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お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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お節介アゲハと弱虫ヒナタ

第39話 - 初詣

350

2022年12月24日

#ドラマ

#青春恋愛

#高校生

#一次創作

#第3回テノコン

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病院のエントランスでは渚沙が退院の手続きをしていた

渚沙は受付にて検査入院費用を支払い凛太郎の元に駆け寄る

揚羽渚沙

さ！凛太郎！

揚羽渚沙

支払いも終わったし
家に帰るわよ！

揚羽凛太郎

お、おぅ・・・

揚羽凛太郎

なんか・・・
悪かったな、母さん

揚羽渚沙

まぁ、命あっての
物種って言う言葉もあるし

揚羽渚沙

子供が五体満足で
無事でいてくれれば
それでいいわよ

揚羽凛太郎

ありがとう・・・

揚羽渚沙

アンタなんか最近
やたらと素直ね？

揚羽凛太郎

そ、そうかなぁ？

揚羽渚沙

奏星ちゃんの影響かしら？

揚羽凛太郎

べ、別に
そんなんじゃねーよ

揚羽凛太郎

俺は当たり前なことを
ごくごく当たり前に
言ってるだけだよ・・

揚羽渚沙

ふー・・・ん

揚羽渚沙

まぁ、いいけど

揚羽渚沙

で、この後は
奏星ちゃんの家に
行きたいんだったわね？

揚羽凛太郎

あ、あぁ・・・

揚羽渚沙

そんなに奏星ちゃんに
会いたかったわけ？

揚羽凛太郎

そ、そうじゃなくて

揚羽凛太郎

その・・改めて奏星の
家族全員に謝りたいんだ

揚羽渚沙

あっ、そういう事

揚羽凛太郎

散々迷惑を
かけちまったからさ

揚羽渚沙

奏星ちゃんには
行くって伝えたの？

揚羽凛太郎

まぁ、一応LIMEはしてる

揚羽渚沙

奏星ちゃんは
なんだって？

揚羽凛太郎

今日は大晦日で
家族全員居るから

揚羽凛太郎

いつでも大丈夫だって
さっき返信来た

揚羽渚沙

あ！そっか！

揚羽渚沙

今日って大晦日だったわね

揚羽渚沙

すっかり忘れてたわ！

揚羽凛太郎

まぁ、クリスマスから
色んな事がありすぎたからな

揚羽凛太郎

俺も奏星のLIMEで
気付かされたよ・・

揚羽渚沙

じゃあ、今日は
お蕎麦を食べなきゃね

揚羽凛太郎

あはは・・そうだな

常盤小雪

初詣？

肝月琢磨

は、はい・・・

肝月琢磨

ホラ！今日って
大晦日じゃないですか？

常盤小雪

う、うん、そうね

肝月琢磨

な、なので、その
日付が変わって

肝月琢磨

新年を迎えたら、その

肝月琢磨

常盤先生と一緒に初詣に
行きたいなぁ・・と

常盤小雪

初詣ね・・・

肝月琢磨

駅近くの霞神社なら
毎年０時から初詣
やってるじゃないですか？

肝月琢磨

ど、どうですか？

肝月琢磨

一緒に初詣・・・

常盤小雪

いいわよ！
行きましょうか♫

肝月琢磨

そうですか！

肝月琢磨

（よかった・・・）

肝月琢磨

（断られなくて）

肝月は安堵に満ちた笑みをこぼす

常盤小雪

なんか、やけに
嬉しそうね？

常盤小雪

そんなに初詣
行きたかったの？

肝月琢磨

そりゃ、恋人同士で
初詣って憧れてたんで

肝月琢磨

夢が叶いましたよ

常盤小雪

夢って・・
大袈裟すぎでしょ

小雪は照れ臭そうにコメカミを人差し指でポリポリと掻く

肝月琢磨

あ、すいません・・・

肝月琢磨

あはは・・・

常盤小雪

というか・・・

常盤小雪

もう呼ばないの？

肝月琢磨

え？

常盤小雪

その・・なんというか

常盤小雪

小雪って・・・

肝月琢磨

