テラーノベル
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恋愛ゲームには、
主人公が答えを出す前に、
必ずと言っていいほど、最後のイベントがある。
相手の気持ちではなく、
自分の気持ちを確かめるためのイベント。
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翌朝。
由夏はいつもより早く学校へ来た。
教室にはまだ誰もいない。
静かな朝。
自分の席に座り、机へ額を乗せる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
好きだった。
ずっと。
瀬那有眞のことが好きだった。
それは変わらない。
でも髙浦と過ごした時間も、全部本物だった。
ゲームなら、
セーブデータを読み込めばいい。
違うルートを選べばいい。
だけど、現実には
選ばなかった未来は、もう見ることができない。
橘 紗良 タチバナ サラ
聞き慣れた声。
由夏が顔を上げる。
紗良だった。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
紗良はいつものように笑う。
でも今日は、その笑顔が少しだけ柔らかかった。
橘 紗良 タチバナ サラ
校舎裏。
朝の風が吹く。
2人で並んで歩く。
しばらく無言だった。
やがて、紗良が口を開く。
橘 紗良 タチバナ サラ
名前で呼ばれる。
もう自然になっている。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
図星だった。
由夏は小さく頷く。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は空を見上げる。
橘 紗良 タチバナ サラ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
その一言に、由夏は言葉を失ってしまう。
紗良は笑っていた。
だけど、その笑顔はどこか寂しそうだった。
橘 紗良 タチバナ サラ
少し照れくさそうに笑う。
橘 紗良 タチバナ サラ
由夏の瞳が大きく揺れる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は首を横に振る。
橘 紗良 タチバナ サラ
風が吹く。
髪が揺れる。
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は由夏を見る。
真っ直ぐに。
優しく。
橘 紗良 タチバナ サラ
橘 紗良 タチバナ サラ
橘 紗良 タチバナ サラ
由夏の胸が締め付けられる。
橘 紗良 タチバナ サラ
紗良は笑う。
涙は見せない。
最後まで、笑ったまま。
橘 紗良 タチバナ サラ
橘 紗良 タチバナ サラ
橘 紗良 タチバナ サラ
その日の放課後。
由夏は一人、屋上へ行った。
風が強い。
フェンスにもたれる。
スマホを取り出す。
攻略ログを開く。
1ページ目。
『炭酸覚えてた』
2ページ目。
『待ってた』
3ページ目。
『好きだ』
そして最後のページ。
【私の気持ち】
由夏はゆっくりと文字を打つ。
『私はどうして瀬那くんが好きなんだろう』
『優しいから?』
『近いから?』
『笑ってくれるから?』
少し考えて、全部消した。
違う。
理由なんて、
最初から最後無かった。
好きだから好き。
それだけだった。
由夏は目を閉じる。
そして、静かに笑った。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
その瞬間、
頭の中に、いつものゲーム画面が現れる。
【最終選択】 ▶自分の気持ちを伝える
由夏はその選択を見つめる。
そして、ふっと笑った。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
スマホをポケットにしまう。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
ゲーム画面は静かに消えていった。
【Final Event】 主人公が、自分の意思で選択する準備が整いました。
#オリキャラ
雪凛❄️🎨
42
こころん

20,328
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コメント
1件
ひなさん、第19話読み終わりました……紗良ちゃんの告白シーン、本当に切なくて。好きだったって笑顔で言える強さと、「私じゃないって分かっちゃった」の台詞が胸に刺さりました。由夏が「自分で選ぶ」と決めたラストも、まさに『主人公のターン』って感じで、すごく良かったです。