しばらくとぼとぼと歩いていると、誰かに声をかけられた。
男
ホムラ
面倒なことになりそうだったので、とりあえずやり過ごそうと歩くスピードをあげた。
男
ホムラ
男
男の方を見ると、親しげな笑顔を浮かべていた。 怪しいとは思いつつ、疲れていたホムラはようやく立ち止まった。
ホムラ
何もかも大丈夫ではなかったが、そう言い続けた。
男
ホムラ
男
ホムラ
そう、ホムラはまだ未成年。 夜出歩いていれば補導されるし、父親のことも説明しなければならない。
「逃げろ」 と言われた手前、他人にペラペラ喋る訳には行かないような気がしていた。
男
男
施設についてすぐ案内されたのは、大きな食堂だった。
男
ホカホカの湯気が上がる食事を見ると空腹が一気に押し寄せてきた。
ガツガツと食べ始めて、そのうち涙が出てきた。
男
ホムラ
男
ホムラ
ホムラは心ゆくまで食事をし、ぼーっとしていた。
ふと気がつくと、食堂の影から何人かの子供が覗いているのに気がついた。
ホムラ
こども
ホムラ
こども
こども
ホムラ
ホムラ
男
男
ホムラ
男
こども
こども
ホムラ
子供たちの叫びを聞きながら闇に堕ちた。
ホムラ
目を覚ますと薄暗い部屋の中だった。 部屋は狭く、手は柱に括り付けられている。
ホムラ
男
ホムラ
男
男
ホムラ
男
ホムラ
男
ホムラ
怒りと少しの恐怖で叫ばずに居られなかった。
いろいろなことがありすぎて、父親の死に対して悲しいと思う暇がない。 後々になってこれがホムラにとって大きな負担となることをまだ知らない。
それから何度も何度も逃げ出そうとしたが結局上手くいかず、その度に酷く殴られた。
それでも耐えていけたのは、ほかの子供たちがホムラのことを大事にしてくれたからである。
そして何より、父親のことがあったからだ。 ここで諦める訳には行かない。
しかし、ある日も懲りずに逃げようとしたところまた捕まってしまった。 その日は男の機嫌が悪く、いつもよりひどい仕打ちをされた。
男
ホムラ
男
ホムラは暗い部屋に一人放置され、痛む体を動かせずにいた。
五感が全て消えるように何も感じなくなった。 視界がぼやけ、何も聞こえない。 痛みも感じなくなって、自分が消えていくような感覚を覚えた。
ホムラ
ホムラ
ホムラ
か細い声でそう言って目を閉じた。
どのくらいの時間が経っただろうか。 なんだか外が騒がしかった。
ホムラ
そう考えていると部屋の扉がばっと開いた。
??
??
??
ホムラ
??
ホムラ
既に限界を迎えていたホムラはそのまま気を失った。
次に目を覚ました時、ホムラはベッドの上だった。 身体中が痛む。
ホムラ
??
??
そばにいた人たちは誰かを呼んできた。 やってきたのは青いニット帽を被って何故か半纏を着ていた。
??
ホムラ
??
ホムラ
??
ホムラ
??
ホムラ
??
ホムラ
らっだぁ
ホムラ
らっだぁ
ホムラ
らっだぁ
らっだぁ
暖かい声でそう言われて急に安心感が広がり、自然と涙がこぼれ落ちてきた。
今まで何年も張りつめていた気持ちが切れて、封じ込めていた気持ちが溢れた。
ホムラ
らっだぁ
ホムラを撫でるその手は暖かく、だんだんみんなが集まってホムラを包み込んだ。
作者
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作者
作者
作者
作者
作者
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