次は磯松1丁目、磯松1丁目 でございます お降りの方はボタンを押してください
男
ピーッ
いつもと同じバス停で降りる
外は今日も雨だ…
男
バスの運転手
無愛想な運転手だ… 挨拶も返さない
ザー
ザー
女の子
男
ブロロロロ~
バスはその子を乗せることなく 出発した
女の子
女の子は何も言わず、 バス停に留まっている
男
女の子がひとり)
男
男
男
ザー
女の子
雨のせいか、僕の声は その子に届いていないようだった
女の子
もしかして、この子は 僕の目にしか見えていない?
そんなことが頭によぎるくらい 女の子は何も言わず、 ただバス停に留まっているのだった
それから何日も雨が続いた
男
そしていつものバス停には
女の子
あの女の子がいた
男
女の子
男
少し触れてみよう)
好奇心から 女の子の持つ傘に触れてみたが
男
僕の手が触れることはなく 傘をすり抜けてしまった
男
この世のもの
なのだろうか?)
今日もいつものバスに乗る
乗客は僕ひとりだけだった
そして
次は磯松1丁目、磯松1丁目 でございます お降りの方はボタンを押してください
男
ピーッ
バスの運転手
男
キーッ
プシュー
バス停に停り、降りようとした時 そのにはいつもの女の子が見えた
男
バスの運転手
しかし今日は ひとつ変わったことがあった
女の子
女
バスの運転手
いつもの女の子と 隣にいた女性は首を横に振った
ブロロロロ~
バスは2人を乗せることなく バス停を出発した
女の子
女
男
何も言わず留まっている2人を 横目に家路に着こうとした時
女
女性が僕の前に手を出して 行く手を阻んだ
男
なんとなく、女性の静止を受け入れ その場に留まることにした
ザー
ザー
霊感の強い女
女の子
霊感の強い女
何してるの?
女の子
女の子
女の子
霊感の強い女
女の子
女の子
傘を忘れちゃったの
女の子
私がバス停まで
女の子
よく見ると女の子の手には 大きな傘が握られていた
女の子
女の子
乗って帰ってくるの
女の子
女の子
霊感の強い女
霊感の強い女
霊感の強い女
名前は?
女の子
霊感の強い女
彩華
彩華
彩やかなお花のような
綺麗な心を持って欲しい
彩華
名前なんだって
霊感の強い女
彩華
霊感の強い女
彩華
霊感の強い女
パパは
霊感の強い女
霊感の強い女
のかもしれない
彩華
パパ迷子?
霊感の強い女
霊感の強い女
霊感の強い女
いるかもしれないよ
そう言うと、女性は僕の方に 視線を向けた
女の子も不思議そうに僕の方に 視線を向けた
そうか…
あの時…
ザー
男
雨降ってきた
男
女の子
雨降ってきた!
女の子
男
うちの子と
同い年くらいかな?)
プーーーーー
男
大きなクラクションの音は 暴走するトラックから発せられていた
男
女の子
男
キキーーーーーー
どんっ!
無我夢中で、気づけば僕は 女の子を庇うように押していた
ガッシャーン!!
僕は… なんて大事なことを
忘れてしまっていたんだ…
男
彩華
パパなの?
彩華には僕が見えていないようだった
男
男
彩華
傘持ってきたよ!
男
男
男
帰り道が
わからなくなって
男
男
帰り道わかったから
彩華
彩華
お家帰ろ?
男
男
彩華
パパと一緒にいる!
男
男
男
綺麗に咲く花のように
育って欲しいんだ
彩華
男
可愛いお花のプリンセス
彩華
男
あがるから
男
またこのバス停に
おいで
男
彩華姫に
プレゼントがあるから
彩華
彩華
男
約束だ
男
男
女
男
女
よかったね
男
男
男
男
見守っているよ
彩華
チュンチュン
彩!!彩華!!朝だよ 起きなさい!
彩華
彩華
彩華
彩華
彩華
彩華
彩華
彩華
バス停に行こう!
彩華
彩華
彩華姫のかんむりだよ
彩華
彩華
彩華
彩華
四つ葉のクローバーは 彩華に幸運を届けてくれるよ!
彩華
彩華
彩華、パパの方こそ
本当にありがとう