あっ・・・

常盤小雪

今朝からずっと
呼び方、常盤先生に
戻ってない？

肝月琢磨

いや、それは・・・

常盤小雪

もう、呼びたく──

肝月琢磨

呼びたくないなんて
そんな事ないです！

肝月琢磨

こ、こ、小雪さん！！

常盤小雪

なんかぎこちないわね

肝月琢磨

す、すいません・・・

常盤小雪

謝らなくて良いわよ

常盤小雪

嫌じゃないから・・

肝月琢磨

・・・・・

肝月は小雪の顔を見つめる

常盤小雪

何よ

常盤小雪

私の顔ジッと見て

肝月琢磨

小雪さんは・・その

肝月琢磨

呼んでくれないんですか？

常盤小雪

え！？

肝月琢磨

その・・した名前で

肝月琢磨

琢磨くん・・って

常盤小雪

・・・・・

小雪は頬を桜色に染めて目線を逸らす

常盤小雪

ま、まぁ・・・

常盤小雪

呼んであげない事も無いけど

肝月琢磨

・・・・・・

常盤小雪

た、琢磨・・くん

小雪は上目遣いで照れ臭そうに名前を呼ぶ

肝月琢磨

！！！！！！

肝月琢磨

な、なんか・・・

常盤小雪

何よ・・・

肝月琢磨

トゥンクって感じですね

常盤小雪

もう、何言ってんのよ

常盤小雪

バカ・・・

肝月琢磨

あは、あはは・・・

日向家

揚羽凛太郎

この度は──

揚羽凛太郎

本当に──

揚羽凛太郎

申し訳ありませんでした

揚羽渚沙

申し訳ありませんでした

凛太郎と渚沙は日向家の面々に深々と頭を下げる

日向康文

まぁ！まぁ！二人とも

日向康文

揚羽くんも！
頭を上げてくれ！

揚羽凛太郎

で、ですけど・・・

揚羽凛太郎

奏星や綾星ちゃん

揚羽凛太郎

大切な娘さんに
迷惑をかけてしまって──

揚羽凛太郎

俺は・・俺は・・

日向康文

事情はみんなから聞いたよ

日向康文

元々は人助けが
原因だというのは

日向康文

揚羽くんらしいと思うが

日向康文

今回ばかりは
仕方がないさ！

揚羽凛太郎

お父さん・・・

日向康文

揚羽くんだって
迷惑をかけようと思って

日向康文

ああいう結果に
なった訳じゃないんだろ？

揚羽凛太郎

それはそうですけど・・

日向康文

それに奏星や綾星に
被害が出た訳じゃ

揚羽凛太郎

しかし、そ、それは
あくまでも結果論で──

日向康文

いいじゃないか！
結果論でも！

日向康文

結果的に娘たちに
これといった被害が
出た訳じゃないし

日向康文

揚羽くんだって
こうして無事だったんだ

揚羽凛太郎

お父さん・・・

日向康文

それに、奏星や綾星

日向康文

私も志津香も

日向康文

この家の人間誰一人
揚羽くんを恨んでない

日向康文

そうだろ？

日向綾星

そうだよ！
揚羽お兄ちゃん！

日向綾星

私、全然
恨んでなんかないよ？

揚羽凛太郎

綾星ちゃん・・・

日向奏星

もう、自分のことばかり
責めすぎだよ？凛くんは

揚羽凛太郎

奏星・・・

日向奏星

もう、しっかりしなよ

揚羽凛太郎

ご、ごめん・・・

日向志津香

ふふふ

揚羽渚沙

随分と頼りになる
彼女を貰ったわね

揚羽渚沙

凛太郎！

渚沙は凛太郎の背中を手のひらでパシンと叩いた

揚羽凛太郎

ちょ、叩くなよな

日向志津香

そうだ渚沙さん

揚羽渚沙

はい・・・

日向志津香

今日は夕飯とか
何か考えてるんですか？

揚羽渚沙

いや、まだで・・・

揚羽渚沙

全く考える余裕がなくて

揚羽渚沙

そばを食べよう
くらいしか・・・

日向志津香

でしたら丁度いいわ

日向志津香

我が家は毎年
大晦日にはすき焼きを
食べるんですけど

日向志津香

一緒に食べましょうよ

揚羽渚沙

え！？いいんですか？

揚羽渚沙

ついこの前もご馳走様に
なったばかりなのに・・

日向志津香

いいんですよ！

日向志津香

