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夜が明けて、空がほんのり白み始める頃
私はベッドの端に座って、小さく息を吐いた。
――昨日の夜。 誰も無理に聞こうとしなかった。 でも、そこに「いたい」と 思ってくれた人たちがいた。
それだけで、胸がぐしゃぐしゃになった。
そして、私は―― 震える手で、ドアノブをゆっくりと回す。
〇〇
キィ、と静かに開いた扉の先に、 目に飛び込んできたのは――
潤、謙信、颯斗だけじゃなかった。
壁にもたれて座っていた要人が、 パッと顔を上げる。
吉澤要人
テーブルの端に腰掛けていた永玖が、 おっと驚いたように笑った。
山下永玖
そして、その隣には―― 関 哲汰(せき てった)の姿があった。
少しだけ、目を見開いて私を見た哲汰は、 私の涙の痕にすぐに気づいたようだった。
けれど彼は何も言わず、少し笑って、 ぽん、と手を叩く。
関哲汰
突然の提案に、みんながきょとんとしていた。 ――永玖が口を開く。
山下永玖
吉澤要人
上村謙信
颯斗と潤も微笑んで頷いた。
そして哲汰が、私の方にだけ少しだけ 視線を戻して――
関哲汰
その言葉は、まるで私の“今”を包むようだった。
優しいけど、逃げ場じゃない。 ちゃんと、私の目を見て言ってくれている
私は……ゆっくりと、うなずいた。
〇〇
その瞬間、みんながふっと笑って、立ち上がる。
まだ不安もある。怖さもある。
でも―― この人たちとなら、少しだけ前に進めるかもしれない。 そんな希望が、小さく胸の中に芽生えていた。
そして私は、初めてこのシェアハウスの ドアをくぐって、みんなと一緒に、 朝の街へと歩き出した。
それは、ほんのささやかな一歩だったけれど、 私にとっては、大きな「生きる選択」だった。