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主。
主。
主。
主。
主。
俺、Mzのこと愛してるよ。
オレの体をぎゅっと強く抱きしめたAt様が耳元でそんな愛の言葉を囁き、 オレの彼に対するときめきは最高潮に達する
真っ赤になっているであろう自分から逃げるようにオレがTgに目を向けると、 彼は大層楽しそうにニヤニヤしながらオレとAt様を見守っていた
Mz
今自分の身に何が起きているのか理解できていないまま、 脳みそが沸騰しそうになっているオレがかろうじて彼の名を呼ぶと、 彼はしっかりとその色違いの瞳にオレの姿を映しながら甘く微笑む
At
情熱を秘めた赤い瞳と彼の知性を表しているような青い瞳が細められて、 少しとろりと溶けたその双眸には真っ赤になっているオレが写りこんでいる
Mz
At
Mz
At
At様が一瞬たりとも迷わずにそう即答するものだから、 オレの頭の中はとろとろに溶けて爆発してしまいそうなほどの熱に襲われる
Mz
At
Mz
At
Mz
At
At
彼はそう照れることもなく言ったが、 次の瞬間に少し照れた様子で目を伏せながら愛の言葉を紡いでいく
At
At
At
At
At
Mz
At
彼はそうつぶやきながら優しく微笑むと、 甘くて熱い相手を溶かしてしまいそうな目線でオレの瞳をのぞき込み、言った
これは、誰がなんと言おうと間違いなく愛だよ。
オレの心臓はバクバクと早鐘を打っていて、 恋愛経験なんて微塵もないオレには「オレもあなたが好きです」と 目を合わせて答えるなんて高度な技なんかできるわけがない
だから、この胸の高鳴りが聞こえてしまいそうなほど 彼にぎゅっとくっついて、 その耳元でぽそりと精一杯の愛の気持ちをささやくことしかできなかった
Mz
オレが蚊の泣くような小さい声でこぼした告白を、 At様は丁寧に拾って甘い言葉を返してくれた
At
ずっと手に入れることができないと思っていた大好きな神様の心が オレに向いているという夢のような事実がどうしようもなく嬉しくて、 オレの瞳からは涙があふれそうになってくる
ドキドキとどんどん加速していくオレの鼓動の裏にあるときめきには、 もしかしたらオレとAt様の成立に尽力してくれた あの人の幸せも含まれているかもしれない
しかし、オレの生きる証が恋の音色を力強く打ち鳴らしている理由は、 At様を愛していたあの人がオレの前世の姿だからだけではないと 自信を持って言い切ることができる
きっとオレの前世があの人じゃなくたって、オレはこの人を愛したに違いない
Mz
At
Mz
At
Mz
オレはAt様の問いに顔を赤くしながら、 恐る恐るAt様の胸にすり、と頭を擦り付けて 一生懸命彼の愛を受け入れる言葉を返した
きいてください、神さま。
Mz
Mz
最終的にぷしゅーと頭から煙を出してしまいそうなほどに オレは照れてしまったが、そんなオレを見てAt様は嬉しそうに笑った
At
At様はオレにそんな甘い言葉をささやくと、 ニヤニヤしながらオレとAt様を眺めていたTgに向き直った
At
Tg
ニコッと可愛らしい笑顔を浮かべたTgに At様は慈愛のこもった優しい笑みを浮かべる
その穏やかな表情が、At様が心の底では まだ人間を愛しているということを何よりも物語っていた
At
At
At
Tg
At
彼はそう静かにこぼすとふぅ、とため息をついて、 穏やかな笑みを浮かべながらオレとTgに話しかける
At
At
Tg
Mz
At
At様がそう言うと隣でぽうっとTgの体が暖かい光を放ち、 先に彼が家まで送られたらしいと察する
