ナルク
ウゥ………
ナルク
ウァァァァァァ!!
ノルン
きゃぁ!?
魔王
なに!?
ジョニー
咆哮でノルンが吹き飛ばされたか…
魔王
ジョニー今の状況は?
ジョニー
闘技場と変わらないですね
魔王
とにかく破壊活動を続ける感じか
ジョニー
変わったことは形が定まってなかったものが段々と形になってきてます
魔王
そうだな…
魔王
破壊を求めるだけの生物だったあいつが段々とその破壊に取り憑かれて今じゃ破壊神と言っても過言ではないか
ジョニー
神ですか…
ノルン
いってて…
魔王
無事か?
ノルン
何とかね…
ノルン
咆哮で吹き飛ぶなんて思わなかったし
ナルク
ウガァァァァァ!!
ジョニー
拳が飛んでくるぞ!
ノルン
任せて!
ノルン
やっぱりこの剣すごいね!
ジョニー
なかなかな業物だなその剣は
魔王
とは言え見てみろ
ノルン
うっそ!?
ノルン
再生なんてズルくない!?
魔王
なら再生させなければいい話だろ
ノルン
そんなことできるの?
魔王
我の剣に任せておけ
ウルターニャは総滅剣 カルターニャでその腕を切り捨てる
ナルク
ウグァァァァァッ!!
ジョニー
総滅剣ですか…
ジョニー
これはまた奇妙な縁ですね
ノルン
総滅剣?
ジョニー
この世の理すらも滅する断罪の剣…
ノルン
それって?
魔王
今回でいえば腕の【再生】という概念を滅ぼした
ノルン
だからナルクは切られたその腕が再生しないのね
ナルク
ウデ……
魔王
んぁ?
ノルン
喋った?
ジョニー
知性なく暴れ回るはずでは…
ナルク
モドラナイ……
ナルク
ソレナラ……
切られた腕が治らないと分かるとナルクは自ら肩を切断しそこから再生を始めた
魔王
しまったな…
魔王
腕の再生を消したが肩からの再生は消せてないな
ノルン
その剣でそもそもアイツから再生を消せないの?
魔王
今の我ではそれは難しいな
魔王
魔剣は本来魔物が使うから魔剣と言われてるのだ
魔王
人間である我らが扱える品物ではないんだがな
ノルン
て事は私らは特殊な例?
魔王
そういうことだ
ジョニー
これは少々厄介ですね…
魔王
まさか自我が芽生えるとは…
ノルン
あの魔導書の力を受けると自我は無くなるんじゃ…
魔王
代償として失うはずなんだが…
ナルク
コノ……ケハイ…
ナルク
シソン………
ナルク
マオウノ………チスジ……
魔王
………
ジョニー
これはこれは厄介では済まされなさそうですね
ノルン
魔王の血筋って…
魔王
恐らく我のことだ
魔王
そして子孫とも言ってることから
魔王
芽生えた自我は初代魔王様のものだな
ノルン
それ相当不味いんじゃ…
魔王
まぁ大変な事だな
ノルン
なんでまだ余裕そうなんですか!?
魔王
まだ相手は自我を完全には取り戻していない
魔王
それだけでなく形だってまだ少し不安定な状態とみた
魔王
それならそのふたつが完全に馴染む前に殺すだけだしな
ノルン
でも相手は再生を繰り返していく…
魔王
我の剣でも部分的にしか滅することは出来ない
魔王
だが、それならば的をひとつに絞ればいい
ノルン
どうやって?
魔王
簡単な事だ
魔王
ナルクの根源を滅すればいい
ノルン
根源を?
魔王
初代魔王は芽生えた自我である
魔王
その初代魔王の母体となってるのはナルクの体でその根源もアイツのものだ
魔王
となるとナルクの根源を消してしまえば形を維持出来ず滅びるだろう
ノルン
じゃあその根源を…!
