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Episode6─桜吹雪の砂時計
A new story begins
祈莉side
正直、私はもうきっと助からない
勘でしかないけど、そんな気がしてしまう
よく来るこの場所の桜も
私の命を表すかのように少しづつ花弁が散ってゆく
まるで命の砂時計だ
「もっと生きたい」
この場所に来る度そう祈った
赤葦side
祈莉先輩────、
貴方のことが恋しくて堪りません
貴方のいない学校は色彩が無くなったような
モノクロの世界だ
そんな俺の生活をもう一度、色付けてほしい
今1番の俺の祈り事だ
俺の心とは対照的に空は
憎たらしいほどに青く深く澄んでいた
そんな時屋上の扉が音を立てた
そこに来たのは花宮だった
花宮 薫
赤葦 京治
花宮が居てくれるのは凄く嬉しい
けどそれ以上に祈莉先輩の存在が大きいことに 気付かされた
薫side
学校終わり、姉ちゃんの入院している病院にお見舞いに来た
花宮 薫
姉ちゃんは眠りについていた
幸せそうに微笑んで
それとは対称に姉ちゃんはどんどん痩せていく、
心配で不安で仕方なかった
このまま起きないんじゃないかって
とにかく不安だけが募ってゆく
お医者さん
病室のドアが開き医者が入ってきた
花宮 薫
お医者さん
お医者さん
医者から告げられたのは残酷な現実だった
花宮 薫
今すぐにでも姉ちゃんと代わってやりたかった、
姉ちゃんじゃなく俺が肺炎ならって
何度考えたことだろう
世界はいつも残酷なんだ
「姉ちゃんが元気になりますように。」
心の底からの俺の祈りだった
「桜吹雪とそれぞれの祈り─────」
Continued next time