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金曜日の昼休み。私は、体育館横の窓の近くに立っていた
こうして1人で少し空気を入れ替えるのが、私にとっては落ち着く時間だった
......と思っていたのに
クラスメイト
風林 燐音(かざばやし りんね)
男子の声が、風に乗って聞こえてきた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
クラスメイト
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
クラスメイト
体育館裏の自販機辺りだ
たまたまそこを通ったら聞こえてしまった
私は思わず隠れた
見つかるのは嫌だけど、聞くのをやめたくもなかった
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
町田 琉依(まちだ るい)
最後の声
それだけ、少しだけ...照れが混じっていた
風林 燐音(かざばやし りんね)
私はその場から離れた
風林 燐音(かざばやし りんね)
放課後、夢に話すかどうか迷って、結局言えなかった
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
嘘だけど、嘘じゃない
胸の奥が、ずっと走ってるみたいだった
『風林 燐音の事。目で追ってるのバレバレだから!』
その言葉が、ずっと頭に残ってる
風林 燐音(かざばやし りんね)
思い返せば、最近の町田くんはちょっと変だった
ふいに視線が合ったり、目が合ってすぐに逸らされたり
それって___そういう事...?
風林 燐音(かざばやし りんね)
私が言葉にしなくても、町田くんの目は、何かを伝えようとしてた気がする
もしそれが『好き』じゃなくても、少なくとも私は、もう見つめ返してしまっている
風林 燐音(かざばやし りんね)
ほんの少しでも、町田くんが私だけを見てくれる瞬間を
週が明けた、月曜日の昼休み
風林 燐音(かざばやし りんね)
中庭に行くと、町田くんが1人でジュースを飲んでいた
今日は珍しく1人だ
風林 燐音(かざばやし りんね)
そう声をかけると、町田くんが振り返った
町田 琉依(まちだ るい)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
少し沈黙が流れて、私達は並んでベンチに座った
町田 琉依(まちだ るい)
町田くんが、珍しくこっちを見た
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
思わず変な声が出た。町田くんは小さく笑った
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
町田くんはそう言って、缶をくるくる回した
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
私がそう言うと、町田くんの手が止まった
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
町田くんの目が、真っ直ぐ私を見ていた
鼓動が速くなるのを感じながら、私は目を逸らした
その帰り道
校門の向こう、木陰辺りに雪香さんがいた
町田くんと私の姿を見て、目を細めていた
その姿が、何だか_寂しそうだった
【雪香 視点】
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
あの子と一緒にいて、視線を交わして
___あんな柔らかい表情、久しぶりに見た
私の知ってる琉依とは、違う顔だった
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
そう思った瞬間、胸のどこかが、音もなくひび割れた気がした
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
私は小さく呟いた
でも目は、そのまま2人を追い続けていた