次はオレの番だろうと思って祈りを捧げたまま待っていたのだが、 なかなかあの感覚が訪れないので少し怪訝に思って目を開けると、 目の前でAt様がくつくつと少しいたずらっぽく笑っていた
Mz
オレが不満げに声を上げると彼は心底楽しそうに笑いながら、 「ごめん」と心の伴ってないであろう謝罪の言葉を告げる
At
Mz
At
Mz
オレがAt様の言葉の意味するところを理解しかねていると、 色違いの瞳を甘く甘く溶かしたAt様が、 ちゅっと音を立ててオレの頭に口付ける
Mz
At
Mz
Mz
At
口では困ったような声色を乗せながらも目の前の大人びた神様は とても幸せそうで、なんだかこっちまで嬉しくなってしまった
At
At
彼はそう少しだけ低い声で続けると、 妖艶な笑みを浮かべながらオレの耳元に唇を寄せて色っぽくささやいた
At
Mz
大好きな男の人の声が直接脳みそに届いて、 オレの思考回路はとろけてまともに機能しなくなっていく
そんなオレを楽しそうに見ている少し意地悪な神様は、 オレが瞬きをしている間にオレの体をKtyの元に送り出してしまった
Kty
At様によって体を実家に送られたオレが目を開けると、 そこではだぱーっと涙を流しながらTgを抱きしめているKtyがいた
ちょっと離れるね、とTgに伝えたKtyは彼から体を離し、 我が子を誰よりも大切にしている父親よろしくオレのことを抱きしめる
Kty
ボロボロと大粒の涙をこぼしている彼の空色の瞳はどこまでもまっすぐで、 その純粋な輝きが彼が嘘をついてないということを示していた
そのままKtyはTgとオレを同時に抱き込み、 「よかった、よかったよぉ、、、」と何度も繰り返す
数年ぶりに感じた“完璧な家族のぬくもり”を実感して オレが幸せを噛み締めている隣で、 Tgは数年ぶりの最愛の人の胸の中で目を細めながら幸せそうに微笑んでいた
Kty
Kty
Mz
Tg
オレたち2人の言葉を聞いたKtyはしばらくオレたちを凝視したあと、 元々多かった涙の量をさらに増やして、 色々な感情が混ざっているのであろう涙をこぼして泣き出してしまった
今日まで十数年生きてきて初めて目にしたKtyの涙にオレが驚いている間に、 もう何回も彼の涙を見たことがあるのであろうTgは 彼の体を優しく抱きしめてその背中をぽんぽんと叩き始める
互いに優しく寄り添い合うKtyとTgは、 誰がどう見ても強い縁で結ばれた人生の伴侶同士の姿に相応しかった
Mz
Mz
Kty
Tg
Ktyは彼の最愛の人の名前を呼ぶと、 ゴソゴソと着物のたもとを漁ってTgのかんざしを取り出した
Tg
Kty
Tg
Kty
Ktyは優しく目を細めると、 かんざしを持ってない方の手でTgの美しい千草色の髪に触れ、 その毛束をていねいにいじってかんざしを彼の髪の毛に挿した
Kty
そう静かに呟いてTgの頭をそっと撫でたKtyに、 Tgは今日結婚したばかりの誰よりも幸せな花嫁のように美しい笑顔を浮かべる
そんなTgを見つめていたKtyの甘やかな笑みは、 今までオレが見てきた無理しているような笑みでは決してなくて、 心の底から幸福を感じているのが伝わって、オレまで嬉しくなってしまった
Tg
Tg
Kty
Mz
Tg
Mz
Tg
Mz
Kty
数年ぶりに3人の笑い声が響いているオレの実家は やっぱりどこよりも暖かくて、オレの心は幸せの色で満たされた
帰郷を終えて数日が経ち、オレは神社に戻ったが、 帰郷してから数日はいろいろと忙しくてAt様と話す時間が少なかった
数日かけて帰郷前の生活習慣と時間感覚を取り戻したオレが 掃除を終えて縁側を歩いていると、野点に座ってうたた寝をしている 我らが人と人の絆の神様が目に入った
Mz
とはいえ神様もお疲れのようなので無理に起こすことはせずに、 ふうと息をついて彼の隣にぽすんと腰掛けると、 その音に気づいたのか彼は薄く目を開ける
