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続き待ってましたー!✨ いやぁ、本当に迫力満点でした!!最初から最後までハラハラドキドキしながら読ませていただきました! でも、まさかカナトとは1ヶ月前から出逢ってるなんて思いませんでしたね! 一目惚れしてしまうなんて、流石は苺子()
投稿こんなに遅れてすみません…! 体調崩してたり意欲が沸かなかったりでこんな事に… ちなみに最後と前編の最初は繋がる仕様になっております! 途中で出てきた子達は私の執筆中の作品「君と夏」の紅と朔と藤花です。葵は時系列と舞台的に登場させることができませんでした…
カナト
カナト
彼が苺子を手に入れようとした理由。それは、叶うはずない恋であった
僕
カナト
カナト
僕
僕
二人は死んでいるのだから僕らと会ったことなんて無いはずだ
カナネ
僕
カナネ
カナト
僕
カナネ
誰にも感知されなくとも現実自体は行けるという事実に少し戸惑う
僕
カナネ
カナト
カナト
僕
記憶を探る。こんな豪華な館、普通は覚えていそうだが…
カナト
僕
そうだ。僕らは一ヶ月に急に滅んだらしい館を罰ゲームで苺子と共に訪れていた
カナネ
僕
僕
カナト
カナト
誰も来ない、双子だけの館に訪れた僕らと幸せを知らない少年との本当の出会い────
俺は奏音を置いて、珍しく一人で外を見て回っていた
俺
俺
どうせ誰にも聞こえないので抑えることもなく独り言を話していると人の気配がした
俺
普段、こんなところ誰も来ない。来るはずがない
俺
好奇心を持った俺は誰かに近づいていった
気配のする方に行くと二人分の人影が見えた
苺子
レパール
私
苺子
苺子とレパールという人が、どうやら来たらしい
俺
俺
二人の周りを歩いて声を掛けてもやはり気付かない
流石に気付かないか。そう思った瞬間────
苺子
レパール
苺子
レパール
苺子
レパール
苺子
レパール
そう言ってレパールとやらは館がある方を指さした
俺
感心しつつ二人に着いていく
俺
実際問題、苺子という人と目が合った。でも普通は分からない筈だ
俺
俺
何故か苺子のことが目から離せなくなって、胸が高まり夢中になる
俺
俺
気持ちとは裏腹に、何一つできない自分の身体に苛立ちだけが積もる
俺
俺
結局俺は二人の事を追える限界まで追いながら悶々と考え続けた
俺は奏音が待つ館に戻るなり、書物庫へ足を運んだ
自分の気持ちの正体を知るために
俺
奏音にすら感じた事のない気持ちを持ちながら、黙々と俺は本を読み漁る
すると、自分の気持ちと似た事が記されている本を見つける事ができた
俺
どうやらこの気持ちの正体は恋とやらで、俺は苺子に一目惚れしたらしい
俺
好きという、どうしようない感情を持って抱える
好きなのに何もできない
俺
一つの考えが脳裏をチラつく
苺子という人をこちらの世界に引きずり込んで自分のものにするという考えが
俺
しかし気持ちは苺子の事を考えるたびに焼かれるような感覚を感じる
駄目なのは分かりきっているし、そもそもできるかすら分からない
俺
気づけば俺は行動に移していた
気づけば俺は奏音から力を奪って舞台を整えていた
俺
力を蓄えた俺は苺子の魂を夢を通して連れていくことにした
俺
方法としては、魂をこっちの世界に固定させてから存在そのものを引きずり込むものである
奏音に対して申し訳無さと罪悪感を感じた
俺
あの時は奏音の幸せを心から願ったのに、今は自分の都合で奏音を危機に晒している
俺
自分の愚かさを呪いたくなるが、それを上回りそうな程の恋が心から溢れている
俺
俺は苺子の魂を館付近に呼び寄せた
決して実ることの無い恋心は一人の少年を狂わせてしまった
カナネ
カナト
カナト
その声にはカナネに対する罪悪感と苺子に対するどうしようもない悲しい覚悟であった
カナト
僕
どう思うのが正解なのだろうか?