お気になさらずに！

揚羽渚沙

し、しかし・・・

日向志津香

まぁ、アレですよ

日向志津香

仲直りの記念？
みたいな風に
思ってもらえれば！ね？

日向康文

本当にお前は
大勢で食卓を囲むのが
好きな奴だなぁ・・

日向志津香

いいじゃない！別に！

日向志津香

大勢で食べた方が
美味しいでしょ？

日向康文

そりゃそうだけどな

日向志津香

アンタも自慢のすき焼き
食べてもらいたいでしょ

揚羽渚沙

あっ、すき焼きは
旦那さんが
作られるんですね

日向志津香

すき焼きだけは
上手いんですよ

日向志津香

すき焼きだけは

日向康文

２回言うなよ！

日向志津香

だって本当の事でしょ？

日向奏星

パパのすき焼き
ホント美味しいですよ

日向奏星

赤ワインを使って
割下で作るすき焼き
なんですよ

揚羽渚沙

赤ワイン！？

揚羽渚沙

随分と本格的！！

日向康文

志津香の言う通り
すき焼きだけは
自信ありますから

日向康文

ぜひ食べていってくださいよ

揚羽渚沙

じゃあお言葉に
甘えようか・・

揚羽渚沙

ね？凛太郎？

揚羽凛太郎

お、おぅ、そうだな

夕方

日向康文

じゃあ──

日向康文

すき焼き作るぞ！

日向奏星

よろしくねパパ！

日向綾星

今年もうんと美味しい
すき焼きお願いね？

日向康文

おぅ！任せなさい！

日向康文

さぁて！やりますか！

康文は袖を捲り上げ意気揚々とすき焼きの準備をする

それを真剣な眼差しで見つめる渚沙

揚羽渚沙

（私も見て
勉強しなきゃ！）

揚羽凛太郎

（母さん真剣だな）

まず大きめのスキムレットに牛脂を１個入れてトングで鍋全体に馴染ませる

揚羽渚沙

普通の鍋じゃ
ないんですね

日向康文

普通の鍋じゃなくて
スキムレットを使った方が

日向康文

簡単にすき焼きが
出来ますし

日向康文

何より熱々が
持続するんですよ

揚羽渚沙

へーそうなんですね

それから牛脂が鍋全体に馴染んだらすき焼き用の牛肩ロースを入れて軽く焼く

それから焼き豆腐1/2丁を入れ

傘と軸に切り分けた椎茸を４つ入れる

それから斜め切りにした白ネギ1/2本を入れ

最後に赤ワインを100cc注ぎ市販のすき焼きのタレを 100cc注ぎひと煮立ちさせる

日向康文

よし！できた！

グツグツと音を立てるすき焼きからは甘辛い香りが立ち込めている

揚羽渚沙

わぁ！いい香り！

揚羽凛太郎

うまそうっスね

日向奏星

ホント
美味しいから！

日向康文

みんな！

日向康文

遠慮せずにどんどん
食べてくださいね

揚羽凛太郎

ありがとうございます

揚羽凛太郎

いただきます！！

揚羽渚沙

ありがたく
いただきます！

日向志津香

はい！今年もご苦労様！

志津香は康文にグラフを手渡し瓶ビールを注ぎ入れる

日向康文

お、ありがとう！

日向綾星

やっぱ大晦日は
パパのすき焼きが
なきゃね！！

日向奏星

ほんとそれ！

日向康文

やっぱコレをしなきゃ
年越しって感じが
しないからなぁ！

日向志津香

あっ、そうだ！
渚沙さんも
ビールどうですか？

揚羽渚沙

え？いいんですか？

日向志津香

せっかくの
大晦日ですし

日向志津香

どうですか？

日向志津香

この前は
飲まれませんでしたよね？

日向志津香

今日くらいは
いいんじゃないですか？

揚羽渚沙

じゃ、じゃ・・・
お言葉に甘えて・・

揚羽凛太郎

あんま飲み過ぎるなよ！

揚羽渚沙

わかってるわよ！
一杯だけよ！一杯だけ

揚羽凛太郎

どうだか・・・

日向康文

いやぁ、渚沙さん！
意外にイケるんですね///

揚羽渚沙

そんな事全然
ないですよ〜///

日向康文

あら、もう
ビール無くなったな///

日向康文

おーい！志津香！もう
ビール無かったかな？///

日向志津香

