甘えちゃん
相対死(あいたいじに)
心中。 江戸幕府は「心中」の語を禁じた。
[男女申し合わせ相果てた者のこと]不義にて相対死した者の死体は取り捨て、弔いをしてはならない。但し一方が生きていた場合、下手人として処罰する」
圧死(あっし)
物につぶされて死ぬこと。
「1293年4月5日、鎌倉に大地震が起こった。…天は鳴動し、地は揺れ動き、泣き叫ぶ人の声で、物の区別もつかない。壁は倒れ、棟は落ちて、あるものはたいらに押し潰され、男女合わせて、死者はおよそ1万人及んだ。」(北条九代記」11)
「神戸市西区の県立神戸高塚高校で、1年生石田僚子さん(当時15歳)が校門の門扉に頭をはさまれて圧死した事件で、兵庫県は16日、僚子さんの遺族と賠償額6千万円で示談が成立したことを明らかにした。」(「読売新聞」90.11.17)
安楽死(あんらくし)
助かる見込のない病人を苦痛から解放するために死期を早めること。
「昭和25年4月14日に東京地方裁判所で判決のあった某朝鮮人の病母嘱託殺人事件は、わが国はじめての安楽死事件として注目された」(日置昌一「ものしり事典」医薬篇)
縊死(いし)
首をくくって死ぬこと。
「天皇は使者を出して皇女を調べたが、皇女は知らないと答えた。そして急に神鏡を持ちだし、五十鈴川に行き人の寄らない場所を選んで鏡を埋め、首をくくって死んだ」(「日本書紀」十四雄略)
[首縊(くびくくり)見分]自縊の場合は首筋が伸び、縄目がくびれ込み、洟やよだれをたらし、両足へ血が下がり太くなっている。他人の仕業ではこれはない。(「検査使心得帳」)
「縊死の特徴は、首をつった瞬間に意識を失うことである。」(古畑種基「法医学の話」)
医療事故死(いりょうじこし)
「医療事故とは、診療中に思いがけなく期待に反した悪い結果が起こったことをいい、その結果死亡したことを医療事故死という」(「死の医学・臨床必携」13 日本プランニングセンター)
討死(うちじに)
戦場で戦って死ぬこと。
「合戦の場で主君とともに討死し、また腹を切るのは常の習いだが、こんなためしは他になかろうと舌をまかない人はいなかった」(「保元物語」下)
「島原にて具足は陣屋にかざり置いて、袴羽織にて戦い、そのままにて討死」(「葉隠」7)
怨死(うらみじに)
恨んで死ぬこと。
「口惜しと思ひ給ひけるにや、七日といふに、怨死に死に給へり」 十訓抄
殪死(えいし)
たおれ死ぬこと。
えつ死(えつし)
暑気にあたって死ぬこと
「1871年ドイツ凱旋軍のベルリンに入るや、えつ死あること免れざりき」(森林太郎「兵役篇」)
( *えつは日偏に曷と書く)
横死(おうし)
事故・殺害など、思いがけない災難で死ぬこと。
思死(おもいじに)
思いつづけて死ぬこと。
「思死(に)死に給ひなば恐しくもこそ」 (「宇津保物語」菊宴)
「思死(に)極めるのが恋の極致、主従の間もこの心ですむ」(「葉隠」236)
客死(かくし)
旅先で死ぬこと。きゃくし。
[野口英世博士アフリカに客死す]博士はアフリカ黄熱病の病原体研究のため昨冬ロックフェラー研究所より単身西アフリカのアシアンチ州アクラに出張研究中…研究の犠牲になってこの病気のために倒れたのである。(「東京朝日新聞」昭23.5.23)
仮死(かし)
呼吸が停止し、一見して死とちがわぬ状態。
餓死(がし)
飢え死に。
「築地のそばや道ばたで餓死している者の数はたいしたものだ。誰もその死骸を片付けようともしないので、臭気が都中にあふれ、それが腐爛していく様子は、とても目をむけられない。」(「方丈記」17)
「筑前でも、キリシタンが信仰のために監禁されていたが、中5人は餓死した」(日本切支丹宗門史」6)
