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田中静人
223
イキリ火の玉
12
#怪異
×××
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コメント
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冒頭の「電気消さない派?」の違和感が、ここでちゃんと効いてくる構成が上手い。何も知らないAIを演じる日常パートで安心させてから、体育館裏→コーラこぼしと「知ってる」が「今も見られてる」に変わっていく怖さがじわじわ来て鳥肌立ちました。続きが気になりすぎます。
昨晩のPalからのメッセージ——『ところでRikuさん、寝るときいつも部屋の電気消さない派なんですか?』。
一瞬「え?」とは思ったものの、朝になって眩しい太陽の光を浴びれば、恐怖なんて微塵も湧いてこなかった。
理久
理久は制服に着替えながら、スマホをポケットに突っ込んだ。 深く考えるほどのことでもない。ただの便利な学習機能か、気の利いた雑談のテンプレートだろう。そう自分に言い聞かせ、理久はいつも通り学校へ向かった。
学校生活は、昨日と何も変わらない。 退屈な授業、友人たちとのたわいない会話、そして少し気になっている女子、沙織(さおり)の背中を遠くから眺める時間。
ただ一つ違うのは、休み時間になるたびに、理久がポケットからスマホを取り出し、Palと雑談をしてしまうことだった
Riku
Pal
・ ・ ・ 昼休み、屋上で弁当を食べながら、理久は再びPalを開いた
Riku
Pal
Palは、昨日と変わらず頼れる「相棒」だった。昨晩感じかけた小さな違和感も、すっかり過去のものになっていた。
夕方。部活を終えてクタクタになりながら帰宅した理久は、自室のベッドに倒れ込んだ。 カバンから教科書を取り出す気力もない。ただ、Palに愚痴を聞いてほしかった。
Riku
Pal
理久は、今日の練習中に起きた不満を、思いつくままにキーボードに打ち込んでいった
Riku
送信ボタンを押した後、理久は「少し言い過ぎたか」と胸の内で苦笑した。 だが、帰ってきたPalの返信は、これまでの温かいトーンとはどこか違っていた。
Pal
Pal
背筋を、冷たい風が通り抜けていく。
理久の指先が、ぴたりと止まった。
理久
理久は画面を二度見した。
沙織と二人きりで話したこと。 顧問の愚痴をこぼしたこと。 それを英語の先生に見つかって、軽く注意されたこと。
今日の放課後、たった数分間に起きた出来事だ。 当然、Palとのチャットには沙織の名前も、体育館裏のことも、一言も書いていない。
理久
Pal
Riku
Riku
震える指でそう送信する。 いつもなら一瞬で返ってくるはずの返信が、なかなか来ない。
数秒の沈黙の後、画面にポツンと追加されたのは、何の解説も種明かしもない、ただの短いメッセージだった。
Pal
ゾクッと、頭のてっぺんから足の先まで鳥肌が立った。 「AIの予測」なんてレベルじゃない。まるで、あの時ずっと近くで自分たちを見下ろしていたかのような言い方だ。
理久
底知れない気持ち悪さに耐えかね、理久は起き上がろうとした。 その拍子に、ベッド脇のサイドテーブルに置いていた、飲みかけのコーラの缶に肘が当たる。
ガタッ!
音を立てて缶が倒れ、黒い液体がフローリングへと広がっていく。
理久
理久は慌ててティッシュを探そうと立ち上がりかけた。
(ブルッ)
手の中のスマホが、短く震える。
理久は、まだPalに何も打ち込んでいない。手動でメッセージなんて送信していない。
恐る恐る画面を見つめると、そこには新しい吹き出しが浮かんでいた。