二人が飲み尽くしたから
もう１本も残って無いわよ

日向康文

え？まじで？///

日向康文

もうそんなに
飲んだのか///

揚羽渚沙

あら・・すいません///

揚羽渚沙

一杯だけの
つもりだったのに///

日向志津香

いいんですよ！
お気になさらずに！

日向志津香

この飲んだくれに
付き合っていただいて

日向志津香

むしろ感謝してますよ

揚羽渚沙

あは、あはは・・・///

日向康文

じゃあ酒はもう
１本も無いのか？///

日向志津香

あとは赤ワイン
だったらあるわよ？

日向康文

ワインかぁ〜///

日向康文

渚沙さんどうです？///

日向康文

ワイン飲めます？///

揚羽渚沙

まぁ、はい・・・
ワインは好きですけど///

揚羽渚沙

でも、いいんですか？///

日向康文

たまには良い
じゃないですか///

日向康文

毎日毎日、仕事に育児
大変でしょ？///

日向康文

たまには自分を
適度に許さなきゃ///

日向康文

こうやって自分を
甘やかすのも大切ですよ///

揚羽渚沙

そ、そうですね〜///

日向康文

ホラ！ホラ！注ぎますから
どんどん飲んで飲んで///

揚羽渚沙

あら、すいません///

揚羽渚沙

グビグビ///

揚羽渚沙

このワインおいしー///

日向康文

良い飲みっぷりですね///

揚羽渚沙

ホラ！康文さん///

揚羽渚沙

私ばっかりは
申し訳ないんで///

揚羽渚沙

今度は私が
お注ぎしますよ///

日向康文

ああ、すいません///

日向康文

グビグビ///

日向康文

かぁー美味い///

日向康文

やっぱ年の瀬は
こうじゃなきゃ///

揚羽渚沙

ですね///

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

はぁ〜・・・

揚羽凛太郎

ったく・・・

揚羽凛太郎

何が一杯だけだよ

揚羽凛太郎

何杯飲んでんだよ・・
母さん・・・

揚羽凛太郎

少しは自重しろよな

日向奏星

ふふふ

日向奏星

ウチにはお酒飲む人は
パパしかいないから

日向奏星

同じようにお酒を
飲める人が居て
嬉しいんじゃないかな？

日向綾星

いつもよりいーっぱい
飲んでるもんね！パパ！

揚羽凛太郎

なんかすいませんね

日向志津香

いいじゃない！たまには

日向志津香

こういう賑やかなの
私、好きだから

揚羽凛太郎

あはは・・・

揚羽渚沙

いやぁ〜・・///

揚羽渚沙

なんかすいませんね///

揚羽渚沙

調子に乗って
飲みすぎちゃいました///

日向康文

いやいや
いいんですよ///

日向康文

私も今日は飲みすぎ
ちゃったんで///

日向康文

お互い様ですよ
わはは///

揚羽渚沙

あははは////

揚羽凛太郎

はぁ〜・・・

日向志津香

ふふふ

志津香は台所で洗い物をしながら微笑む

揚羽渚沙

あっ、志津香さん///

揚羽渚沙

洗い物・・私も
お手伝いしますよ///

日向志津香

あ、いいんですよ

日向志津香

渚沙さんは大切な
お客様なんですから

日向志津香

ゆっくりどうぞ

揚羽渚沙

すいません・・・///

日向奏星

凛くんのママって
お酒強いんだね

揚羽凛太郎

まぁ、俺飲んだ事無いから
あれが強いのか弱いのか

揚羽凛太郎

あんまし
分かんねーけど

揚羽凛太郎

若い頃は、言い寄ってくる
男連中を全員酒で
潰してたって言ってたなぁ

日向奏星

酒豪じゃん！

日向綾星

お兄ちゃんのママ
かっこいー！！

揚羽渚沙

いやぁね！
昔の話よ！昔の話///

日向康文

あ、そうだ！揚羽くんも
一杯くらいどうだ？///

揚羽凛太郎

いや、俺は──

日向康文

揚羽くんも来年は
成人なんだし
一杯くらいは──

