立つ行動をとったこと…牢屋で公開するといいよ。

レン

レン

さぁ、シゼを牢屋に連れてけ!

マリア

ま、待ちなさい!

マリア

貴方…私のシゼに何をする気なの!

マリア

セオドア様とどう関わっていようが…私達はもうヒューゴ様のところに嫁ぐのよ!

レン?

ヒューゴ・グレイのところに行くのは貴方だけで結構

??

この女は邪魔、というわけです。

??

それとも、貴方も牢屋に行きたいのですか?

マリア

!…

??

…フッ

??

何にも言えないようですね。

??

貴方はそれでいい。

??

……では、俺たちはこれで

シゼ

ッ…!

シゼ

いや!マリア様…!

マリア

し、シゼ…!

シゼ

(ど、どうしようどうしよう…)

シゼ

れ、レンさん!目を覚ましてください!

シゼ

貴方は…私の友達だったじゃないですか!

シゼ

私を守ってくれたじゃないですか!

シゼ

レンさん…!

シゼ

レンさん…!!!

バタンッ!!

【セオドアの部屋】

セオドア

…。

メイド

せ、セオドア様…

メイド

昼食をお待ちしました…

セオドア

…。

セオドア

置いておいてくれ…。

セオドア

今は食べる気が起こらない。

メイド

は、はい…かしこまりました。

メイド

メイド

では、失礼します。

ぱたんっ (メイドが出ていく)

セオドア

…。

セオドア

セオドア

……。

セオドア

(クロエ王子…)

セオドア

(いったい俺が何をしたと言うのですか?)

セオドア

(俺は、父親の悪事を暴き、その上で父親を超えたいと思っていました)

セオドア

(俺のその抗いが…貴方に迷惑をかけるほどのものでしたか?)

セオドア

(…それとも)

セオドア

セオドア

「セオドア様。」

セオドア

俺がシゼと関わりを持っていたからか…?

セオドア

(シゼはクリジア人で…クロエ王子はクリジア人が大嫌いだった)

セオドア

(それで、俺らの中の何者かが…父親と王様に密告して…)

 

セオドア

ありえるな…

セオドア

セオドア

……シゼ。

セオドア

…。

セオドア

(あの子(シゼ)のせいで…俺は…)

セオドア

ぽたっ!(シゼからの手紙が落ちる)

セオドア

セオドア

シゼの手紙…

セオドア

(そういえば見てなかったな)

ぱらっ (手紙を開く)

拝啓 セオドア・レティオール様

今日は私をクリジアの町に連れて 行ってくださり、 ありがとうございました。

長年別れていた家族に会えて、 とても嬉しかったです。

また、私を怖い人達から守ってくださったこともとても嬉しかったです。

城で働いてから今日まで

セオドア様のおかげで、 助けられたこと。立ち直れたこと、 たくさんありました。

多くのクリジア人を差別する人達に 悪口を言われ、怖い思いをした私が

怯えずにいろんな人と仲良くなれたのは、セオドア様のような優しい方と出会えたおかげです。

セオドア様のまっさらな 優しい心に私は何度も救われました。

もし、幸せを分けてあげるから、 セオドア様に全部あげたいくらい、 感謝の気持ちでいっぱいです。

本当に本当に ありがとうございました。

もうすぐマリア様が嫁がれるので、

お会いできるのは これが最後かもしれませんが、

私はセオドア様から受けた優しさを 私は決して忘れません。

大好きでした。

シゼ・ノーディン

セオドア

!…

セオドア

セオドア

は…

ぽろっ (セオドアの目から涙が溢れる)

セオドア

(…俺は)

セオドア

セオドア

((((((さっきの俺は一体なんてことを…!!))))))

セオドア

(すまない、シゼ)

セオドア

(俺は一瞬、シゼを恨んだ。)

セオドア

(クリジアの女に関わるんじゃなかったとほんの少し後悔した)

セオドア

(でもそれは間違いだった。)

セオドア

(こんなにも美しい心を持った子が、差別されるなんて世の中、おかしい!)

セオドア

(俺は…こういう子を守るために、こういう子の命を無駄にしないために)

セオドア

(父親を超えたいと思ったんじゃないのか…!)

セオドア

セオドア

…すまん、シゼ。

セオドア

待っていろ、

セオドア

俺が親父と、親父を守るこの国を絶対に変えてみせる…。

第3期 おわり

みなさんこんにちは。

あけましておめでとうございます。

眠野ねつきです。

第3期はここで終わりです。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

続きの第4期はリメイク版にて、

他サイトで公開する予定です。

なお、他サイトではテラーノベル版とは少し違った設定でお話を 公開する予定です。

『本好き少女の冒険譚(タイトル仮)』

今の所、3月9日他サイトに 第一話公開予定。

他サイトでもよろしくお願いします。

それでは、ここまで読んでくださり 本当にありがとうございました。

皆さんが素敵な一年を 過ごせますように。

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