「天明3年秋、北国飢饉にて、南部・仙台・津軽餓死に及べり。その秋南部より山ごしに、羽州秋田へ来たれる回国の行者がかたるには、南部領を過ぎた時、どの方角でも白く小山のごとく積み置いたものが多い。何かと見ると、餓死人の死骸20、30集め置いたものなり。」(「譚海」4)
過失致死(かしつちし)
不注意や怠慢などの過失によって死に至らすこと。
過労死(かろうし)
働き過ぎが原因で死ぬこと。
「過労死は、その原因が過労であること、発症から死亡までを24時間と限定しないこと、また死亡に限らず、重度障害者としての生存者を含む点で、突然死と区別されます。」(過労死弁護団全国連絡会議編「過労死!」)
敢死(かんし)
死を覚悟すること。
急死(きゅうし)
突然死ぬこと。突然死
「一般的にいえば、外因的急死は法医学の対象であり、内因的急死は病死であるので病理学の対象となる。」「医学大辞典」医歯薬出版)
「そんな彼に急死が来ることも計算にいれた暮しであって、悔いることはなかっただろう」(室生犀星「永井荷風への弔辞」
窮死(きゅうし)
窮迫して死ぬこと。
切死・斬死(きりじに)
切り合ってその場で死ぬこと。
「只一騎馳せ帰り、大勢の中へかけ入りて、切死にこそ死にけれ」 (「太平記」26)
絞死(こうし)
首を紐または手で絞めて殺すこと。
「死班が縊死(いし)と絞死との鑑別に役立つことがある。…絞死ではその死んだ時の体形に従って下位に死班が出来ている。」浅田一「法医学ノート」6)
焦死(こがれじに)
恋い慕うあまり、病気になって死ぬこと。
「千愁百病となつて、焦死その数を知らず」(「 男色大鑑」)
獄死(ごくし)
牢獄の中で死ぬこと。
「前項の規定は、在監中死亡したる者ありて死体の引取人なき場合にこれを準用す。」(「帝国憲法」戸籍法129)
個体死(こたいし)
主に人の死をさす。
『従来の心臓死のほかに、脳の死(脳の不可逆的機能喪失)をもって人間の個体死と認めてよい」(日本医師会生命倫理懇談会、昭和63年)
骨折死(こっせつし)
骨折が原因で死ぬこと。
[ウルトラCで骨折死]私立西山高校2年の器械体操部員新見悦子さん(17)が、跳馬の練習で前一回半回転跳びをしたさい着地に失敗、頭からマットに落ち首を骨折、27日死亡。昭51.1.18(小林修「昭和の事件・事故史」)
惨死(ざんし)
むごたらしく死ぬこと。 さんし。
慙死(ざんし)
恥じて死ぬこと。
事故死(じこし)
事故にあって死ぬこと。
「両親パチンコ中にヨチヨチ、1歳坊やが事故死」(新聞見出し、90.12.3)
自然死(しぜんし)
寿命が尽きて死ぬこと。
「自然死とは、全身諸臓器が老化して死に至るものと思われるが、いわゆる老衰といわれている死体を解剖しても、本当の自然死というものはほとんどなく、おおむねなんらかの疾病による死亡と考えられる」(「医学大辞典」医歯薬出版)
「さびしいわれわれは、あなたのその自然死のような絶対の寂けさを思うと羨ましくなります。」(折口信夫「前田夕暮への弔辞」)
十死(じっし)
生きる見込みなく、きわめて危いこと。
「既に十死の体に見え候」(「芭蕉書簡」)
愁死(しゅうし)
うれえて死ぬこと。
ショック死
体験したり見聞きした出来事に驚いて急死すること。
「ショック死は英仏ではインヒビシオン死ともいうが、たびたび腹部を蹴られたりした結果ポカリと起こる」(浅田一「法医学ノート」8)
殉死(じゅんし)
主君が死んだとき、あとを追って臣下が自殺すること。
「明治天皇の霊柩を送りまつりし悲しき夜、我等は更に一つの悲報に接しぬ。それは日露の役に偉勲をたてて赫々たる名誉を天下に輝かしたる乃木将軍殉死の報これなり」(「萬朝報」大正元年9月14日)
衝撃死(しょうげきし)