僕
残酷な世界を生き続けて、何も変わらない空間に縛り付けられているカナトの恋
どうしてこんなにも悲しくて、虚しくて、切ない気持ちになるのだろうか
僕
カナト
気づけば僕の目からは涙が溢れていた
僕
僕
カナト
僕
カナト
僕
僕
僕
カナト
彼は酷く自己肯定感が低いと思う。よく申し訳無さそうな顔をしていていた
本当はカナト自身よく分かっていて、だから辛くなっていて
僕
カナト
僕
僕
カナト
カナトに聞かれたくないであろう事を敬語じゃなくなる事も気にせずに問う
カナト
カナネ
カナト
カナトが答えあぐねていると、カナネがカナトを抱きつく
カナネの目にもカナトの目にも涙が浮かんでいた
カナネ
カナト
カナネ
カナネ
お互いに言えずにいた本音だろうか
カナネ
カナト
僕
カナト
カナトは溢れた涙を拭うこともせず、ただただ震えていた
カナト
僕
カナト
カナト
そう言うと共に床に崩れ落ちる
カナト
カナネ
カナネは静かに崩れ落ちたカナトに合わせるように身を屈めて抱きしめている
カナト
カナト
カナト
僕
カナネ
本当に残酷なのだと思い知らされる。この館は滅んでもなお二人を縛り付ける呪いだ
僕
僕
皆、言いたい事を言い終わって沈黙が場を覆う
三人で泣いていた、その時────
苺子
何と苺子が棺桶の蓋を押し出して出てきたのだ
僕
カナト
僕は迷わず苺子に飛びついた
苺子
苺子
僕
再開を暫し喜んでいるとカナネが声を掛けてきた
カナネ
苺子
カナネ
苺子はあんな事があったというのに元気を見せる
カナト
苺子
カナト
苺子
苺子
カナト
苺子は静かに、だけど優しい声色でカナトに語りかける
苺子
苺子
僕
苺子
カナト
寂しそうな顔でカナトが言う
苺子
カナネ
苺子
カナト
苺子
苺子
苺子は懸命に、訴えかけるように言い放った
僕
カナネ
カナト
二人は険しい顔をして考え込んでいる
カナト
カナネ
カナネ
苺子
改めて苺子は天性の人を惹きつける力も持っているのだと実感する
僕
僕
呼ばれた僕らはどうにかなっても二人はどうするのか検討がつかない
苺子
カナネ
カナト
僕
急に頼もしくなって不安に駆られていたがいつも通りで安心できた
カナト
僕
カナト
苺子
カナト
カナネ
カナネ
僕
カナト
今までの平穏を破壊してまで次へ二人は前へ進もうとしている。僕にも何かできないだろうか
僕
私
苺子が食い気味に詰め寄る
カナト
カナト
私
カナネ
私
僕
逃げきれなかったら永遠に現実に戻れ無くなってしまうのだろうか
カナネ
苺子
カナト
僕
カナト
カナト
苺子
僕と苺子が逃げると同時に世界を崩壊させる。きっと大変で重大な事になるだろう
カナネ
カナト
僕
苺子
カナネ
皆、それぞれ想いを込めて歩き始めた
最早見慣れた大広間を見回す
僕
カナト
苺子
カナト
僕
カナネ
カナネ
カナネの表情は少し…いや、かなり悲しそうであった
苺子
僕
苺子
僕
確かによく見てみると最初、苺子が持っていたリュックが見当たらない
苺子
カナト
そう言ってカナトが自分の目の前に手のひらを突き出すとリュックが現れた
苺子
僕
カナト
苺子
カナト
心底納得したと言わんばっかりのカナトに疑問を覚える
僕
カナト
僕
この世界に連れていくだけじゃなくて、記憶を覗いていただなんて衝撃だ
カナネ
苺子
カナネ
カナネ
苺子
カナネ
カナネはルーズリーフを興味津々で見て、カナトに何か耳打ちした
カナト
苺子
そうしてカナトはルーズリーフに何かを書き込んでいった
カナト
私
カナト
私
苺子はルーズリーフを大事そうにポケットの中にしまった
僕
カナネ
カナト
苺子
この時間が永遠に続けば良いと心から思うが、進まないと何も変わらない
カナトとカナネは中央の方に移動して手を繋ぐ
カナト
カナネ
双子はお互いを確かめ合うように声を掛け合っている
僕
苺子
親友と前へ進む覚悟と共に名を呼ぶ
カナネ
カナト
僕
苺子
別れの言葉を互いに掛け合う。希望を、未来を込めて
カナネ
カナネの声がどこか遠くへの聴こえる気がしたのは気の所為だと思う事にした
カナト
カナネ
二人がそう叫んだ瞬間、大きな地震と共に建物────いや空間そのものが崩れ始めた
苺子
カナト
僕
カナネ
苺子
僕らは玄関に向かって走り出した
外に出てもなお、場は揺れ続けている
