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リビングに足を踏み入れても、ゆいの鼓動はまだ早かった。 けれど、クラシックサンズがそっと背中を押してくれるおかげで、少しだけ前に踏み出せた。
サンズ
そのとき、部屋の奥からひとりのサンズが姿を見せた。 太陽のように穏やかな笑顔を浮かべながら‥‥
ドリーム
その声はあまりにも優しくて、胸の緊張が少しだけほどけた。
ゆい
すると、筆を持ったサンズがソファからぴょんと飛び降りてきた。
インク
ゆい
インクは純粋な好奇心でまっすぐ見つめてくる。
近い。近すぎる。
サンズ
インク
サンズ
インクは「ちぇっ」と唇を尖らせながらも、少し下がった。
サンズ
その笑みは優しいのに、胸の奥でざらりと不安が揺れた。
みんな笑顔なのに、その瞳の奥に――何か重たいものが潜んでいる気がしたから。
リビングでの挨拶を終えたあと、クラシックサンズはゆいをさらに奥の部屋へ案内した。
サンズ
ゆい
その時、足音がキッチンから響く。
ホラー
骨の一部が欠けたような姿のサンズが、ゆいの前までゆっくり歩いてくる。
怖い。けれど――その手に持っていたのは木のスプーン。
ホラー
ゆいは思わず受け取ってしまった。
ゆい
ホラーはほんの少しだけ、目元をゆるめた。
次に、影の中から声が落ちる。
マーダー
マーダー(ダスト)サンズがゆっくり姿を現した。
その眼差しは暗く、何かに怯えるようで――けれど離れない。
マーダー
ゆい
そう言いながらも、ゆいから目を逸らすことはなかった。
突然、明るい笑い声が響く。
キラー
ナイフを弄びながらキラーサンズが近づいてくる。
キラー
ゆい
何も言えなかった。
廊下の奥から、黒い触手を揺らす影が現れる。
ナイトメア
低く甘い声とともに、触手がゆいの足元に触れそうに伸びる。
ナイトメア
その視線にぞくりと背筋が冷えた。
対して、別の部屋からぬるりとグリッチが溢れた。
エラー
言葉は途切れ途切れ。 けれど、その目はどこか必死だった。
最後に、いろんな所(?)がクロスしているサンズがゆっくり歩み寄ってきた。
クロス
静かな声。 けれど、サンズ(本家)に少し似たその眼差しの奥には、強い執着が潜んでいた。
そして、暖炉の近くで本を閉じた影がゆいを見つめる。
白メア
その微笑みはやさしい。 だが、影に沈む瞳は深い悲しみを抱えていた。
こうして、シェアハウスに暮らすすべてのサンズと顔を合わせたゆい。 彼らは皆、穏やかで、優しくて、親しげで――
でも、
ゆい
その瞳の奥に潜む“熱”。 掴めないほど深い、それぞれの感情。
この場所で何が待っているのか、まだゆいには分からなかった。