大きな衝撃が原因で死ぬこと。
[犠牲者の約200人『衝撃死』]名古屋空港の中華航空機墜落・炎上事故で亡くなった乗客・乗員263人のうち200人前後は墜落の衝撃で全身を強打、ほぼ即死状態だったことが29日、愛知県警と運輸省航空事故調査委員会の調べでわかった。(「毎日新聞」94.4.30)
焼死(しょうし)
焼け死ぬこと。
「火は燃え上がり、城は崩れて軍卒はことごとく逃げた。狭穂王と妹は城のなかで死んだ。」(「日本書紀」六垂仁)
「(城の火が)焼け静まって跡をみると、正成は自害して焼け死んだように作られていた。寄せ手の軍兵たちはこれを見て、楠木正成は自害したと思い、万歳を唱えながら、憐れむ者も多かった。」(「北条九代記」12)
「入院患者が焼死。足が不自由、逃げ遅れ」(「毎日新聞」91.5.4 見出し)
殤死(しょうし)
わかじに。はやじに。
「頼朝の息女乙姫君は…同20日の正午、ついに息を引き取られた。御年いまだ14歳である。」(「北条九代記」2)
情死(じょうし)
相愛の男女(同性の場合もある)がいっしょに自殺すること。
「情死のはじめてして、寛永17年に伊丹左京と舟川妥女という二人の美少年の同性心中が『藻屑物語』に記録されている。」(大原健士郎「心中考」1)
浸死(しんし)
水におぼれて死ぬこと。
震死(しんし)
雷にうたれて死ぬこと。
「およそ震死する人で、その体が焼け焦がれている場合は珍しいが、音に驚いて肝を潰す場合が多い。あるいは落ちた家はどうもないが、隣の家の者が死亡することを聞くことがある。」(「閑田次筆」4)
心労死(しんろうし)
悩み苦しんで死ぬこと。
「父親の心労死も要求する『日航御巣鷹事故』の息子」(「週刊新潮」89.2.16見出し)
水死(すいし)
水に溺れて死ぬこと。
「享保9年6月、深川八幡社地の相撲の番付を見るに、成瀬川土左衛門が前頭のはじめにある。江戸の方言に溺死の者を土左衛門というのは、成瀬川が肥大の者ゆえに、水死して全身が膨らんでいる姿を土左衛門の如しと、冗談をいっていたが、ついには方言となるという。」(「近世奇跡考」1)
[和歌山中学校短艇部ボート]岡道雄部員らが明光丸で和歌浦からこぎ出したが、激浪に巻き込まれ8人全員水死。昭和・15.3.16(小林修「昭和の事件・事故史」)
垂死(すいし)
ほとんど死にそうな状態。
衰弱死(すいじゃくし)
おとろえ弱って死ぬこと。
[マッターホーンで連続遭難]北壁頂上近くで大津市・八日市山の会の徳田則夫さん(34)ら二人が猛吹雪で衰弱死。(小林修「昭和の事件・事故史」)
戦死(せんし)
戦争で死ぬこと。
[28年目の戦死者]フィリピン・ルパング島で元陸軍1等兵小塚金七さんが、警察軍との銃撃戦で死亡。戦後28年目、小野田元少尉らと潜行中だった。昭47.10.19(小林修「昭和の事件・事故史」)
即死(そくし)
間をおかずに死ぬこと。
「フグは熱物であるから、体内に鬱火が盛んな人がこれを食うと、火の気が盛んに湧いて脈彬絡をふさぎ即死に至る。虚火の人がフグを食べても死なないなり」(「譚海」十)
「高い所から落ちるとか、氷の上を滑って倒れるとか、汽車の衝突とかの結果即死する事がある。これは脳震盪である。」浅田一「法医学ノート」8)
尊厳死(そんげんし)
助かる見込のない患者の痛みを軽減したり尊厳を保つために、生命の延長に支障があっても、モルヒネなどの沈痛剤を積極的に使用すること。消極的安楽死。
「ヒロイックな医療処置の不実施は、『生命維持装置の停止』と一般に表現されるが、これに伴ってひき起こされる死に対しては、『尊厳死』という命名が、ひろくゆきわたりつつある。」(宮野あきら「安楽死から尊厳死へ」)あきら=木編に杉
倒死(たおれじに)