僕
苺子
目から溢れる涙など気にならなかった。それ以上の言葉にできない感情が胸を埋め尽くしている
苺子
苺子
僕
家を出た時に通ったような道を駆け抜ける。ここで立ち止まっている暇はないのだ
レパール
そういうレパールの視線の先には、溢れんばかりの眩い光を放つところが見える
私
足はとっくに限界を迎えているが走り続けている
レパール
私
私
短い悲鳴をあげた後レパールは木の根元に足を引っ掛け転んでしまったのだ
私
急いで足を止める。全力で走っていたが為に距離は十メートルほど離れてしまっていた
レパール
派手に転んだレパールは立ち上がるにも一苦労といった様子である
私
私
さっきよりもずっと早くなった感覚になりながらレパールに向かって一目散に駆け寄る
私
そういうと親友はハッとしたような表情をして
レパール
二人で手を繋ぎ、光へ飛び込んだ
あまりにも真っ白な空間に私達はいた。ふわふわとした浮遊感がその場を包む
私
私達はちゃんと帰れるのか不安に襲われる
私
キョロキョロと周りを見回すと目をつぶり、光に飛び込んだ体制のまま固まっているレパールが見えた
私
安堵すると同時にカナトから貰ったルーズリーフが勝手にポケットから飛び出して開く
私
ルーズリーフを見て少し悲しくなるとルーズリーフに描かれた文字が見える
そして声が────
カナト
カナト
私
カナト
私
カナト
カナト
私
カナト
私
カナト
カナト
私
言葉で何度言っても足りないくらいの悲しいさようならといつかに期待を込めたありがとうを、君へ
目が覚めると日常に戻っていた
私
私
ベッドから飛び起きると共に安心が押し寄せる
私
私
日付の変化も特に見られない。外も少し暗いがいつも通りの景色が広がっているのが分かる
私
ふと思う。これはただの長い夢だっただけじゃないかと
私
私
もしかして…そう考えポケットに手を入れる
私
私は思わず息を呑んだ
そこにはあの時貰ったルーズリーフが入っていて紛れもない現実なのだと教えてくれた
私
あの二人が存在した、数少ない証拠であった
私
そう考え、メッセージアプリを立ち上げた
ストロベリー🍓
ストロベリー🍓
レパール
レパール
ストロベリー🍓
レパール
ストロベリー🍓
ストロベリー🍓
レパール
ストロベリー🍓
ストロベリー🍓
レパール
ストロベリー🍓
レパール
相変わらず外は薄暗い。けれど不思議と不安は無かった
連絡を済ませた私は少し考え込む
私
私
私は残念ながら頭がよろしくない。だから少しでもカナトに喜んでもらうための下調べを始めた
結局私は待ちきれず、家を飛び出して1時間前の集合場所にいた
私
そう思っていると物凄く見覚えのある人影が視界に映った
私
レパール
互いに驚いて声を出す
レパール
私
レパール
私
私
レパール
気づけば同じ顔して笑みを浮かべていた
この気持ちが安堵なのか、信頼なのかは忘れることにする
私
レパール
事情を説明した後、私達は近くにある花屋に移動し始めた
レパール
私
レパール
私
レパール
季節が春で良かったと心から、ここまで思ったのは始めてかもしれない
レパール
私
レパール
私
レパール
確かに私は食に目がない自覚はあるか心外である
私
レパール
私
レパール
私
レパール
レパールの目が困惑を表している。意外と親友の考え事は分かりやすい…と思う。私は
何はともあれ、この話は終了だ
私
レパール
私
レパール
私
レパール
私
私
レパール
私
レパール
私
レパール
私
私
レパール
私
レパール
そうして私達は花屋に足を踏み入れた
いつも通りの花特有の香りが広がる店内に、あの子の姿は無かった
私
レパール
私
レパール
私
そうして話しながら花を選んでいった
色味や値段を色々考えた末に決め終わった私達は桜並木の道を歩いていた
私
レパール
私
周りを見渡すと老若男女問わず色んな人がいる
ちょうど右斜め前には花屋のあの子と同じくらいの少年二人が仲よさげに歩いていた
私
レパール
何だかしんみりとした雰囲気になってしまった
すると、そんな想いを掻き消すように突風が吹いた
私
レパール
思わず目をつぶり、開けた時には桜の花弁が舞っていた
私
レパール
桜吹雪が舞う青空を、どうしようもない切なさと春のような暖かな想いを込めて見上げた