TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

Forest of Lofn

一覧ページ

「Forest of Lofn」のメインビジュアル

Forest of Lofn

3 - コリウスの初恋

♥

24

2022年04月19日

シェアするシェアする
報告する

王女を救い、世界の平和を取り戻した勇者一行は魔王の城を後にした

初めて彼を見たとき、胸の高鳴りがしたのを覚えている

これが一目惚れと言うものだろうか?

よくわからない

ただ仲間に加えられたことは嬉しかったし、彼がほかの女の人と話をしているときは胸がモヤっとした

魔法使い

それはヤキモチね

僧侶

ヤキモチ……?

魔法使い

つまり嫉妬よ、嫉妬

僧侶

…………

まさか自分が嫉妬をするなんて……

魔法使い

で、どうするの?

僧侶

僧侶

どうするって、なにがですか?

魔法使い

キモチ伝えないの?

僧侶

私は──

魔法使い

魔法使い

どうするかはあなた次第よ

魔法使い

悔いのないようにね

ずっと迷っていた

彼に思いを伝えるかどうか……

僧侶

…………

タイミングを逃したら、きっと二度はない

椅子から立ちあがり、私は彼の部屋へと向かった

僧侶

(大丈夫、大丈夫……)

コンコン

僧侶

応答がない

もう一度ノックする

僧侶

勇者さま?

カチャ

ドアノブをひねるとドアが開いた

僧侶

──失礼します

部屋は誰もいない

僧侶

(留守かな……?)

さりげなくデーブルの上に視線を向けると書き置きがあった

仲間への感謝が綴られていた

彼は私たちの前から姿を消した…………

──数日後

僧侶

(着いた……)

ロヴンの森

彼から故郷の村の近くに『ロヴンの森』と呼ばれる森があると、聞いたことがあったのを思い出し、やっとたどり着いた

僧侶

(……彼がいる保証はないけれど)

それでも藁にもすがる思いだった

辺りは薄暗かったが息苦しさは感じない。それどころが澄んでいる

僧侶

(なんだか心が落ち着く)

そのとき──

人の気配がして視線を向けた

僧侶

彼がいた

思わず駆けよろうとしたが、寸前で止める

彼のそばには男とも女とも見える中性的なひとがいたからだ

とても

美しかった──

僧侶

(ああ、そうか)

僧侶

(彼にはもう…………)

仲睦まじそうに手を繋ぎ、ふたりは森の奥へと消えていった

そのあと、村の宿屋までどうやって戻ってきたのかよく覚えていない

気づけばベッドに横になり枕を濡らしていた

2日後

私は村を出た

振り返ると森が目に入る

僧侶

僧侶

──さようなら、勇者さま

ぽたり

涙を拭き、振り返ることもなく立ち去った

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