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愚鈍な僕の空想理論

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愚鈍な僕の空想理論

1 - 愚鈍な僕の空想理論

♥

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2019年06月06日

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少し小高い丘から

小さくなった街を見下ろす

行き交う人々や

車や家の多さに僕は…

ぼく

うっわー

ぼく

気持ち悪。

と嫌悪を感じた。

もしこの街や世界の人間が

1つの細胞だとして

死亡と再生を繰り返しながら増えるのだとしたら

ぼく

ぼく、個人がどんな生き方をしようと

ぼく

地球にとっちゃほんの一瞬なんだ。

だとしたら

ぼく

どんなに稼いだ医者も

ぼく

どんなにすごい哲学者も

ぼく

どんだけ子孫残したビッグダディも

75.3億の細胞のごく僅かな一部でしかない。

ぼく

だからどんな人生論を説いたって

ぼく

どんな愚直な生き方をしたって

ぼく

パッと弾けてパッと終わる

ぼく

地球にとっちゃほんの一瞬なんだな

そう思うとこの足元の蟻のように

永遠と終わりのない大地を歩き

世界の何も知らずにただ日常を過ごすのは

ぼく

ぼくらも殆ど同じなのかもしれない。

ぼくらは地球が丸いと知っているが

彼らはそれを知らない

彼らは地球が丸いと知らないが

ぼくらも宇宙がどこまでかは知らない

ぼく

ほんとにちんけな存在だ

ぼく

つくづくそう思う

ぼく

もっとバカな細胞に生まれてくりゃ

ぼく

そんな事も考えずに死ねたのにな。

僕はこの増え続ける細胞の中で

弱者だっただけだ

弱い細胞は死に、強い細胞が生きる

そうして進化を繰り返すように

ぼく

弱い細胞の僕は

ぼく

自らの消滅を望む…

だなんてかっこいい事言ってみたけど

ぼく

結局死ぬのは怖えぇなぁ

そして結局思うのだ

ぼく

俺の悩みってちっぽけだなぁ

恋人にふられ、会社の人とも上手くいかず

コミュ力のない自分を弱い細胞だと認めた。

ぼく

だからなんだってんだ。

ぼく

辛い事から逃げたいだけだったんじゃん…

もし、地球にとって一瞬の出来事ならば

あの一瞬痛い注射のように

僕の悩みも一瞬なのかもしれない…

ぼく

さ、いい空気も吸えたし

ぼく

家に帰るとするか…

愚鈍な僕の空想理論

たまには生き抜きだって必要だ…

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