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高砂 慎

…だから、ここの公式はこうなるってわけだ。

桐本 風音

魔の13階段…か。一応お札と塩と…数珠とか?(ブツブツ…

高砂 慎

話聞いてるか?桐本。

桐本 風音

聞いてます聞いてます!

高砂 慎

絶対嘘じゃん…

高砂 慎(たかさ しん)(24) 3年C組担任。担当教科は数学

高砂 慎

じゃ、続きからなー。

キーンコーンカーンコーン…

桐本 風音

ふー、終わった終わった!じゃあ早速検証…

ガシッ

桐本 風音

に…って、え?

高砂 慎

よしじゃあ、ちょっとこっち来い、桐本。

桐本 風音

え?あの、私これから部活が…ちょ…せんせ…先生ー?!

指導室

桐本 風音

(なんで私が指導室に…。でも生徒指導は別の先生だよね?)

桐本 風音

(…何がバレたんだろう。心当たりがありすぎてわかんないな。)

高砂 慎

桐本。

桐本 風音

はい!?

高砂 慎

…お前、八不思議を調べようとか思ってないよな?

桐本 風音

え!?いや、そんなことは断じて…!

高砂 慎

どっちにしろ言っておくけど…
やめとけ。アレは…本当に「危険」なんだよ。

桐本 風音

危険…ですか。

高砂 慎

そうだ。

高砂 慎

…興味本位だと、取り返しのつかないことになるぞ?

桐本 風音

え?それってどういう…。

高砂 慎

詳しくは言えないんだけど…とにかくまぁ、
八不思議に首を突っ込むのだけはやめておけ。

桐本 風音

でも…なんでそんなことを…。

高砂 慎

……まぁ、なんとなく、だ。
もういいぞ。お前、今日部活だろ?

桐本 風音

え、でも先生、まだ聞きたいことが…!

高砂 慎

ほら早く。行け。

桐本 風音

ちょっと,せん…

パタン…

高砂 慎

…ふぅ…。アイツは好奇心がありすぎるんだよなぁ…。

高砂 慎

それは長所でもあるが…
場合によっては大切なものを失うかもしれないな…「俺みたい」に…。

桐本 風音

(…高砂先生の言ってたことは気になるけど…
 結局来てしまった…。)

根古谷 蜜

はぁ〜…薄気味悪い場所やな。

蜜の言う通り、「魔の13階段」の話を知っているからなのか、 絶えず見られているような感覚と、変に生ぬるい空気。 気のせいであれば良いのだが…。 圭はまだ来ていないようだ。

桐本 風音

時間は…19:58か。よし。

根古谷 蜜

出るんかね、ほんまに。

桐本 風音

うーん…出た方が伸びはいいよね!

根古谷 蜜

え、それ本気で言うてるんか…?

桐本 風音

え?何が?

根古谷 蜜

(大丈夫やろか、こいつ…。)

根古谷 蜜

あと5秒くらいで8時やで。

キーンコーンカーンコーン…

桐本 風音

よし…じゃあ行ってくる!

桐本 風音

スー…

キュッ…キュッ…

薄暗い階段に、上履きと床が擦れる音だけが響く。

そして…

桐本 風音

(そして…12!)

12段目を踏む。目線を前へやると…

桐本 風音

あれ…?

桐本 風音

桐本 風音

な、なにもない…。

桐本 風音

デタラメ…だったのかな…。

月見里 圭

先輩!

桐本 風音

圭くん!?

今、風音がいる段の、さらに上のほうから声が響く。

月見里 圭

早くに来ちゃったんで、上に上がってたんですよ。

月見里 圭

それより、こっちに来てみてください!

桐本 風音

そっちに?なんで?

月見里 圭

来てみてからのお楽しみ、です。

桐本 風音

分かった、今行…

根古谷 蜜

…先輩?誰と話してるんや?

桐本 風音

誰…って、圭くんと…

桐本 風音

…え?