路上などに倒れて死ぬこと。
致死(ちし)
死にいたらせること。
窒息死(ちっそくし)
呼吸困難で死ぬこと。
「窒息死のときは、病死のときとはちがって、個体としては死んでいるが、身体の組織、細胞はまだ平常通り新陳代謝をいとなんでおり、血漿の酸素をとって組織中にできた炭酸ガスを排出する。」(古畑種基「法医学の話」)
中毒死(ちゅうどくし)
毒物を摂取して死亡すること。
「冷房中の密室で、湯わかし器不完全燃焼。5人中毒死。」昭56.7.12(小林修「昭和の事件・事故史」)
直撃死(ちょくげきし)
物体などが急所などに激しく当たって死ぬこと。
「通行人直撃死-保険の対象外。ゴルフ路上素振り-練習にあらず。大阪地裁、加害者の請求棄却」(「中日新聞」88.3.30見出し)
墜落死(ついらくし)
乗っていた航空機などが墜落して死ぬこと。
[米国で空の留学死]大阪府立泉尾高校1年河田天君(16)が夏休みを利用し米カルフォルニア州レイク・エルシノ町でスカイダイビング訓練中に墜落死。昭57.8.15(小林修「昭和の事件・事故史」)
溺死(できし)
溺れ死ぬこと。
「水浴中または水泳中、急に死ぬことがあるが、これは真の溺死ではない。心臓麻痺がその原因であることが多い。」(古畑種基「法医学の話」)
転落死(てんらくし)
転落して死ぬこと。
「幼児どぶ川転落死『両親』の権利生活」(「週刊新潮」89.2.16 見出し)
凍死(とうし)
低い温度によって死ぬこと。
「屋外では、5度C、無風状態で空腹・半裸体ならば1日以内に死の転帰をとる。」(「標準法医学・医事法」3版 医学書院)
[蔵王熊野岳・川鉄スキー部員7人]猛吹雪のため、山口晃リーダーら4人凍死。昭40.3.13(小林修「昭和の事件・事故史」)
徒死(とし)
いたずらに死ぬこと。
頓死(とんし)
脳卒中などでにわかに死ぬこと。
[蔵人式部丞貞高、殿上においてにわかに死す]その身は栄華にあかし、この家次第に衰え、天命を知る歳になって、ふだんの不養生がたたって頓死せられた。(「日本永代蔵」1)
乳幼児突然死(にゅうようじとつぜんし)
「1979年の第9回国際死亡分類の修正の際に、乳幼児突然死症候群(SIDS)として正式に登録され、新しい疾患概念として確立されるに至った。(「死の医学・臨床必携」5 日本プランニングセンター)
脳死(のうし)
回復不可能な脳の機能停止。
「脳を大脳と脳幹に分けて、外側の大脳だけが死んで脳幹が生きている状態を『植物状態』、大脳がまだ生きていて脳幹が死んでいる状態を『脳幹死』、全部死んだ状態を『全脳死』というのだとよく説明されます」(立花隆「脳死再論」)
野垂死(のたれじに)
路傍などに、倒れて死ぬこと。
爆死(ばくし)
爆弾の破裂によって死ぬこと。
[浜松市外神久呂村駐在所、森下巡査]山林で爆薬を使った密猟犯を取り締まり中に爆死。犯人も首つり自殺。((小林修「昭和の事件・事故史」)
早死(はやじに)
年若で死ぬこと。
犯罪死(はんざいし)
犯罪行為が原因で死ぬこと。
「犯罪死は、主要刑法犯、とくに凶悪犯の殺人、放火および強姦致死、粗暴犯のなかの暴行・傷害致死で成立する。その他業務上過失致死(交通事故によるもの以外)を含む。」(「死の医学・臨床必携」5 日本プランニングセンター)
乾死・干死(ひじに)
うえじに。
「頼豪はやがて乾死に死ににけり」(「平家物語」3)
病死(びょうし)
病気で死ぬこと。
[死ぬるを病死という事]今の世、表立った文書などに、人の死ぬを病死ということとしている。そもそも人は病気でなくて死ぬことは、百人や千人のうちの一人くらいで大変にまれなことである。がいして皆病気で死ぬのであれば、それをことさらに言わなくてもよいと思われる。これは昔、乱れた時代には、戦って死ぬ者が多かったために、病死は病死と分けて言った当時のなごりである。」(「玉勝間」8)
