綺
日ノ出 綺
ひので あや
不登校高校生
ひので あや
不登校高校生
遡るは一年前
高校一年生の頃 その頃は普通に友達もいたし、親友と呼べる人もいた。 ただ″居た″だけの関係でもう既に関係は無い。自分に居場所があるとすれば自分の部屋か、
夜だ。
言った通り自分は夜に逃げる。 誰もいない。深夜に逃げる。 親は自慢の人だ。 こんな自分を認めてくれて。 深夜は玄関まで見送ってくれる。 持ち物は 財布と携帯。それからイヤフォン パーカー。お決まりのスニーカーを履いて家から五分ほどの公園に行く。 そこでなにか特別なことをすることも無く、ぼーっとして夜を越す。 夜は平等に毎日降り続ける。 そんな夜も違うことがある。 増えていくこともある。 大切なものを見つけることもあるかもしれない
綺
…コンビニ行こ
綺
お願いします
店員さん
はい
綺
…
店員さん
120円です
綺
…
綺
寒…
???
ほんとにいる
綺
…?
???
おい深夜徘徊少女!
綺
私…私?
???
お前しかいねーだろ
???
…寒い寒い…
???
隣失礼
綺
誰
???
俺は星野優斗(星野ゆうと
星野優斗
よろしく
綺
…
星野優斗
名前は?
綺
…日ノ出綺
星野優斗
いい名前
星野優斗
なんか悩んでんのか?顔に書いてある
綺
なんでわかんの
星野優斗
んー?そんな顔してる
星野優斗
なんでも聞くぜ
綺
別に
星野優斗
…じゃあ星は好きか?
星野優斗
夜空でもいい
綺
(そう聞かれると…
綺
わからん
星野優斗
そう、俺は大好きだこの空が
星野優斗
理由聞くか?
何故か聞きたくなった
綺
うん
星野優斗
俺な、宇宙関連のことが好きなんだ
星野優斗
でも詳しいわけじゃないけど
星野優斗
綺麗で見惚れちまうんだ
星野優斗
人間は知ったように見えて何も知らない
星野優斗
知らないことだらけな事が好きなんだよな俺
綺
ふーん
考えてみれば…そうかも
綺
なんかわかる
星野優斗
まじ?
こんな感覚初めてだ。初対面の人間にこんなにも簡単に話しかけてくれて明るく接してくれる
星野優斗
明日も来る約束な
綺
うんじゃーねおやすみ
星野優斗
の前に!俺の電話番号
綺
うんおけ
こんなに人に興味が湧くのは不登校になって以来初めてだ