出会い頭の恋でした
訳が分からなくなる、恋でした
多分、自分は気持ち悪かったのだと思います
それでも、好きでたまらなかったのです
いっそのこと、殺してくれないだろうかと
そんな思考に至るくらい、好きになったのです
もちろん、貴女は僕を選びませんでした
あの時の冷めた目を、忘れることは無いでしょう
心を射抜かれた気分でした
溶けない氷の矢で、射抜かれたのです
ただ、たまらなく痛く冷たかった
その冷たさが、程よくなるまで抱え込んだのです
要は、別の思考を思い込んだだけなのです
気が狂いそうな恋でした
今思えば、なんと滑稽な恋でしょうか
愛が欲しい訳ではありませんでした
ただ、必要とされたかったのです
利用価値を見出して欲しかったのです
そんな、本当に狂った恋でした
それでも、ただ好きでした
人生を狂わせた、初恋でした
冷たい貴女を、ただ見つめるのです
えぇ、そうです、そうですとも
儚い貴女が、好きだったのです
いずれ散ることが決まった花の
その儚さを隠すような
凛とした強さに
幼い僕は、恋をしたのです
なんと、不思議な初恋でしょう
なんと、くだらない初恋でしょう
それでも
この恋を、後悔したことはありません
ほかの女とも付き合いましたが
貴女には到底敵わない
やはり、貴女だけだったのです
冷たい貴女は、返事もしない
これから、海に投げられる運命でした
せめて楽にと殺したまではいいのですが
あぁ、どうしてなのだろう
殺した後にきた後悔が
僕の心臓に刃物を向けるのです
貴女を殺した刃物で死ねるなら
本望だなと、そう思い
貴女の横に、倒れ込んだ
呆気ない最期だったと思います
けれど、人生で1番、誇らしい気分です
コメント
3件
「僕」は本当に貴女のことが好きで好きでたまらないことが伝わってきた😌💭 「僕」の純粋な恋が実ることはなかったけど、最期は貴女の隣で……、っていうのが「やっと貴女の隣に並べた……」って感じで「僕」にとって幸せな最期を迎えることが出来たのかな、って思うと何とも言えない気持ちになる……っ