哲人
ウォォォォォォ!!!
哲人
食われて死ぬ!
哲人
確実に俺食われて死ぬ!!
哲人
足を止めるな俺!
哲人
足を止めたら…
哲人
”死”あるのみ……
哲人
だから走れ俺!!
哲人
この瞬間だけ生きる目的を変えるんだ!
哲人
あのロリババアを引っ叩く為に生きるにしよう!
哲人
アイツが手助けしてくれれば、こんなに苦労することは無かったんだから!
哲人
だから走れ俺!
哲人
ほかのことは何も考えず走り続けろ!
エル
エル
おぉ!
エル
元気に走ってるな少年!
哲人
誰のせいでしょうかね!?
エル
目を合わせたお前が悪い
哲人
だとしても逃げる手助けはしてくれますよね!?
哲人
あそこから俺ノンストップですけど!?
エル
やはり若いは武器になるなぁ
哲人
感心してねぇで助けろやァァ!!
エル
喚くな少年
エル
ここまで辿り着けた褒美に助けてやろう
哲人
普通褒美で助けるとかしないですけどね?
エル
エル
《ヘルフレア》
黒炎玉が生成されドラゴンの近くの建物にそれをぶつけ、進路を塞ぐ
哲人
哲人
あっぶぇ!?
哲人
おい!
哲人
俺も巻き込まれて瓦礫の下に埋まるところじゃねぇか!?
エル
埋まるだけじゃないわよ?
エル
あれは黒い炎とも言ってね
エル
放った本人の意思で火を消したり逆に、強めたりできるのよ
哲人
めっちゃ強いのは分かったけど
哲人
それを使ってたった今死人が出かけたんだが
哲人
それはどう説明を?
エル
生きてるからよし!
哲人
ふざけんなよ!!?
エル
まぁまぁ
エル
生きてここまで辿り着けたんだ
エル
私からちょっとしたプレゼントをやろう
哲人
はぁ?
エル
もうちょいこっち来て手を出せ
哲人
ほい
エル
そんじゃあいくぞ
その途端哲人自身でも体のそこから魔力というものを感じれるようになった
哲人
!?
哲人
こ、これは
エル
ずるに近いが、お主のうちに眠る
エル
才能を強制的にこじ開けた
エル
これで魔力は扱えるぞ
エル
んで、魔力解放させたので
エル
魔素も簡単に感知できるはず
エル
ということで、もっかい魔弾を放つ練習しようか
哲人
まずは魔素を体で感じて…
哲人
次に魔素を魔力に変換して形にする……
哲人
一点に魔力をかき集めるとそれは丸く形を作り……
哲人
哲人
はぁっ!!
右の掌に野球ボールくらいの大きさの光の球が出来上がる
哲人
これが魔弾ってやつか?
エル
そうね
エル
それじゃあそれを放ちましょう
エル
今ちょうど瓦礫から抜けたドラゴン後ろにいるし
哲人
建物に当てて足止めくらいしかできないんですよね?
エル
その大きさだとね
哲人
なら、左の建物を使わせてもらおうかな
哲人
哲人
右手を前に突き出して
哲人
今手元に留めている魔弾を放つ…
哲人
イメージは投げるではなく放出…
哲人
体の魔力を一気に吹き出す…
哲人
蛇口のようにひねりを止めてるところから
哲人
ひねって水を出すように
哲人
いわゆるストップをかけてたものを解放する
哲人
そんなイメージなら……
その言葉を体現したかのように放たれた魔弾の威力は凄まじいものであった
元となった魔弾の大きさは野球ボールくらいのはずだった
しかし建物にぶつかった瞬間建物が大きく崩れていった
建物自体脆くなっていたとしても三階建ての建築物が音を立てて崩れたのだ
放たれた魔弾の大きさとその被害の大きさがまるで比例していない
エル
!!
エル
(この子今どうやってその威力の魔弾を…)
エル
(大きさに合わない威力を放つこと自体は別に不可能ではない)
エル
(大きい=強いとは限らない)
エル
(今みたいに小さくても高威力なものも存在する)
エル
(もっと言えばその技術は魔弾を扱う者の間では常識だ)
エル
(大きさにとらわれないという考え自体は有名だが)
エル
(それを実行できるものはそう多くはない)
エル
(放つ魔弾の密度を高めると高威力なものが生まれるが)
エル
(その分制御も難しく、慣れるまではやはり威力を高めると大きくなるもの)
エル
(けど、あの子はそんなこと無かった)
エル
(一切の苦戦をせずにあのレベルを…)
エル
(しかも無意識のうちにそれを行った)
哲人
哲人
な、なんかすげぇことになったァ!!?
哲人
ドラゴンを再度足止めできたけど
哲人
それ以上に今の俺が放ったのか!?
哲人
やっぱり俺は天才なのか?
哲人
ようやくなろう系主人公になれるのか!?
エル
(あの様子だと完全にまぐれね)
エル
(とは言え、まぐれでもあれは完成度が非常に高いもの)
エル
(彼の中に眠る”何か”が力を貸したのか)
エル
(その説が今のところ大きいわね…)
エル
エル
さぁ、足止めしたみたいだし
エル
私らは早くずらかるわよ
哲人
うす!