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太陽が光り輝き、 誰よりも眩しい光を放つ中、 俺はドアの前へ立ち 静かに深呼吸をした。

自分の家のはずかのに、 どこか緊張感を背負っていた。 よしっ、と 入る決意を決め 俺はドアを普段通りに開けた。

おーい

蘇枋〜?

水買ってきてやったぞっ……

あれだけ身構えていたのが バカになるぐらい、 返事すら聞こえてこなくて 俺は部屋へ行くためへと 足を1歩前へ踏み出した。

部屋の入口前で、 俺はまた固まった。 2つの水を持つ手が力んだ。

蘇枋

あ、桜君?
もう帰ってたのかい?

やっと俺に気づいた 深い赤茶色の髪を持つ男は 俺の方へと視線を向けた。 手に持つタバコを 手でジュッと押し潰し 火が消えるのが見えた

ベランダに腕を掛け、 まるで消え入りそうなそいつに、 俺はそっと腕を伸ばした。 俺の好きな人…… 好きだった人の服の裾を キュッと掴み、 そっと手を取った。

おい、そんな事したら
痛いだろ……

やめろよ

蘇枋

大丈夫だよ。
桜君が吸っちゃあ体に悪いからね

どれ程時間が経ってまいと、 俺が近くに居ると すぐ火を消してしまう。 その姿は以前と変わらず、 胸がきゅーっと締め付けられた。

消すなら手じゃなくてもいいだろ

少し赤くなってしまった 元恋人の手をじっと見つめた。

蘇枋

他に消す方法がなくてさ、

灰皿ならまだ置いといただろ…

蘇枋が居たと言う証を、 どうしても残したくて ベランダにポツンと1つだけの 灰皿を残していた。

無言で俺に微笑む蘇枋を 連れ、俺達は部屋の中へと戻った。 洗い場に連れて行き、 冷たい水の中へと 蘇枋の手を入れた 蘇枋の手を掴んでいた俺も、 豪快にその水を浴び続けた。

蘇枋

桜君まで濡れなくて良かったのに

いーんだよ
掴んどかなきゃ逃げるだろ?

お前……

蘇枋

逃げないよ、笑

蘇枋

子供じゃないんだから。

お前から逃げたのは俺なのに よくこんな言葉が言えた物だ。 俺はまだあるはずの救護セットを 引っ張り出し、 蘇枋の手に絆創膏を貼り付けた。

蘇枋

まだあったんだ
それ……

まぁな
懐かしいか?

学生時代 喧嘩でよく怪我をする 俺達にわ 蘇枋は救護セットを買ってきた。 絆創膏に包帯、 中には様々な治療セットが 入っており、 当時の俺には これを買ってきたアイツの気がしれたもんじゃなかった。

いつもはされる側だったのに 数年もたった今では、 俺が手当をする側になっていた。 俺とは違い静かに姿勢正しく 星座をする蘇枋に そっと絆創膏を貼った。

お前またなんか考えてただろ

蘇枋

そんな事ないよ
吸いたくなったから吸った
それだけだよ

この期に及んでまだっ、

蘇枋

さっ、
日が遅くなっては行けないから、
作業に戻ろうか。

蘇枋

水、ありがとね?
暑かったでしょ

さらりと話題を変える蘇枋に これ以上踏み入れるなという 拒絶を感じ、 俺はまた1歩心が後ろに後ずさった。

おい、
どこ行こうとしてんだ
話はまだ終わってねぇぞ

別れたからだろうか、 それともこれ以上 失っても何も無いと思ったのだろうか。 初めて俺が蘇枋の心の内を 聞こうとした。

蘇枋

……

蘇枋

荷物はここにあるんだから
此処にはいるよ?

……

じゃあ、 俺から離れるなよ…… そう思う言葉を 飲み込んで 喉が更に傷んだ

荷物があれば居るんだな?

蘇枋

まぁ、
今整理してる途中だしね

手直にあったダンボールを 目にも止まらぬ早さで 奪いあげ、 中身をバラッと はじき飛ばした。 蘇枋はあまりの出来事に 目をぎょっとさせ、 ピクリとも動かずこちらを見ていた。

動きを止める蘇枋も気にせず、 俺はじゃんじゃんと 綺麗に勝たずいていた部屋を汚した。 蘇枋が 我に返ったように 動き出し、 俺の動きを無理やり拘束するまで、 俺はまとめた荷物を出し続けた。

抱きつく形で止められた俺は、 絶好のチャンスだと、 言わんばかりの今を利用し、 蘇枋の細い手首を掴んで離さない。

これでゆーーっくり
話ができるよな?

蘇枋

流石にこれは、
酷いんじゃないかなぁ…

蘇枋

桜君、……

もっかい言うぞ?

お前が逃げるからだ。

蘇枋

逃げてなんかない

ちょっと向きになった様に 蘇枋がこちらへ返事を 飛ばした。 俺をはじき飛ばそうと 隙を見ている様だが、 もちろん、 そんな隙も与えない。 この状態から逃げるのは 無理と分かった蘇枋は 深いため息を付き、 抵抗しようとする姿勢を辞めた。

せっかくだからよ
腹割ってゆっくり話そうじゃねぇか

蘇枋

その前にこの部屋
片付けないとだけど?

片付けながらでも口は
動くだろ?

今回は、 今回ばかりは逃がしては行けない。 そう脳が判断していた。 きっとこの信号も 感なのだろうが、 今回ばかりは この感を素直に信じることにした。

夕暮れの日差しを流石に窓に 俺達2つの影がまたもや 並んだ瞬間だった。

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コメント

9

ユーザー

なんかやっぱり切なさがりますね…………‥でもこれから思いっきり話してくれ!

ユーザー

自分的にはあまり 上手くいってない感が凄いですが、 せっかく長い時間を掛けてかいてるので、やり直しはせず投稿させて頂きました。 微妙だと感じたら申し訳ございません。

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