嫁いだ先は最悪だった。
セクハラ発言を連発する義父。
パワハラ発言を連発する義母。
そして、
それらを見て見ぬふりをする夫。
ここに、
私の味方は一人もいなかった。
バカだのアホだの、
下半身を撫でろだの、
愛想が無い不細工だの言われながら、
私は小汚い店で
小間使いのように扱われてきた。
去年の暮れに義父が
”美紀ちゃんの乳を触らせてくれたら、
元気になるかもしれない”
そんな下らない言葉を最後に亡くなった。
バカな義父だと思った。
葬儀で涙一つ見せなかったら、
薄情なヤツだと義母に罵られた。
それから、
コイツのパワハラ発言はさらに悪化し、
最近では手を出してくるようになった。
殴られ、蹴られ、
物を投げつけられ、
それでも
安月給の夫は何もしてくれなかった。
私が怪我をしても
”大丈夫か?”
の一言も無かった。
だから、
あの掲示板を見つけたときは
神の導きだと思った。
そして、
私は迷わず
アイツの名前を書き込んだ。
・
・
『何でも相談所』
20211025013356
投稿者:名無しさん
加藤 ハル(かとう はる) まんぷ〇食堂
1949/05/14
・
・
すぐ近くで物音がして、
加藤ハルはゆっくりと目を開ける。
豆電球が灯ったままの薄暗い部屋の中で
動く人影を見つけた。
加藤 ハル
しゃがんでいた人影は
驚く風も見せず顔を上げる。
それは肌が異様に白い黒髪の青年だった。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤は目を細めて、
じっと青年を見つめ
加藤 ハル
枕元にあるボタンを押した。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤はいぶかしげな顔をする。
加藤 ハル
加藤は驚きの表情を浮かべ、
コードを手繰り寄せる。
加藤 ハル
青年はにこやかな笑みを浮かべる。
加藤 ハル
青年はベッドに一歩近づき、
加藤の右耳をつまむ。
加藤 ハル
───ざりっ
青年はよく使い込まれた包丁で
右耳を削ぎ落した。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
さらに左耳を削ぎ落す。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
青年は首を傾げる。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
考え込む加藤の腹に
容赦無く包丁を突き立てた。
加藤 ハル
言いながら包丁を捻じる。
加藤 ハル
細い手を伸ばし、
青年の腕を掴んだが
何の抵抗にもならなかった。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
青年はどこからともなく取り出したフォークを
加藤の右目に突き刺した。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
───ぐぽっ
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
しかし、
抵抗虚しく
左目にもフォークが突き刺さった。
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤 ハル
加藤は口から大量の血を吐くと、
仰向けに倒れ、
動かなくなった。
加藤 ハル
加藤 美紀
加藤 美紀
声がして振り返ると、
そこには中年の女性が立っていた。
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
彼女は嬉々としてベッドに近づく。
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
振り返った瞬間、
青年は持っていたナイフを
彼女の腹に突き刺した。
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
ナイフを横に滑らせると、
腹から大量の血が噴き出した。
加藤 美紀
血を吐き、
お腹を押さえ、
両膝をつく。
加藤 美紀
加藤 美紀
血に濡れた手を
青年に向けて伸ばすが
何も掴むことが出来ず空を掻く。
加藤 美紀
しかし、
そんな彼女を見る青年の目は
冷ややかだった。
加藤 美紀
加藤 美紀
加藤 美紀
やんわりと笑みを浮かべた青年を見て、
美紀は隠し持っていた物を取り出す。
加藤 美紀
───ザクッ!
青年がゆっくりと視線を落とすと、
己の腹に深々と包丁が刺さっていた。
しかし、青年の表情に変化は無い。
加藤 美紀
美紀は力任せに
包丁をさらに奥へと突き刺した。
加藤 美紀
加藤 美紀
その言葉の途中で
青年は素早く
美紀の喉元にナイフを突き刺した。
加藤 美紀
己に刺さった包丁など全く気にせず、
爽やかな笑みを浮かべ、
ポケットからフォークを二本取り出す。
加藤 美紀
加藤 美紀
両目に深く突き刺さったフォーク。
それを抜こうとして
包丁の柄から手を離した瞬間、
喉元に刺さっていたナイフが横に滑り、
切り裂かれた頸動脈から
鮮血が噴き出し
綺麗な弧を描く。
彼女もまた
ゆっくりと仰向けに倒れ
事切れた。
青年は己の腹に突き刺さった包丁の柄を
指先で撫でる。
・
・
コメント
2件