At
Mz
Mz
At
At様はそう宣言すると、ぐーっと伸びをして自分の膝をぽんぽんと叩く
そこに座れということだろうかと思ってオレがちょこんと指定された場所に 座ると、彼は大層嬉しそうに微笑んでオレの体をぎゅーっと抱きしめた
At
Mz
At
Mz
At
Mz
Mz
At
オレとAt様は各々三百年前のあの人のことを思い出して、 その場には少ししんみりとした空気が流れる
悲しそうなAt様を見て、 やっぱりこの人はあの人が好きなんだとはもう思わない
だって、オレはもう知っているから
Mz
At
オレはこの人の傷の痛みが少しでも収まるようにと、 大好きな神様の体をぎゅっと抱きしめた
Mz
At
一生消えないであろうこの人の心の傷を、 癒したり無くしてしまおうとは思わない
オレとしてもあの人のことはちゃんと覚えておいてほしいし、 この人があの人のことを忘れたらきっとオレは怒るだろう
でもその傷の痛みで誰よりも優しいこの人が壊れるのは嫌だから、 そばにいてその傷を一緒に誤魔化してしまうことにしたのだ
Mz
Mz
At
Mz
At
Mz
真面目なオレの最愛の人に笑いながらそう返したのと同時に、 縁側の方からドタドタと足音が聞こえてくる
Pr
Ak
Pr
Ak
Pr
Ak
Pr
痴話喧嘩をしながらこちらにやってきたAkとPrに、 オレは笑いながら事情を尋ねる
Mz
Ak
Pr
Mz
At
オレとAt様が座っていた野点にAkとPrも座り、 オレたち4人はくだらない話をしながらかけがえのない幸せな日常を謳歌する
一番暖かいのは間違いなくオレの実家でも、 オレが生きていくこの神社も十分すぎるほどに居心地のいい、 オレにとっては代えの効かない大切な居場所だった
きいてください、神さま。
神社の外の世界から、今日も村人の祈りが聞こえてくる
村の安寧、家内安全、恋のお願いや無病息災
人々のいろいろな願い事にそっと耳を傾けるように、 オレたち4人は目を閉じた
きいてください、神さま。
村人の数々の祈りの中から、オレの耳は大切な家族の声を捉える
Kty
Tg
きいてください、神さま。
オレのそばでいるAkとPrからは、幸せそうな雰囲気が放たれている
Ak
Pr
きいてください、神さま。
そしてオレの心の中からも、あの人の声がかすかに聞こえてくる
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
きいてください、神さま。
もちろんオレにも、彼への感謝は数え切れないほどまでにある
Mz
Mz
Mz
Mz
At様に対する最高の愛と尊敬と感謝を込めて彼の体にすり、と擦り付くと、 彼は優しく微笑んでオレの唇に口付けをしてくれた
きいてください、神さま。
『オレたちは、誰がどうみても幸せです。』
主。
主。
主。
主。
主。
この先ストーリー関連の豆知識集とストーリーの都合上 無視したところの補足なのでスルーしていただいても大丈夫です↓↓ (要約すると、「難しいことは考えないでね」ということですw)
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
それではみなさん、タップお疲れさまでした!!
コメント
18件
最初から最後まで、最高でした🙇♀️ あきぷりてぇてぇ(*´・ω・`)b
完結おめでとうございます😭✨ 色々とロマンチックすぎて大好きです💕かんざしを送る意味初めて知りました、全てがロマンチックすぎて最高すぎました😭
最終回お疲れ様ですー!🥲💕︎ 相変わらず文章の締めくくり方がすごく上手すぎて……😭💞 最高のお話を書いて下さりありがとうございました!🥹︎💕︎︎