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俺は兄ちゃんが嫌い。 兄ちゃんは完璧だから。 顔もスタイルも学歴も運動もすべて。 俺だって勉強頑張ってる。 一日5時間なんて余裕。 でもお兄ちゃんに勝てたことなんて一度もなかった。
さとみ
莉犬
さとみ
飽きるよ、嫌になるよ。 でもお前に勝つために必死に頑張ってんだよ。 なんて言えない。 性格だけでもいい子でいなきゃ。 親に見捨てられちゃうから。 そういえば今日は何徹目だっけ。 もうすぐテストがあるから。 俺は自分の部屋に入って勉強を始めた。
莉犬が部屋からでてこない。 部屋に入ってから何時間も経ってるのに。
さとみ
俺はそっと莉犬の部屋の扉を開けた。 電気はついてる。 でもその電気の下には床に横たわっている弟の姿があった。
さとみ
莉犬
額に手をあてるとものすごい熱があった。 顔を真っ赤にし、汗で服もびっしょり濡れている。 目の下にはクマもあった。 莉犬をそばのベットに寝かせ、俺は体温計を脇の下にあてた。 ピピピピッピピピピッ(こんな音やろ)
さとみ
ひどい熱だ。 まずは着替えさせるか。
あれ? 俺寝てた? 俺は気づかぬうちにベッドに横たわっていた。 起き上がろうとするがだるくて起き上がれない。 ガチャ 部屋の扉が開き、お兄ちゃんが入ってきた。
さとみ
莉犬
さとみ
さとみ
兄ちゃんが俺のそばに座って俺をわしゃわしゃと撫でる。
莉犬
さとみ
お兄ちゃんが間抜けな声を出す。
莉犬
言いたくなかった。 でもこんな素直で優しいお兄ちゃんに黙ってるのもなんか悪くって。
さとみ
え、何言ってんのこの人。 俺容姿も中身もお兄ちゃんに勝ったことなんて・・・
莉犬
俺の言葉を遮ったのはお兄ちゃんの甘いきすだった。 好きでもない人になんでこんなことしてるの?!
莉犬
やばい....長い長すぎる
さとみ
莉犬
さとみ
その言葉で気づいた。 俺だって。 俺もきす仕返した。