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コメント
5件
やっと読んだ…第50話、えぐすぎる。 “手紙を回すな”って千尋からのメッセージ、これまでのすべてを覆すどんでん返しだよ。夏樹が「おれは♡♡♡た!」って叫ぶところ、胸が潰れた…。ずっと合理的に動いてきた夏樹が最後に「なにもわかってなかった」って絶望するの、本当に重い。 でもだからこそ、この作品がちゃんと伏線を回収してるってわかる。 山根さん、50話もよくここまで丁寧に紡ぎましたね…尊敬します。続き、心して待つわ。
夏樹はパイプ椅子に深々と腰掛け
足を組んで取調べに応じていた
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
特捜部
パソコンのキーボードを叩いている捜査官の後ろに
がっしりとした体つきの警官がふたり立っていた
特捜部
特捜部
特捜部
夏樹
特捜部
特捜部
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
特捜部
夏樹
特捜部
特捜部
特捜部
特捜部
夏樹
特捜部
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
夏樹
夏樹
特捜部
夏樹は両手を突き出し
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
夏樹
特捜部
夏樹
夏樹
特捜部
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
特捜部
特捜部
特捜部
夏樹
夏樹
そのあとも夕方まで取り調べが続き
個室に入れられた夏樹は
狭い窓から空を見た
5月らしい清々しい空は 太陽を中心に据え
どこか郷愁的な趣で ゆっくり雲を流していた
夏樹は窓のアクリル板に指を触れ
ピアノを弾く真似をした
そこに鍵盤があれば ショパンの「ノクターン第20番」が鳴っているだろう
だが夏樹の頭の中では旋律が流れている
夏樹はショパンのノクターンの中でも とりわけこの曲が好きだった
まだショパンが20歳の時に作曲され 死後楽譜が出版されたから「遺作」という題が付されている
頭の中でセンチメンタルなメロディーが感情を模る
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
そんな弱々しい感情に蓋をするため
指を止めて目を閉じた
瞼にざらざらした映像が流れて
渦潮のような模様が重なり合って
いくつもの点が目と口になって
聞き取れない言葉を声高に叫んだ
夏樹は目を開く
そこにはただ傾きかけの太陽があるだけだった
ぼうっとしていると
後ろのドアの鍵が開けられる音がした
警官
警官
夏樹
夏樹
警官
午後6時半
ふたたび取調室に連れられた夏樹の前に
捜査官が一枚の茶封筒を持っていた
特捜部
夏樹
茶封筒を持った手が夏樹に伸ばされ
「取れ」と促した
住所は書かれていない
走り書きで「篠原夏樹様」と書かれているだけだった
封は切ってある
夏樹に渡す前に開けたのだろう
夏樹
夏樹
夏樹
裏面には隅の方に小さく
「菊田千尋」と
書かれていた
特捜部
特捜部
特捜部
夏樹はぐしゃっと口を広げると
中に入っていたカード様の紙を
さっと取り出した
そこにはたった2行
短い文章が書かれているだけだった
夏樹の手からそれが落ちる
頭の中に大きな光が出現し
四方八方に乱反射する
夏樹
「私の彼氏が、2017年2月23日、突如姿を消しました」
「つまり、もう早く手を打たないと手遅れになるってこと?」
「新たにチェインレター対策チームを組み 全力で捜査して参ります」
「でもその作戦、うまくいくかな?」
「これこそ100%手紙から逃れられる方法」
「アドレスランド」
「唯一助かる方法」
「秋見堂菜々乃」
「まわせ……」
「ボイラー室のバルブを」
夏樹
夏樹
夏樹
「手紙を回せよ」
「それが唯一助かる方法、そうだろ?」
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹はパイプ椅子を跳ね飛ばして立った
夏樹
特捜部
特捜部
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
夏樹
昂奮した夏樹を警官が2人がかりで抑え込む
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
夏樹
特捜部
特捜部
黄昏時の空の下で
住宅街に旋風が吹き抜けた
街路樹がざわめき
紙切れがぱらぱらと風に舞っていた
ごく短い文章が印字された紙が
同じ文面が
木の葉のようにアスファルトに散乱していた
そしてその上に
人間の体が被さった
街ゆく人はよろけながら
何かを引きずるようにゆっくり歩いている
そして次々に倒れていく
死体と手紙が汚らしく転がる地面の上で
電柱のわきの常夜灯が点く
時間だけが緩慢に流れた
取調室には誰もいなくなった
転がった椅子
その隣に
千尋からの手紙が落ちていた
手紙にはたった2行
こう書かれていた
手紙を回すな。
それが、唯一助かる方法。
Fin.
最後までお読みくださり ありがとうございました
この作品はフィクションです
登場する人物・団体・名称等は 架空のものであり
実在のものとは関係ありません
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榎本くもり
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