23歳、春。
街の景色は少し変わったけど
私の隣には
あの日と同じ香りがした
○○
私は鞄を肩にかけ
会社へ向かった
ビジネス街の一角
高層ビルの10階
その一室で私はネクタイを締めた
男性社員たちに囲まれていた
社員
社員
社員
一人の社員が私を見てヒソヒソと話し始めた
社員
社員
…気にしない、気にしない
表向きは「新入社員」だけど
実際はこの会社の「次期社長」
もちろん
その事を知っているのは部長とごく1部だけ
お父様とお母様の反対を押し切って
新入社員として入社をした
私は…私の力で登り詰める
小雪
小雪
デスクからひょこっと顔を出して挨拶してきたのは
1年前に入社した女の子の
小雪ちゃんだった
○○
小雪
そう言って私にガッツポーズを向けた
可愛いな…
小雪
○○
私はそう小雪ちゃんに言い
自分のデスクに着いた
私はかなりの仕事を任されている
それは社長の娘だからではなく
成績を残しているから
それでも…枕を疑われたりするのは
仕方ない事なのかな
○○
私は仕事をしながらも
頭を悩ませた
そしてお昼休み
私たちは会社を出て
オシャレなカフェに入店した
小雪
○○
○○
○○
小雪
小雪
私たちは注文をし
料理が運ばれてくるのを待った
そして数分後
店員
私たちが頼んだ料理が運ばれ
それぞれ口にした
小雪
小雪ちゃんはキラキラした目で私を見てきた
○○
小雪
美味しそうに食べる小雪ちゃんを見ていると
小雪
○○
小雪
○○
○○
私と治はあれからもずっと付き合っている
小雪
○○
○○
小雪
小雪
小雪
小雪
○○
確か前に費用のあれで顔出したんだっけ
小雪
小雪
小雪
○○
小雪
小雪
○○
小雪
小雪
小雪
○○
○○
小雪
小雪
○○
○○
小雪
小雪
○○
○○
小雪
小雪
○○
小雪
そう言って小雪ちゃんはカフェオレを飲んだ
小雪
小雪
小雪
○○
そう
私たちの一番の問題は
会えていない…ということだった
○○
○○
小雪
○○
○○
○○
小雪
○○
○○
小雪
○○
夜、私が仕事を終え
治の店の前を通ると
店のあかりは既に落ちている
治は仕込みもあって朝は早いため
夜寝るのが早い
睡眠時間を削ってしまうと
負担になってしまうかもしれない
そう考え顔を出すのは控えていた
逆に治が仕込みを終え
私に連絡をしても
私は会議中のことがほとんど
つまり、殆ど会えないということ
お互い仕事だから仕方ない…
でも
小雪
小雪
○○
○○
○○
私は視線を落としてスマホを見た
もちろん治からの連絡は無い
きっと今はお昼時で忙しいはず
小雪
○○
○○
○○
○○
小雪
小雪
○○
○○
○○
私がそう言うと
小雪ちゃんは「そんなことないのに」
とボソボソ言っていた
そしてその日の夜
私は12時に家に帰り
疲れ果てた状態で
私がお風呂に入り
髪の毛を乾かそうとしたその時
ガチャとドアが開いた
○○
治
治が家に来た
○○
治
治
そう言うと私の横に腰をかけた
○○
治
治
少しはぐらかしながら
私の頭をタオルでわしゃわしゃと拭いた
治
治
○○
治
治
○○
○○
治
治
治
○○
治
治
○○
バイトか…若いことか
入るのかな
治
○○
治
治
○○
治
治
○○
○○
治
○○
○○
少し他愛もない話をしながら
治は私の髪を乾かしてくれた
○○
治
○○
治
○○
○○
治
治
治
治
○○
癒されるため…か
○○
治
○○
○○
○○
治
治
治
治
治
○○
○○
治
治
○○
○○
治
治はそう言うと私を引き寄せ
ハグをした
落ち着く…
少し目を閉じると
私は眠りについてしまった
○○
○○
○○
確かに昨日来たはずなのに
私の隣は冷たかった
○○
○○
○○
○○
キッチンに行き
グラスを取り出す時に
あるものが視線に入った
○○
それは
治が握ったおにぎりだった
○○
治の握るおにぎりはピカイチで美味しい
これは彼氏贔屓なしに美味しい
○○
私はそのおにぎりを食べ
会社へ向かった
そして会社のエントランスに入ると
小雪