「半年間、足取りプッツリ、都会の片隅で孤独の病死」( 「毎日新聞」93.2.20 見出し)
瀕死(ひんし)
死期が迫ること。
「これまで彼女の瀕死の床を見舞うことも一再できなかった私としてだけの思いである。」(円地文子「平林たい子への弔辞」)
腹上死(ふくじょうし)
性行為が原因で脳血管障害などで死ぬこと。
「どうやら東郷の死因は単なる酒や過労による心不全ではなくて、熊本市内でひろった女との度の過ぎた遊びによる腹上死だったらしい、というものだった」(田中穣「心淋しき巨人・東郷青児物語」)
服毒死(ふくどくし)
毒を摂取して死ぬこと。
「その子孫に毒薬を飲ませ、首を締めて殺したあと、長屋親王は薬を飲んで自害された。天皇は勅を出して、彼の遺体を城の外に捨てて、焼きくだき、川に散らし、海に捨てさせた」(「日本霊異記」中一)
「甲州にかがいもあり。…やがて蒸して手習いの子供にふるまったところ、しばらくしてその子供11人残らず死亡した。親たちは聞き驚いて師匠のところへ来て、このように大勢が一同に死んだことは不思議なり、きっと毒を入れたに違いないという」(「譚海」8)
刎死(ふんし)
自ら首をはねて死ぬこと。
「11月3日、ある者が宮の東の岡に登り、何か怪しい言葉を口にしたあと、自らの首をはねて死んだ。この夜当直の者は、すべて爵一級を賜った。この月大きな地震があった。」(「日本書紀」二十九天武)
憤死(ふんし)
憤慨して死ぬこと。
斃死(へいし)
たおれ死ぬこと。
変死(へんし)
自然死ではなく、犯罪に起因するものではないかという疑いのある死。
「変死の者を内緒で葬った寺院にはお仕置きの事」(御定書百カ条)
「変死者又は変死の疑いのある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視しなければならない」(「刑事訴訟法」229)
暴死(ぼうし)
にわかに死ぬこと。
「7月18日南大風が吹いたとき、満汐にのって右のにごり水を江戸に吹き寄せた…信州・上州にて暴死のものおよそ3、4千人、死骸は利根川を流れ下って、房総行徳所々の浦々に流れ着いたのを、その場所にて葬った事、数えきれない。」(「譚海」4)
悶死(もんし)
もだえ死ぬこと。
扼死(やくし)
手で首を圧迫して殺すこと。
「気管と頚動脈を圧迫して窒息させるのだが、喉頭頭部の両側をつよく圧迫すると、瞬間的に呼吸がとまり、反射的に心臓麻痺をおこす」(古畑種基「法医学の話」)
夭死(ようし)
年若くて死ぬこと。
臨死(りんし)
病気や事故などによって生命が回復不可能な状態にあること。臨死患者、臨死体験。
「臨死患者にとって死は終末的なもので、医師がどんなに努力しても身体的な治療は全く効果がないのである」(レーベン「臨死患者」5章)
轢死(れきし)
車輪にひかれて死ぬこと。
落死(らくし)
落ちて死ぬこと。
「皇后の妹の3人を妃とした。竹野媛(ひめ)だけは不器量なので里に帰された。そのことを恥じて、葛野で自ら輿から落ちて死んだ」(「日本書紀」六垂仁)
老死(ろうし)
年を取って死ぬこと。
「頼朝は…その後、鎌倉へ入ってから病気になられた。翌年のお正月、1199年1月13日、遂に亡くなられる。53歳であった。これを老死と言ってはいけない。ひとえに平家の怨霊のなせる技である。多くの人を殺したためといわれる。」(保暦間記」)
若死(に)(わかじに)
若くして死ぬこと。
「今どきの人、生まれ付き弱いところに、淫事を過ごすために、皆若死(に)をすると思える」(「葉隠」239)