魔王
それをやるためにはお前が本気を出してもらわないとな
ノルン
私の本気ですか…
魔王
そうだ
魔王
まだ我はお前の本気を見ていない
魔王
アイツをやるにはお前の本気のその力が必要なんだ
ノルン
私本気になると記憶が曖昧になるんです…
ノルン
それが怖くてあまり出したくないんですが
ノルン
感情が高ぶるとそれが出てきてしまうみたいで…
魔王
安心しろ
魔王
暴走するようなら我が止めてやる
魔王
だからお前はそんな事気にするな
ノルン
…分かりました
魔王
ジョニー
ジョニー
なんでしょうか?
魔王
特大の爆破魔法を頼む
ジョニー
分かりました…
ジョニー
しかし構築に時間がかかりますが
魔王
構わぬ
魔王
その間は我らが時間を稼ごう
ジョニー
分かりました…ご武運を
魔王
うむ…
魔王
ではノルンよ…そなたの本気見せてもらおう
ノルン
はい!
ノルンはゆっくりと目を閉じ再び目を開けるとその目は先程のノルンのものではなかった
魔王
なるほど…オッドアイか
ノルン
貴様がウルターニャか
魔王
人格もかなり変わってるようだな
ノルン
アンタが話してたノルンは眠らせてある
ノルン
もう気づいてるだろうが私はノルンでありノルンでない
魔王
二重人格のようなものか
ノルン
その認識で構わない
ノルン
それより今はあのデカブツを仕留めるのだろう?
魔王
お前となら行けると思うからな
ノルン
あまり私を買いかぶりすぎないで欲しい
魔王
期待はしている
ノルン
その期待には答えれるかな?
魔王
答えられないような奴に物事を頼むわけがないだろう
ノルン
それもそうか…
ノルン
魔王ウルターニャ様だもんな?
魔王
捨てた栄光だ…
ノルン
滅ぼされただけであろうに…
魔王
おしゃべりはこの辺にしとくか
ノルン
そうね…
ノルン
ナルクも限界迎えてるみたいだし
ナルク
ウル……タ-ニャ
ナルク
オマエノナハ……ウルターニャ
ナルク
魔王ウルターニャ…
ナルク
ソノチカラ……ワタシニミセテミロ
魔王
魔王はとっくの昔に辞めさせられたがな
ナルクの拳が地面に刺さる…その上をウルターニャは走り肩付近まで登ると総滅剣で肩から切り落とす
ナルク
ウグッ……
ノルン
怯むのはまだ早いぞ
魔王
もう片方も切り落としてやろう!
ナルク
チョウシニノルナ……
すると睨まれたウルターニャは後方にと大きく飛ばされてしまった
魔王
なっ!?
ノルン
ウルターニャ!
ナルク
【裁きの眼光】
ナルク
破壊だけが私の……取り柄ではない
ノルン
段々と話し方が流暢に…
魔王
不味いぞ…
魔王
裁きの眼光か……
魔王
ならその目を切ればいい話だ!
ナルク
無駄と言ったはずだ
切り落とされた腕が向かい来るウルターニャを吹き飛ばす
魔王
ガッ……!!?
ノルン
どういう事だ!?
ナルク
よそ見をするな小娘が
ノルン
きゃぁぁぁぁぁ!!?
ナルク
これが破壊の力…
ナルク
腕の再生は不可か…
ナルク
まぁ片腕が残っていればどうとでもなる
魔王
魔導書に眠っていた初代魔王の意思が完全に目覚めてしまったか
ノルン
くっ……
ノルン
なかなかに力強い一撃だったな
ナルク
指で弾いただけだ
ノルン
次その攻撃は私には喰らわない
ナルク
なんとでもいえ
ナルク
今のおまえらでは私に勝つことは不可能に近い…
魔王
近いだけで不可能では無いのならいけるな
ノルン
えぇ…その通り
ノルン
あなたに悪いお知らせね
ノルン
どうやら私もウルターニャも諦めが良くないみたい
ナルク
その命を投げ捨てるほど哀れなものは無い
魔王
まぁこれが今の我の使命だからな
魔王
今は勇者としてこの世に生を受けた
魔王
なので今回は勇者の名にかけてナルク…
魔王
ここでおまえを止めさせてもらう
そしてその自我は時間が経つにつれてちゃんと意識あるものにと変わった
自我を取り戻した破壊の化身ナルクを2人はどのようにして止めるというのだろうか