テラーノベル
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毎日が、怖かった。 朝起きて、永玖が笑っていてくれたら、 今日は少し安心できる気がして。 でも、少しの音にビクッと肩を震わせる永玖を 見るたび、胸が締め付けられた。
パニック発作は、日に一度は起こる。 ひどい日は、朝と夜、二度も三度も。 永玖の叫び声、叩かれる腕の痛み、かすれた声で 「こないで!」と拒絶される苦しさ――
はやと
独り言のように、俺はつぶやく。 血がにじんだ腕を洗って、 震える手で永玖の額を拭う。
はやと
ほんとは、俺だって不安なんだ。 いつまで耐えられるだろう、じゃない。 このまま、永玖が壊れてしまったらどうしようって――それだけが怖いんだ。
はやと
寝息を立てた永玖のそばで、 そっとその手を握った。 あたたかい。 まだ、ここにいる。
はやと
夜の静けさの中で、俺は心の奥で叫んでいた。 永玖が、明日も目を覚ましてくれることだけを祈って――
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