違和感を感じた時にはもう遅い。 それがこの怪奇の"やり口"だった。

上へ行こうとした風音の足は、いつの間にか現れた「13段目」の上にあった。 もう少しで踏む…というところで。

グイッ

桐本 風音

うわっ?!

ドサッ

月見里 圭

ハァ、ハァ…だ、大丈夫ですか?

圭を下敷きに、風音は引き摺り下ろされた。

桐本 風音

け、圭くん…。本物の圭くん?

月見里 圭

何言ってるんですか。遅れたのは申し訳ないですけど…。

月見里 圭

(先輩軽くね…?ってそれは流石にキモいぞ俺…)

月見里 圭

じゃなくて!13段目を踏みそうになりましたよね!
こんな危険なこと、やっぱりやめま…。

桐本 風音

そう!13段目、あったの!嘘じゃなかったんだよ!あとまだ7つ!

根古谷 蜜

…まさか、続けるつもりじゃ…。

桐本 風音

え?当たり前でしょ?

根古谷 蜜

うわあああもうコイツ馬鹿や!根っからの馬鹿や!

桐本 風音

失礼な!ただ怪奇が好きなだけです〜!

根古谷 蜜

変わらんわボケェ!!!

月見里 圭

喧嘩しないでくださいよ。先生来ますよ?

桐本 風音

まっさかぁ。

高砂 慎

騒がしいな、何事だ…って、桐本!?

桐本 風音

げっ。

ガッ

高砂 慎

やめろって言っただろ!?そこらの噂程度の怪奇とは違う!
危険なんだよ、うちの八不思議は!

桐本 風音

だ、だって、広報部が…。

高砂 慎

二度とやるんじゃない!他の噂も例外なくだ!
生徒が学校で行方不明になったりしたら、担任の俺も大目玉だぞ!

桐本 風音

す、すみません…。

高砂 慎

とにかく!もう帰れ。

高砂 慎

もう一度言うぞ、二度と!やるんじゃない!分かったな!

桐本 風音

……。

根古谷 蜜

(嫌そうな顔するんじゃない。素直にはいって言え。)

桐本 風音

(なんで!?せっかく部数伸びしそうなネタが…
八不思議が実在するって分かったんだよ!?)(目の訴え)

根古谷 蜜

(じゃかあしいんじゃい!幼稚園生じゃあるまいし、諦めい!)

桐本 風音

…は…い…。うぐっ…。

月見里 圭

泣いてる…。

根古谷 蜜

泣いとるな…。

高砂 慎

そんなに中断したくないのかお前…。

桐本 風音

だって…。これがダメだったら広報部は…廃部しか…!

高砂 慎

あー!分かった分かった!

高砂 慎

俺も行く!

月見里 圭

…え?

高砂 慎

もし危険だと判断すれば、俺がやめさせる!いいな!

根古谷 蜜

それ、先生って立場としてええの?

高砂 慎

う…まぁ、今ダメだって言ってもどうせやるからなコイツ…。

桐本 風音

えへへ…そんなに言われるほどでも…。

高砂 慎

褒めてない。

高砂 慎

というか,顧問としての責任もあるしな…

根古谷 蜜

…顧問?

高砂 慎

…まさかお前ら,顧問の存在を忘れてたなんて言わないよな?

桐本 風音

…わ,忘れてないですけど!

月見里 圭

…お,覚えてましたけどね

根古谷 蜜

ちょっと記憶になかっただけやで

高砂 慎

それを忘れてるって言うんだよ

高砂 慎

これまで監督できてなかった俺の責任もあるしな

桐本 風音

ん?ってことは検証は…続けられる?

高砂 慎

…不本意だがな。

桐本 風音

やったぁっ!続けられる!

根古谷 蜜

はぁ〜…マジか…。

月見里 圭

続くのか…。

高砂 慎

(…先輩と後輩の温度差が…。大丈夫か、コイツら…。)

─to be continued…

広報部,八不思議検証致します!

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