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rd

なんか自然いっぱいだね、ここら辺。

上から下に、 緑の葉が落ちていくのを見る。

その緑の葉は5人に降り注いでいる。

ru

神殿が近くなってきたん
じゃないのかな?

rd

だと良いんだけど、

青鬼がイカを横目で見る。

cn

……ま、そうだね。

cn

大分…近づいたんじゃないかな?

bd

お、教えてくれんのめずら

cn

これ以上は教えませーん

rd

ねーばど、どっち方向?

bd

ん?このまま真っ直ぐ行くだけやで

堕天使が煙草を取り出す。

それに悪魔が火をつける。

この動作も大分見慣れてきた。

bd

さんきゅー

自然は沢山あるものの、 動物は1匹もいない。

猫も鳥も何もいない。

葉がざわめく音だけが聞こえる。

rd

( …なんか、

rd

( ざわざわする…

rd

え、神殿近くね?

目の前の長い階段の先に、 白い建物が見える。

その建物は他とは比べ物にならない 気品さがある。

周りはもう日が落ちかけている。

ru

ほんとだ、もうすぐ…

cn

あとはこの長ーい階段だけだね?

bd

…まじか、運動嫌いや俺

rd

まぁまぁ!翼があるじゃないすか!

bd

翼で行くか?

堕天使が黒い翼を出す。

ru

そうする?、

悪魔も赤と黒の翼を出す。

cn

……待って

cn

翼で飛ぶってさ、体力いるの?

ru

あー…、まぁ少しはいる

bd

おん、誰か運ぶってなったら尚更

rd

どして?

イカが神殿の方を見る。

cn

…体力、残しておいた方がいいかもね。

rd

( おっと…

bd

……警告か?

cn

助言だよ

cn

さ、行こう

ru

……

rd

( 絶対何かあるじゃんか…

4人は歩いて階段を登って行った。

rd

ッ階段長ぇ……

もう完全に日が落ち、 周りが暗くなっていた。

bd

いや、半分は…行ったんちゃうか…、?

ru

きょーさん…大丈夫?

堕天使が肩で息をする。

bd

ん、…大丈夫

cn

頑張れー

rd

なんでコンちゃんは平気なんだよ!!

cn

だって俺、仕事関係で何回も来てるもん

cn

慣れちゃった

イカはすいすい泳ぐように登っていく。

bd

ッ負けてられっかぁッ!!

ru

あッ、速!?

悪魔も慌てて階段を登る。

rd

……

今まで登ってきた階段を見下ろす。

下も上も長い。

rd

…俺も行こ

風の音がする。

辺りを月明かりが静かに照らしている。

rd

わ…、なんだここ…

白くて、普通のサイズの神殿。

4人の人外の目的地でもあった。

bd

へぇ、意外に普通なんやな

堕天使が神殿の前に立ち見上げる。

cn

……

ru

…これを、壊すの…?

rd

うん、壊す。

青鬼が神殿の柱に手を添える。

rd

…!、

神殿の地面から黒い煙のようなものが 出てくる。

bd

うわ、なんやこれ

その黒い煙が同じ場所に集まる。

その黒い煙はやがて、 人の形になる。

黒い煙で形成された少年は、 そのうち動き出した。

茶色い髪に、パーカー。

鮮やかな緑色の眼。

その少年は、

md

………誰?

心底嫌そうな顔をした。

rd

…え、なにいまの

md

………。

bd

…幽霊、か…?

堕天使が後ろに1歩、距離をとる。

md

………イカ、?

cn

うん、久しぶり

2人は顔見知りらしい。

イカは神殿に関する仕事上だろうか。

md

…なんで、赤の他人を…、ここに…連れて来た?

cn

…俺は一切、手を貸していないよ。

md

………

幽霊が青鬼を睨む。

rd

あ…こんちは…

ru

( …大丈夫…かな…?

md

……神殿に手を…出すな。

幽霊の後ろから、 また黒い煙が出てくる。

その黒い煙は、 ダイヤの剣と変化した。

rd

…、戦う…の?

md

…神殿を壊そうとしないなら、俺も戦わない。

普通に、 幽霊は自分の意思を持っている。

rd

……俺、らっだぁ。

rd

君は?

md

……緑色。

rd

…みどり、さ。

rd

どうして、メメント神殿を守ってるの?

幽霊は剣を握りしめながら、 青鬼の目を真っ直ぐ見る。

md

……使命、だから。

md

俺は、神殿に溜まった怨念が実体化して出来た物。

md

理由はない。

それを聞いて、先程見た黒い煙は 怨念だったのかと理解する。

rd

…俺らは、

rd

絶滅した人間を復活させるために、ここに来た。

md

…なんで…?

幽霊が首を傾げる。

その仕草は、とても幼く見える。

md

人間は、もういない。

md

どうやっても、復活は…、出来ない…

rd

まだ、分からない。

青鬼が幽霊の話を遮る。

rd

初めて人外が生まれたこの神殿。

rd

人外が生まれるきっかけになった神殿を壊せば、

rd

人間が復活…するんじゃないかな?

md

神殿を………

一気に空気がピリつく。

bd

…おい、らっだぁ…

bd

それ言うたら戦闘になってまうやんけ……

rd

あ、…ほんとだ。

md

それなら俺は…戦う。

cn

………

ru

よ、4対1で……?

rd

( あれ?…そういえば。

旅に出る前に、 図書室で読んだ気がする。

幽霊は、朝よりも夜の方が強い。

夜でも目がよく見える。

今は、沢山の星が夜空に浮かんでいる。

rd

( 俺らの方が…不利、か

md

ほんとに良いの?

bd

…らっだぁ、武器を持て

rd

待って。

rd

…戻ろう。

ru

え!?

cn

…うん、らっだぁに賛成

md

……そっか。

md

なら良かった。

青鬼達が来た道を向く。

幽霊は青鬼達の姿が見えなくなるまで ダイヤの剣を持ち続けていた。

md

……今、4人も殺したら…

md

埋められる土地が、更に少なくなっちゃう。

md

死体にならなくて…、良かった。

近くの地面には、 人の指や頭が埋められていた。

これは5つの魂が消えるまでの物語だ。

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