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behead
behead
behead
私は驚いて、この事実をよく受け止めきれなかった。
私の孤独を癒してくれた存在が実在し
かつ私にコンタクトをとってくれるなんて!
……でも、そんな虫のいい話はあるのだろうか?
ひょっとすると、なりすましかもしれない。
そう思って「behead」のプロフィールを開いてみた。
柚
「君は今まで頑張ってきたんだね、もう楽になっていいんだよ」
「『死なないで』なんて言ってくる周囲は」
「君がどんなに辛くても、己の見栄のために生きてさえいてくれればいいと思ってる」
「結局自分の保身しか考えてないんだ」
そのアカウントは、おおよそ「みんなの倫理」からは大きくかけ離れていて
優しい言葉で「自殺願望」を持つ事を肯定してくれていた。
柚
柚
……なあ、ちょっと!
瑠奈
そう言って背中を叩いたのは、後ろの席のクラスメートだった。
彼女の名前は瑠奈、髪染めなどの校則違反常連者で
遅刻も多く、先生たちも匙を投げるほどだ。
周囲に馴染もうとしない性格からも、教室で私と同じく孤立している。
先生
先生
そうおずおずと切り出したのは、今年教師になったと言う担任の先生。
授業に集中していなかった私も、くすくす笑う周囲も諌める事なく
くるりと黒板に向かい、板書を始めた。
生徒との衝突を避ける先生らしい態度だ。
先生
先生
……出た、私の嫌いな瞬間。
弱気な先生の授業の時、こう言う時は決まって……
柚
前の席の子がわざと無視をして、私へとプリントを送ってくれないのだ。
先生
先生
先生は困ったように笑うだけ。
瑠奈
すると、瑠奈ちゃんがおもむろに立ち上がり
ツカツカと前の席の子の所へと向かった。
瑠奈
前の席の子は私と瑠奈ちゃん、二人分のプリントを投げて寄越した。
先生
先生
トラブルを見てみぬふりしながら、先生は授業を続けた。
昼休み 校舎裏
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
菓子パンの袋を開けながら、瑠奈ちゃんは振り向きながら不機嫌そうに答えたが
声の主が私だと気づいてすぐに警戒を解いた。
柚
瑠奈
瑠奈
柚
柚
そう声をかけて瑠奈ちゃんの横に座り、昨日の残り物を詰めた弁当箱を開けた。
柚
柚
二人で黙々と昼食を食べつつ、タイミングを見計らって声を掛ける。
瑠奈
瑠奈
そう強気で答えて俯いても、頬がほんの少し赤くなっていた。
瑠奈
恥ずかしさを打ち消すように話題を無理やり変えられた。
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈ちゃんは頬を人差し指で掻きながら、悲しそうに笑った。
……意外だ、あんなにも強い瑠奈ちゃんが自殺を考えるなんて。
きっと、私の窺い知れないことがあるんだろうな。
柚
柚
先程のやりとりを思い出し、スマホを取り出してSNSを開いた。
behead
behead
behead
柚
柚
瑠奈
柚
柚
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
柚
瑠奈
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
柚
柚
その日から、昼休みには2人で校舎裏に寄り
昼ごはんを食べながら話をするようになった。
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈
柚
瑠奈
瑠奈
瑠奈
瑠奈ちゃんは一瞬目を泳がせ、半ば言い訳のようにその後の言葉を紡いだ。
瑠奈
瑠奈
お酒なんて、瑠奈ちゃんのお母さんが買いに行けばいいはずなのに
なんで未成年である瑠奈ちゃんが準備しないといけないんだろう……?
腑に落ちない事はあったが、急かす瑠奈ちゃんに手を引かれ
校舎裏を後にする事になった。