○○
小雪
小雪
○○
小雪
小雪
○○
小雪
○○
○○
小雪
○○
○○
小雪
小雪
○○
そしてオフィスに着くと
小雪
○○
いつもよりオフィスの中は
人でいっぱいだった
小雪
すると
部長
そう部長が声をかけた
みんなが静かになり
部長の方を見ると
部長
部長
部長
部長の横には小雪ちゃんぐらいの
男の子がいた
綾瀬
綾瀬
綾瀬
簡単に挨拶を済ませた彼は
部長と会議室に入っていった
綾瀬くんか…かなり静かそうだったけど
小雪
小雪
横の小雪ちゃんに目をやると
目が点になっていた
小雪
小雪
○○
小雪
○○
小雪
私が席に着こうとすると同時に
部長が会議室からちょいちょい
と私に手招きをした
○○
なんだろ
そう思いながら私は会議室に向かった
会議室に入ると
そこにはちょこんと綾瀬君が座っていた
背丈は高くガッチリしているが
座っている姿はとても小さく見えた
部長
○○
部長
○○
部長
部長
部長
部長
無茶な頼みだった
私はまだ新人なのに
新人の世話をしながら
案件を回すなんて
そんなの…
と、最初は思った
でもこれはきっと
お父様が考えたことだと
私は瞬時に理解し
○○
○○
そう言ってしまった
前に座っている綾瀬くんは
私のことをじっと見ていた
○○
○○
綾瀬
綾瀬
綾瀬
さっきの印象とは違い
ハキハキと喋る人だった
部長
部長
そう言って
部長は私たちの前に資料を広げた
○○
部長
部長
部長
詳細を見るとそれは
「おにぎり宮」と表記されていた
○○
○○
○○
部長
部長
部長
○○
部長
部長
○○
それだけ伝えると
部長はそそくさと会議室を出た
なんで治のお店と?
そんなこと聞いてなかった
綾瀬
と、今まで静かにしていた綾瀬くんが
口を開いた
綾瀬
綾瀬
○○
○○
○○
大丈夫と言ったものの
不安は募るばかりだった
あまり知らない相手と
私が扇動を切ってプロジェクトを進める
○○
○○
○○
綾瀬
綾瀬
とは言ったものの...
何から聞けばいいんだろ
○○
○○
綾瀬
綾瀬
○○
○○
私にはまだ後輩が少ない
自分が上の立場だとまだ少し緊張をしてしまう
○○
○○
綾瀬
綾瀬
○○
まさかの私より年上だった
すごく童顔なんだ...
○○
○○
綾瀬
綾瀬
○○
綾瀬
○○
話を聞いていくと
前のIT企業に勤めている時
この会社との企画でお父様に目をつけられ
引き抜かれたとの事だった
○○
綾瀬
綾瀬
○○
営業としての顔も技術も
何もかも十分すぎる逸材だった
○○
○○
○○
綾瀬
こうして私たちは
プロジェクトに向けての1歩を踏み出した
そしてその日の夜
会議が長引き11時ぐらいに会社を後にした
治
○○
治
○○
そんなこと今まで無かったのに
○○
○○
治
治
○○
綾瀬
綾瀬
○○
綾瀬くんは治の方をチラチラみていた
綾瀬
○○
彼氏って言いたいけど
一緒に仕事する事になったから
どうしよう
○○
綾瀬
綾瀬
綾瀬
○○
○○
綾瀬くんを見送ってから
治の方を見ると
案の定不貞腐れていた
治
治
治
○○
治
○○
○○
○○
○○
治
治
治
○○
治
○○
○○
○○
○○
治
○○
○○
○○
治
○○
治
治
○○
○○
○○
治
治
治
○○
治
○○
○○
治
○○
治
治
そう言って治は歩き始めた
治は歩き始めてからも
しばらく黙っていた
○○
○○
治
治
○○
○○
治
治
○○
○○
○○
治
治
○○
○○
○○
○○
○○
○○
治
治
治
○○
○○
○○
○○
治
治
○○
治
○○
治
本当は一緒に暮らして
一緒にご飯を食べて
一緒に眠りにつきたい
でもそれって
私のわがままですか...?
○○
○○
私は手を振って治を見送った
コメント
3件
わがままなんかじゃないしむしろお互いの心配も解消されるよ!! 続編まってます!!!!
やばー!○○ちゃん今までの生活上わがまま言い慣れてないんだよね💦続き楽しみすぎる!
すれ違いというか…なんというか…ああ、続き楽しみすぎます…!😭💗