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記憶の欠片

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記憶の欠片

1 - 記憶の欠片〜1話〜

♥

125

2019年07月22日

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意識が。フワフワする

ここは、どこ??

声が。聴こえ...た??

身体が。冷たい。

寒い。怖い。ーー痛い。

痛い痛い痛い痛い

誰??誰??あなたは...

ーーー私は誰??

黎(れい)

ん...

目が覚める。 まだ夜だった。

どうしても。 寝れなかった。

黎(れい)

ーー。

脳裏に浮かぶ。 1人の少女。

それだけで。 苦しくなる。

黎(れい)

ごめ、ん。

小さく言葉が漏れる。

それは。 その少女に対しての 謝罪の言葉。

もう。手遅れ、だ。 彼女の前に 立てない。

黎(れい)

顔。洗おう。

ふらふらと 部屋を後にする。

ピリリリリ

黎(れい)

えっ??電話??

電話を掛けた相手の 名前を見る。

黎(れい)

っ...!!

瞬間。無意識に 電話に出る。

黎(れい)

通話終了

通話
05:11

ピッ。ツーツー。

黎(れい)

良かっ、た。

床に座り込む。 さきほど止めた涙が また流れる。

黎(れい)

づっ...あぁ...

声が漏れる。 それは、 悲しみの声ではない。 安堵の声だ。

黎(れい)

すぐに。謝りたい。

黎(れい)

嫌われても良いから。
ーーー謝りたい。

その後しばらく 泣いていた。 気がつけば 朝日が差し込んでいた。

凪海(なぎ)

朝。

コンコン。ガチャ。

凪海母

凪海。学校。
行けそう??

お母さんが部屋に 入ってくる。

凪海(なぎ)

...はい。
大丈夫です。

身体を見回してから 答える。

凪海母

朝ご飯。作ったから。
それにお弁当も。

凪海(なぎ)

ありがとうございます。

パタン。

お母さんが 部屋を出ていくのを 見て準備をする。 カバンの中の整理。 制服の準備。 それら全て終え ゆっくりと部屋を出る。

凪海(なぎ)

...まだ。
分からない。

ポツリと言葉を こぼす。

凪海(なぎ)

...。

鏡に全身が写る。 実年齢を 感じさせない 大人びた顔立ちの少女。 私だ。私の顔だ。

凪海(なぎ)

分からないよ。

鏡の奥に写る自分の 瞳を見つめる。 瞳には光が無かった。

凪海(なぎ)

あっ。学校。

少し急ぎ気味に 部屋をあとにした。

ドアを開け道に出る。 朝日は眩しく。 鳥の声が聴こえる。

凪海(なぎ)

学校って。
どこにあるんだろ。

お母さんに 聞き忘れていた。 ...どうしよう。

見知らぬ少女

な、凪海。

凪海(なぎ)

えっ??
誰、ですか??

見知らぬ少女に 話しかけられて 困惑する。 同じ制服を 着ている所を見ると 同じ学校の生徒だろう。 特徴を上げるとしたら。 小さい身長と 幼女の様な顔立ち。 綺麗な白色の瞳。 普通に可愛い少女だ。 誰と言った時 少し悲しそうな表情を していた。 知り合いなのだろうか。

見知らぬ少女

えっと。私は
冥夜 黎(めいや れい)
って言うの。

凪海(なぎ)

黎さんですか、
私に何かご用が
あるんですか??

黎(れい)

いや、学校の場所分かるのかな
って思って来たんだけど。

凪海(なぎ)

そうですか。
確かに場所は
分からないです。

黎(れい)

そこまで...。

凪海(なぎ)

??

黎(れい)

あぁ〜ごめんね。
何でもない。

黎(れい)

とりあえず。学校まで
案内するよ。

凪海(なぎ)

はい。
ありがとうございます。

冥夜 黎 冥夜、黎。 めいや れい。 あれ??何でだろう。 彼女の名前を 頭で反芻(はんすう) するたびに 鈍く(にぶく)痛む

凪海(なぎ)

...。

黎(れい)

凪海ー。早くしないと
遅刻するよー。

凪海(なぎ)

は、はい。

彼女は私にとっての 何なのだろう?? ー記憶を無くす前の 私にとっての 何なのだろう。

1話完

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コメント

17

ユーザー

勝てにゃい( ´ ཫ ` )

ユーザー

【結果】めっちゃ上手いにゃ!

ユーザー

(*゚∀゚)アハア八アッ八ッノヽ~☆

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