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放課後、誰もいない美術室で 泣いていた。

愛香

…ぐすっ…

愛香

…なんで、…

美術室のドアが開いた。

穂村先生

あれ?

穂村先生

南さん?

愛香

穂村先生っ…!

涙がバレないよう、 思いっきり後ろを向く。

穂村先生

…こんな放課後に美術室に来てどうした?

愛香

ちょ、ちょっと…

愛香

忘れ物しちゃって…

穂村先生

その忘れ物は見つかった?

愛香

あ、はい!

愛香

見つかりました!

愛香

もう出ますね!それでは!

入口に向かって走り、 美術室から出ようとする。

穂村先生

さっき、

穂村先生

泣いてたでしょ?

愛香

えっ…

びっくりして、体が動かない。

穂村先生

バレバレだよ(笑)

愛香

ごめんなさい…

穂村先生

えぇ、なんで謝るの?

穂村先生

謝らなくていいよ〜

愛香

はい…

穂村先生

どうしたの?

いつもよりワントーン低い声で 問いかける。

愛香

いや…大丈夫です

穂村先生

大丈夫じゃないのに大丈夫って言うの辞めよ

穂村先生

ほら、そこ座って

椅子を指差す。

愛香

あの、本当に大丈夫なので!

穂村先生

いいからいいから

渋々席に座る。

穂村先生

ちょうど人の絵描きたかったんだ

穂村先生

南さん可愛いし、描きごたえあるな

愛香

え!?

愛香

私のこと描こうとしてます!?

穂村先生

そうだよ?

愛香

私なんかが先生の絵になっていいんですか?

穂村先生

先生の絵って、(笑)

穂村先生

いいから言ってるんだよ

愛香

ありがとうございます…

穂村先生

で、なんで泣いてたの?

穂村先生

描きながらでも答えれるから言いなよ

愛香

またまたありがとうございます

愛香

言いにくいことなんですけどね

愛香

成績が低くなってて…

絵を描きながら真剣に話を聞く先生。

愛香

このまま親に見せると絶対激怒されて、家追い出されますから…

愛香

どうしようかなぁと悩んでた時にふと涙が出ちゃいまして…

穂村先生

それは辛かったな

穂村先生

ちなみにどのくらい?

愛香

それ聞くとこですか…(笑)

穂村先生

ごめんごめん

愛香

167人中、4位です

穂村先生

高いじゃん

愛香

全然ですよ

愛香

前回3位で、親から「次は絶対1位だね」って期待されてたのに…

穂村先生

1位かぁ…

穂村先生

4位でもいいと思うけどねぇ

愛香

先生は良くても親は許さないんです(笑)

穂村先生

あんま無理すると限界超えるぞ

愛香

1位になるまでは限界超えてでも頑張ります!

穂村先生

おいおい

愛香

本当のことですよ?

穂村先生

…だから家に帰りたくないって?

愛香

正解

穂村先生

それなら、

穂村先生

俺の家来るか?

愛香

先生の家にですか?

穂村先生

うん

愛香

どういう…

穂村先生

なーんてな

穂村先生

冗談だよ(笑)

愛香

行きます…

穂村先生

本当に言ってる?

愛香

言ってます

穂村先生

いいよ、おいで

愛香

親にはどうするんですか?

穂村先生

そうだね〜、

穂村先生

友達の家に泊まってるとでも言ったらどうかな?

愛香

そうします!

穂村先生

穂村先生

よし!描けた!

愛香

見たいです!

穂村先生

ご自由にどうぞ?

愛香

やった!

画用紙には愛香の泣いている姿が 紙いっぱいに描かれていた。

愛香

なにこれぇ!

愛香

恥ずかしいです…

穂村先生

人の泣く姿は美しいからね

穂村先生

誰が泣いてても描きたくなるんだ

愛香

泣く姿が美しい…?

穂村先生

泣いてる姿はどこか寂しげで、描いたらすごく透明感がでてね

穂村先生

まるで世界に独りだけのような絵になるんだ

愛香

…ってことは…

愛香

私、今世界に独りぼっち!?

穂村先生

絵の中ではそうなるな

愛香

嘘…

穂村先生

あ、時間

穂村先生

そろそろ学校終了時刻だ

この時からだろうか。

愛香

本当だ…

時間の流れを早く感じ初めたのは。

愛香

時間って経つの早いですね

穂村先生

そうだね

穂村先生

さ、俺の家に行こう

愛香

はい…!

穂村先生

散らかっててごめんね

愛香

全然です!

穂村先生

適当に座ってて

穂村先生

すぐご飯作るから

愛香

はい!

愛香

それにしても結構男っぽい部屋ですね〜

穂村先生

あんまじろじろ見るなよ

愛香

いいじゃないですか!

穂村先生

まぁいいけど…

沈黙が流れ、 料理の音が響く。

愛香

愛香

ねぇ、先生?

愛香

なんの料理作ってる?

穂村先生

オムライス

穂村先生

俺の得意料理なんだよ?

愛香

ほぇぇ

愛香

いつか私にも作り方教えてね

穂村先生

どうしよっかなぁ

愛香

教えて下さいよ!

穂村先生

はいはい、

穂村先生

いつかね

愛香

やった!

穂村先生

はい、できたよ

ぷるぷるの卵の上に赤いトマトソースが のせられている。

愛香

わぁ!おいしそう!

愛香

いただきまーす!

オムライスを口に頬張る。

愛香

んー!!美味しい!

『カシャッ』とシャッター音が鳴り響く。

愛香

えっ?

愛香

今、写真撮りました?

穂村先生

ごめんね

愛香

いや…なんで?

穂村先生

あまりにも美味しく頬張るから

愛香

なるほどねぇ…

愛香

撮った写真、どうするつもり?

穂村先生

さぁ?どうするだろうね

愛香

えぇぇ!

愛香

変なことしないで下さいよ!?

つづく…

この作品はいかがでしたか?

61

コメント

2

ユーザー

わぁ、、先生絶対すきやん(?

ユーザー

先生…だいぶ変t(((((( この後恋しちゃうのかな。 続きを全裸待機(っ ॑꒳ ॑c)

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