飆風 翼
ねぇねぇお母さん
飆風 翼
お母さんのお母さんはどんな人だった?
飆風 咲
ん?
飆風 咲
私のお母さんはねぇ…
飆風 咲
綺麗で素敵で、立派な人だった。
飆風 咲
私が2歳の時、父は鬼に襲われた。
飆風 咲
まだ私の母は23歳という若さだった。
飆風 咲
罪無き父は私達を置いて逝ってしまった
飆風 咲
それから母は鬼殺隊に入ることを決めた
飆風 咲
毎日血を吐く程の鍛錬を怠らずに。
飆風 咲
花の呼吸を身につけた母は最終選別で見事生き残ったの。
飆風 咲
そこから母は柱へと昇格した
飆風 絃
柱って?
飆風 咲
昔鬼なんて腐るほどいた。
飆風 咲
でもその中でも強い12匹を集めた集団。
飆風 咲
十二鬼月。
飆風 咲
十二鬼月には下弦が6匹、上弦が6匹。
飆風 咲
1番弱いのは下弦の陸、1番強いのは上弦の壱。
飆風 咲
十二鬼月のどれか1匹を倒すか、鬼を50匹倒せばなれるものよ。
飆風 咲
鬼殺隊の中でも強い、9人の集団。
飆風 咲
その中に母は入った。25歳の時だった。
飆風 翼
2年もかかったの!?
飆風 咲
2年なんて短いもんよー?
普通短くて3、4年はかかるんだから
普通短くて3、4年はかかるんだから
飆風 咲
私が刀を握ったのは、10歳の時。
飆風 咲
母はこれまた一生懸命に端から教えてくれた。
飆風 咲
でも、私は伸びなかった。弱かった。
飆風 伊織
そんな事ない。君は強いよ。
飆風 咲
そんな事ないですよ…。
飆風 咲
母は華奢だったけど、身長は165cmはあった。
飆風 咲
私の背はどうしてこんなに伸びないんだろう。私の手はどうしてこんなに小さいんだろうって。
飆風 咲
でも、私なりに努力した。
飆風 咲
最終選別に行ったのは刀を持った4年後だった。
飆風 咲
何とか生き残った私は母になんと褒めてもらえるだろう。
飆風 咲
わくわくしていた。
飆風 咲
家に入ると、音ひとつない空間。
飆風 咲
母はいなかった。
飆風 咲
机の上の置き手紙にはそう書いてあった。
咲へ。 この手紙を読んでいるということは、無事帰って来たということね。おめでとう。今まで良く頑張ったわね。 私は今ある鬼と戦っています。 その鬼は、上限の参の鬼、父さんを殺した鬼です。 いくら私が柱だと言え、私は女で、歳も取っています。今の私じゃ無理、なのかもしれません。 もし私が1ヶ月連絡がなく、帰ってこなかった場合は死んだと思いなさい。 咲、あなたも無理なのです。 咲は体が小さすぎる。だから、母さんが死んだら、素敵な殿方でも見つけて、その人と必ず上弦の参を倒してね。 約束ですよ。 どんなに強そうな姿をしていても、どんなに重い圧を感じても、必ず倒しなさい。 逃げることは絶対に許しません。 さぁ、立ち上がって。 一条 咲。 さぁ踏ん張れ。さぁ闘志を燃やせ。 胸を張って生きなさい。 一条 椿
飆風 咲
私はこれを見たとき泣き崩れてしまった。
飆風 咲
最後は母と一緒に居たかった。
飆風 咲
そして、私は1人になった。
飆風 咲
そんな時、うちに尋ねてきた人がいてね。それが伊織さんだよ。
飆風 咲
伊織さんは私より何十倍も強かったし優しかった。
飆風 咲
悲しんでいた私の傍にずっといてくれた。
飆風 咲
そして、一緒に上弦の参を見事倒すことが出来たのよ。
飆風 翼
お父さんもお母さんも凄いんだね!!
飆風 絃
うぅ…泣けてくるね…
飆風 伊織
おい絃、泣くなよ〜
飆風 翼
ねぇねぇ!次はお父さんの妹のお話して!
飆風 伊織
いいぞ〜?