パシン

奏星が康文の頭を軽く叩く

日向奏星

コラ！パパ！

日向奏星

平然と未成年に
お酒すすめないの！

日向康文

いやだなぁ、軽い
冗談だろ！冗談！

日向康文

あはは・・・

日向奏星

もう、パパったら

日向康文

というか奏星・・

日向奏星

なに？パパ

日向康文

なんか・・近頃
だんだんと
志津香に似てきたな

日向奏星

それどういう意味？

日向康文

いや・・深い意味は・・ない

日向奏星

ふー・・・ん

日向康文

あは、あはは・・・

揚羽凛太郎

《お父さん・・》

揚羽凛太郎

《同情します・・》

日向康文

《分かってくれるか・・》

日向康文

《この家の女連中は
いずれ皆志津香みたいに
強くなりそうで・・》

日向康文

《今から憂鬱だよ・・》

揚羽凛太郎

《あはは・・・》

日向奏星

ふたりして何
コソコソしてるの？

揚羽凛太郎

いや、なんでもないよ

日向奏星

ふー・・・ん

揚羽凛太郎

《その、ふーんが怖い》

日向志津香

さぁ！みんな！

日向志津香

お蕎麦の準備できたわよ！

しばらくすると志津香がキッチンから人数分の年越しそばを持ってリビングまでやってきた

揚羽渚沙

お蕎麦まで
ご準備していただいて///

揚羽渚沙

申し訳ありません///

日向志津香

やっぱ年の瀬は
年越し蕎麦ですからね

日向志津香

遠慮せずに
召し上がってください

揚羽凛太郎

ありがとうございます

日向奏星

はい！凛くんの分

揚羽凛太郎

あ、ありがと

日向奏星

あれ？パパは？

日向奏星

さっきまで居たよね？

日向綾星

パパならもう寝たよ

日向奏星

え？もう
寝ちゃったの？

日向康文

zzzzzzzz///

日向康文

おーい！志津香ー！///

日向康文

ムニャムニャ・・・///

日向康文

ワインも無くなったぞー！///

日向康文

ムニャムニャ・・・///

日向康文

酒がたりなーい！///

日向康文

ムニャムニャ・・・///

日向志津香

対して酒に
強く無いのに
無理するからよね

揚羽凛太郎

てか、母さんは
大丈夫なのかよ？

揚羽渚沙

まぁ、私は
大丈夫・・かな///

日向綾星

お兄ちゃんのママ
すごーい！

日向志津香

渚沙さんってホント
お酒強いんですね

揚羽渚沙

いや、そんな事
ありませんよ〜///

揚羽渚沙

あはは・・・///

揚羽凛太郎

さずかは言い寄って来る
男を酒で潰してた母さんだな

日向志津香

なに？その話？
詳しく聞かせて

日向奏星

凛くんのママって
若い頃、言い寄って来る
男の人たち全然を

日向奏星

お酒で潰してたんだって

日向志津香

まぁ！そんなに
強かったんですね

揚羽渚沙

まぁ、若い頃の
話ですよ///

揚羽渚沙

オホホ///

揚羽渚沙

《凛太郎！余計な事
言うんじゃないの！》

揚羽凛太郎

《だって本当の事だろ》

日向志津香

ふふふ

日向奏星

もうすくで
今年も終わりだね

揚羽凛太郎

ああ・・・

揚羽凛太郎

なんか色んな事が
あったよな・・・

日向奏星

うん・・・

揚羽凛太郎

てかさ──

日向奏星

ん？どうかした？

揚羽凛太郎

俺と奏星が夏休み明けに
初めて出会ってから

揚羽凛太郎

まだ４ヶ月なんだよな

日向奏星

え？

揚羽凛太郎

なんかもっとずっと
一緒にいる気がするよ

日向奏星

それって
つまらないって事？

揚羽凛太郎

なんでそうなるんだよ！

日向奏星

いや、だって楽しい事って
あっという間って言うでしょ

日向奏星

だから私と居て
つまらなかったのかなって

揚羽凛太郎

違う！違う！逆だよ！

揚羽凛太郎

なんというか・・・

揚羽凛太郎

密度が濃い？
っていうか、なんというか

揚羽凛太郎

