テラーノベル
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雨の日の夜
るり
インターホンを押す前に言葉が漏れる。 会いたいって言ったのは、そっちだったくせに。
なんで最後のLINEが「気をつけて来いよ、猫ちゃん」なんて軽いんだか。
カチャッ。 扉が開いた瞬間、黒尾鉄朗のくせっ毛が、薄暗い玄関の明かりの下でふわっと揺れた。
黒尾
るり
ぷいと顔を背けるるりに、黒尾はおかしそうに目を細める。
黒尾
るり
黒尾
るり
図星だった
そのまま、黒尾の手が、みくの髪に触れる。やさしく、熱をもった指が濡れた髪を梳いて、耳の後ろをなぞる。
ドキっとした
黒尾
るり
素直になったのは、ただ寒かったから。きっと、それだけのはずだった。
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