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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

木葉

…こっち見ろよ、赤葦

木葉さんの鋭い瞳が俺を見据えている。

その手には小さな梟のストラップが握られている。

なぜこんなことになったのか。始まりは、俺が高校一年の時。

それは、俺がバレー部に入って初日のことだ。

主将

おーし、じゃあ紅白戦するぞー!

一年の力量を見るためでもあるこの試合で、俺は木葉さんと出会った。

二、三年も交えてチームに分かれると、同じチームになった木葉さんに話しかけられた。

木葉

お前…赤葦、だっけ?セッターって言ってたよな?

赤葦

あ、はい

木葉

俺は二年の木葉。ポジションはWSだ。よろしくな!

赤葦

よろしくお願いします、えと…木葉さん

初めはその金髪や、初対面でも軽く話す感じを見てチャラい人なのかと思った。

しかし試合が始まるとスゥッと真剣な眼差しになったのを見て俺は考えを覆す。

木葉さんにトスを上げると、木葉さんはスパッと軽やかに相手コートに打ち込んだ。

そして点の取り合いが続き、試合も中盤になった頃。

一年

! すいません!!

レシーバーが弾いたボールが自コート後方に上がった。

それをカバーに入ったのが木葉さんだった。

木葉

任せろ!

赤葦

…!

次の瞬間、木葉さんはスパイカーに向かって綺麗な弧を描くトスを上げた。

俺は試合中なのも忘れ、そのしなやかな指先に見惚れた。

試合が終わった後で、俺は思わず木葉さんに駆け寄る。

赤葦

あの、木葉さんっ

木葉

ん?どしたー?

赤葦

木葉さんてスパイカーなんですよね?

木葉

そうだよ

赤葦

トス、凄く綺麗でした

木葉

え?いやそんなことねーって。てかそれ俺のセリフ

赤葦

木葉

赤葦のトス、めっちゃ打ちやすかったよ!ナイストス!

そう言って木葉さんは手を出した。

ぎこちなくハイタッチすると、彼はふっと柔らかな笑みを浮かべる。

俺はいつからか、この先輩に心惹かれるようになっていた。

銀の梟は2人を繋ぐ

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