充実しずきてたからさ

揚羽凛太郎

なんかまだ、そんなに
時間が経ってないって
実感が無いって意味だよ

日向奏星

なんだ！そういう意味か

日向奏星

安心した・・・

揚羽凛太郎

俺は・・その

揚羽凛太郎

奏星と一緒に入れて
楽しいし・・・

揚羽凛太郎

幸せだって思ってるよ

日向奏星

もう・・凛くんったら///

揚羽凛太郎

奏星・・・

凛太郎は奏星の両肩を掴み真剣な眼差しで見つめる

日向奏星

凛くん・・・

揚羽凛太郎

俺は奏星と
ずっと一緒に居たい

揚羽凛太郎

この幸せがずっと
続けば良いのにって思ってる

日向奏星

私もだよ・・・

揚羽凛太郎

けど・・・

日向奏星

けど？

揚羽凛太郎

・・・・・

日向奏星

凛くん？

日向奏星

どうかしたの？

揚羽凛太郎

ううん、なんでもないよ

揚羽凛太郎

ずっと一緒に
居たいって話

日向奏星

私も一緒に居たいよ

揚羽凛太郎

奏星・・好きだよ

日向奏星

私も・・好き

凛太郎と奏星は互いに抱きしめ合い口づけを交わす

日向志津香

アツアツのところ
申し訳ないんだけど

日向志津香

私の存在に
気づいてますか？

揚羽凛太郎

え！？

揚羽凛太郎

おか、おか、お母さん！？

日向奏星

も、もう！！

日向奏星

居るなら居るって
早めに言ってよね！！

日向奏星

ママの意地悪！

日向志津香

ごめん！ごめん！

日向志津香

二人の青春を邪魔
しちゃマズイって
思ったから

日向奏星

で、何か用？

日向志津香

新年迎えたらね
霞神社に初詣に行かない？

揚羽凛太郎

あ、そいいえば
霞神社って毎年０時から

揚羽凛太郎

初詣やってましたね

日向奏星

いいね！初詣！

日向志津香

じゃあみんなで
行きましょうか！

日向奏星

賛成！！

そして

揚羽渚沙

5──

日向綾星

４──

日向志津香

３──

日向奏星

２──

揚羽凛太郎

１──

Happy New Year

揚羽凛太郎

ついに新年！！

日向奏星

凛くん！

日向奏星

あけまして
おめでとうございます！

日向奏星

今年も宜しく
お願いします！

揚羽凛太郎

こちらこそ！

揚羽凛太郎

よろしくお願いします

揚羽渚沙

ふふふ

凛太郎たちは家を飛び出し霞神社へ向かう

日向志津香

結構人居るわね

揚羽凛太郎

やっぱみんな霞神社に
向かってるんですかね？

日向志津香

そうでしょうね

日向志津香

毎年アソコは
人が大勢集まるから

日向綾星

でもパパは
置いてきてよかったの？

日向志津香

大丈夫よ！

日向志津香

今頃夢の中で酒盛りして
楽しんでるでしょうから

日向奏星

ふふふ

霞神社

姫川美咲

あっ！奏星！
おーい！奏星！

日向奏星

あっ！美咲！

姫川美咲

やっぱ奏星たちも
来てたんだ！

揚羽凛太郎

よう！姫川！

姫川美咲

新年早々夫婦で初詣？

姫川美咲

相変わらず
アツアツね！

揚羽凛太郎

夫婦じゃねーし

和久井龍也

夫婦みてーな
もんだろ！

和久井龍也

鬼嫁の尻に敷かれる
恐妻家のリンwww

揚羽凛太郎

笑ってんな！

日向奏星

鬼嫁って誰の事？

和久井龍也

あれ？聞こえてました？

和久井龍也

あはは・・・

姫川美咲

笑って誤魔化さないの

日向志津香

あら、姫川さん！
お久しぶりです

姫川樹音

日向さん！
お久しぶりです！

姫川樹音

今年も宜しく
お願いします

姫川鉄心

お願いします

日向志津香

こちらこそよろしく
お願いします

和久井友恵

姫川さん！

和久井友恵

あけまして
おめでとうございます

姫川樹音

和久井さん

姫川樹音

おめでとうございます

和久井重道

いつも息子が
お世話になってます

姫川鉄心

こちらこそ娘の美咲が
