多嶋
尾崎さん
多嶋
あの事件はどうなっていますか?
尾崎
かなり難航している…
尾崎
一課総出であたってるが…
尾崎
全く掴めん…
尾崎
これで5件目なんだがな…
多嶋
今までに分かっていることは?
尾崎
被害者は全員女性
尾崎
年齢は20代~30代前半
尾崎
それぞれ右腕を切断されて遺棄されている
尾崎
遺体の周りには犯人を特定できる物証は残されていない
尾崎
ここが厄介なんだ…
多嶋
なるほど…
多嶋
1ヶ月前に尾崎さんから捜査協力要請を貰った時は驚きました
尾崎
それはお前が犯罪心理学者として功績を残してると聞いていたからな
尾崎
ところでお前の見解は?
多嶋
犯人は明らかに「右腕」と「女性」に
多嶋
異常に執着している。
多嶋
このタイプの犯人は
多嶋
過去の経験が影響していることが多い
多嶋
遺体の周りに自分の痕跡を残さないことからも
多嶋
それが推測できます
尾崎
やはりお前に協力を依頼して正解だったよ
多嶋
過去の事件のデータから導き出しただけです
多嶋
犯人の気持ちになることは犯罪心理学の基本なので
多嶋
私も尾崎さんのような方に依頼して頂けて良かったですよ
尾崎
今後も捜査資料は
尾崎
お前の事務所に送っておく
1週間後
尾崎
多嶋、
尾崎
先週の遺棄現場から犯人の物と思われる
尾崎
皮膚片が被害者の左手の爪に残っていた
多嶋
今その物証は何処に?
尾崎
俺が預かっている
尾崎
これから科捜研へもっていく
多嶋
そうですか…
多嶋
私も以前より明確な犯人の心理状況を割り出せたので…
多嶋
報告をと思ったのですが…
尾崎
そうか…
尾崎
科捜研は少し遠いからな…
尾崎
先にお前の事務所に向かう
多嶋
ありがとうございます
多嶋
助かりました
~多嶋の事務所~
(ドアの開く音)
多嶋
どうぞ、掛けてください尾崎さん…
尾崎
あぁ…
多嶋
ブラックコーヒーです…
(携帯の着信音)
多嶋
すみません…外に出ます…
(コーヒーを啜る音)
尾崎
(あの部屋はなんだ…)
尾崎
(不自然にドアが開いている…)
(ドアを開ける音)
尾崎
(書庫の代わりか…)
尾崎
(ファイルがこんなに…)
尾崎
(奥は薄暗いな…)
尾崎
(電気は…)
(明かりが付く)
(後ずさり)
尾崎
これは…まさか…
尾崎
ホルマリン漬け…だと…
尾崎
右腕が…こんなに…
尾崎
他にも…臓…器が
(靴の音)
多嶋
とうとうバレてしまいましたね…
多嶋
バレたというよりも…
多嶋
バラしたというべきか…
尾崎
多嶋…お前…
多嶋
尾崎さん、
多嶋
あなたのような直情型の人間は
多嶋
心理学的に実に操りやすい…
尾崎
なん…だと…
多嶋
警察との接触をあなただけにして
多嶋
正解でした…
多嶋
それより…どうです?
多嶋
私のコレクションは…
尾崎
なん…で…こんなこと…
多嶋
前にも言ったでしょ!
多嶋
犯人の気持ちになることは!
多嶋
犯罪心理学の基本なんですよ!
多嶋
私は犯罪心理学者を志し
多嶋
その途中で、多くの犯罪を知り
多嶋
犯罪心理学者になり直接、犯罪者の思想に触れた!
多嶋
その時すでに私は魅入られていたんですよ…
多嶋
犯罪の美しさにね!
尾崎
なん…て…奴だ
尾崎
お前は…絶…対に
尾崎
俺が…逮捕…す…る
(膝から崩れ落ちる)
多嶋
そろそろ薬が効いて来たようですね…
多嶋
ブラックコーヒーは美味しかったですか?
多嶋
安心してください…
多嶋
私は「女性」の「右腕」にしか興味はないですから…






