Ｑ . 其の花は貰えますか？

先生 〉 えぇっと … あ！

角名ー！！！　手をあげて

先生 〉 あの人の前を座ってね

俺の前にあの少女 … 少女の隣には 治 。

上手でもない ただただ 下手な声 。

その上 、 耳が聞こえない 。

……面白そう …

『　貴方の名前はなんですか？ 　 私は 、花澤 美華　と言います！　』

『　俺は 、角名 倫太郎　』

『　さっきはなんで机を叩いたの？　』

『　それが普通…じゃないんですか？　』

相手は耳が聞こえないんだった 。

先生 〉 始めるで！ 　　 そこの君話すのやめぃ

…… な ー んか … 面白そうだな … この子 。

翌日

今日はたまたま早く来れた 。

この時間なら 、 生徒はあんまりいないはずなのに

君が居た 。

聞こえない人なら 、 補聴器つけるって学んだのに …

『　なんで補聴器つけてないの？　』

『　そうだよ 。 つけてない 。　』

『　ただ忘れただけ　』

『　だって 、 　　　“ 人工内耳 ” があるから 。　』

読み方を間違えると 、 君は笑っていた 。

とても 美しかった 。

『　人工内耳 （ じんこうないじ ）　』

『　何それ　』

『　補聴器の他の種類　』

『　それって聞こえるの？　』

『　とーっても聞こえる！　』

『　補聴器との大違い！！！　』

『　マジだよ！？　』

気づけば 、 仲良くなっていた 。

ザワザワ ……

授業中

言われてみれば … 確かに 使っていない 。

昼休み

治 『　一緒に飯食お　』

治 『　屋上行くで　』

治 『　なんで 、 手話使わんの？　』

『　使っても分からないんでしょ？　』

『　あと 、 　　私の家族は聞こえるから　』

『　だから喋れる　』

『　喋れるけど自信はない　』

『　なんて言えばいいの？　』

『　手話は使えないってこと？　』

『　使えるよ　』

『　だけど 、 喋ることが多い　』

学んできた　“　聾者について　”　とは 、

全然違った 。

この人は 、　聾者　なのに …

口話で話すみたい 。　… 不思議だな 。

“　読めた　”　とは 一体どういうことなのだろうか ？

聾者について 学んだことに 意味がなかったみたいに ＿

この子は 不思議な聾者 だ ＿ 。

今まで見た中で 1番面白そうな子 ＿＿＿ 。