お世話になってます

和久井友恵

龍也のヤツ
失礼な事してませんか？

和久井龍也

ちょ！母ちゃん！

和久井龍也

余計な話はすんなって
言っただろーが！

和久井友恵

あら、ごめんなさい

姫川鉄心

龍也には迷惑なんて
かけられてませんよ

姫川鉄心

立派な男ですよ！
息子さんは！

和久井重道

いやぁ、ありがとう
ございます

姫川樹音

美咲の方こそ
ご迷惑をおかけ
してませんか？

和久井友恵

もう、どんでもないです

和久井友恵

礼儀正しい娘さんですよ

和久井龍也

良かったな！美咲！

姫川美咲

えへへ

肝月琢磨

まずいですよ！
小雪さん・・・

肝月琢磨

みんな居ますよ

常盤小雪

保護者までみんな
居るじゃない・・・

常盤小雪

こんな所見られたら
マズイわね・・・

肝月琢磨

ここまで来て
なんですけど

肝月琢磨

今日は大人しく
帰りますか・・・

常盤小雪

仕方ないわね・・・

姫川美咲

あっ！常盤先生と
肝月先生！！

姫川美咲

二人で初詣ですか？

肝月琢磨

げっ！姫川！！

常盤小雪

あらら・・・

常盤小雪

（よりにもよって
姫川さんに見られた・・）

姫川美咲

あれれー！

姫川美咲

二人で初詣なんて
仲良しですね

姫川美咲

もしかして付き──

肝月琢磨

いやぁ、まぁ、なんだ

肝月琢磨

新学期の打ち合わせを
常盤先生としてたらな

肝月琢磨

こんな時間に
なっちゃってだなぁ

肝月琢磨

せっかくなら初詣に
行きましょうって話になって

肝月琢磨

たまたま来たんだよ！

肝月琢磨

そう！たまたま！

肝月琢磨

別に常盤先生と
付き合ってる訳じゃ
ないからな？

常盤小雪

誰もそこまで
言ってないわよ

小雪が肝月の頭を鋭く叩く

肝月琢磨

あ、すいません

姫川美咲

わぁ！やっぱり
付き合ってたんだ！

姫川美咲

みんなに言ってこよ！

走り出す美咲を小雪が引き止める

常盤小雪

お願い！黙ってて

姫川美咲

えー！何でですかー！

常盤小雪

教師同士での交際は
保護者に白い目で
見られちゃうのよ

姫川美咲

え？そうなんですか？

常盤小雪

教師が恋愛にうつつを
抜かすなって
言われちゃうのよ！

常盤小雪

だからね？黙ってて

常盤小雪

この通り！お願い！

日向志津香

あら、常盤先生
じゃないですか

日向志津香

奇遇ですね

常盤小雪

わぁ！日向さん！！

日向志津香

それに──

肝月琢磨

・・・・・

日向志津香

確か肝月先生・・でしたね

日向志津香

お二人で初詣ですか？

日向志津香

随分と仲が
よろしいんですね

常盤小雪

いやぁ、あはは・・・

肝月琢磨

あはは・・・

日向志津香

もしかして──

常盤小雪

・・・・・

小雪は志津香の問いかけに目線を逸らす

日向志津香

まぁ、人間同士なら
そういう関係になるのは
仕方ないですよね

常盤小雪

そう・・ですね

日向志津香

もう、長いんですか？

常盤小雪

いや、実は、昨日
そうなったばかりで

日向志津香

まぁ！！

日向志津香

じゃあまだ
アツアツですね♫

常盤小雪

あの・・日向さん

常盤小雪

このことはどうか
内密にお願いします

日向志津香

ふふふ、分かってますよ

日向志津香

先生という立場上
いろいろ大変
でしょうから

常盤小雪

ありがとうございます

日向志津香

お二人の幸せを切に
祈ってますから

日向志津香

お幸せに

肝月琢磨

ありがとうございます

姫川美咲

ねぇ！ねぇ！みんな！
聞いて！聞いて！

揚羽凛太郎

ん？どうかしたか？

和久井龍也

なんか楽しそうだな

姫川美咲

常盤先生と
肝月先生なんだけと

姫川美咲

実はあのふたり──

日向志津香

はいそこまでよ！
美咲ちゃん！

志津香が美咲の口を両手で塞ぐ

姫川美咲

ちょ！ママさん！

日向志津香

ダーメ！

日向奏星

どうかしたの？

揚羽凛太郎

何かあったんですか？

日向志津香

いや、こっちの話

日向志津香

ね？美咲ちゃん？

姫川美咲

う・・・

美咲は志津香の圧力に萎縮してしまう

姫川美咲

はーい！わかりました

和久井龍也

何の話だよ

姫川美咲

なんか言っちゃ
ダメっぽいから

姫川美咲

ほとぼりが覚めたら
みんなに話す

日向奏星

？

揚羽凛太郎

？

姫川美咲

それより！

姫川美咲

お願い事言ってから
早く帰ろう

姫川美咲

このまま居たら
凍え死んじゃうよ

揚羽凛太郎

確かに寒すぎるな

日向奏星

確かに・・・

日向奏星

凛くんはなんて
お願いしたの？

揚羽凛太郎

え？俺は──

姫川美咲

あー！ダメダメ！

姫川美咲

言っちゃダメだよ

和久井龍也

何をそんな必死に
なってんだよ

姫川美咲

みんな知らないの？

姫川美咲

何をお願いしたか
言っちゃったら

姫川美咲

そのお願い叶わないんだよ？

揚羽凛太郎

え？まじで？

揚羽凛太郎

知らなかった・・・

和久井龍也

んなの迷信だろ

姫川美咲

迷信とは言い切れないよ

姫川美咲

仮に本当だったら
どうすんの？

姫川美咲

お願い叶わなくても
いいの？龍也は！

和久井龍也

まぁ、そりゃ、嫌だけど

姫川美咲

でしょ？でしょ？

揚羽凛太郎

なら言わないわ

日向奏星

えー

揚羽凛太郎

だって叶わないのは
マズイからな・・・

日向奏星

まぁ、しょうがないか

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽渚沙

今日はご馳走様でした

揚羽凛太郎

ありがとうございました

日向志津香

いつでも来てね

日向綾星

お兄ちゃんとママなら
大歓迎だから

揚羽凛太郎

ありがと♫綾星ちゃん♫

日向奏星

じゃあ凛くん

日向奏星

またらLIMEするね

揚羽凛太郎

お、おぅ・・・

揚羽凛太郎

またな！

日向奏星

うん♫

揚羽渚沙

あんた──

揚羽渚沙

何でお願いしたの？

揚羽凛太郎

はぁ？言わねーよ

揚羽渚沙

言ってくれても
いいじゃない

揚羽凛太郎

まぁ、あれだ

揚羽凛太郎

母さんが酒を
やめますようにって
お願いしたんだよ

揚羽渚沙

あぁ、そりゃ神様でも
叶えられない願いね

揚羽凛太郎

少しは自重しろよ

揚羽渚沙

まぁ、努力するわ

揚羽凛太郎

ったく・・・

揚羽凛太郎

（あんな願いを言ったなんて
言える訳ねーしな）

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

（神様・・・）

揚羽凛太郎

（俺は奏星に
幸せになってもらいたい）

揚羽凛太郎

（奏星は俺なんかと
一緒に居たら──）

揚羽凛太郎

（また危険な目に
遭うかもしれない）

揚羽凛太郎

（だから──）

揚羽凛太郎

（俺と別れても──）

揚羽凛太郎

（奏星が幸せに
なりますように）

揚羽凛太郎

（奏星の事を、どうか
見守ってあげてください）

揚羽凛太郎

（お願いします）

揚羽凛太郎

（俺はどうでも良い）

揚羽凛太郎

（奏星が幸せに
なってくれさえすれば）

揚羽凛太郎

（何も望みませんから！）

揚羽凛太郎

（どうか・・どうか・・・）

揚羽凛太郎

（お願いします神様！）

日向奏星

なんか随分と
長くない？

揚羽凛太郎

え？そ、そうかな？

日向奏星

どれだけ
お願いしたのよ

日向奏星

凛くんのよくばり！

揚羽凛太郎

べ、別にそんなんじゃねーし

姫川美咲

それより早く行こうよ

和久井龍也

寒すぎて死ぬわ

揚羽凛太郎

お、おぅ、そうだな