歩
ねえねぇ
―――
んん?
歩
ママ知らない?あゆみのママ
―――
知らないねぇ
歩
一緒に探して欲しいの
―――
…ママの名前は?
歩
ママだよ
歩
ママがそう言ってた
―――
そうかぃ、
―――
ママはどんな人かなぁ?
歩
ママは優しい人!
―――
ほぅ?どんな風に?
歩
あゆみの病気を治してくれるの
―――
ママはお医者さんなのかなぁ?
歩
うん!いつもお薬くれるよ!
歩
あゆみの病気はいっぱいあるの
お腹が空く病気、髪の毛が伸びる病気、骨が折れる病気ね、他にもいっぱいあるの
お腹が空く病気、髪の毛が伸びる病気、骨が折れる病気ね、他にもいっぱいあるの
―――
それはぁ大変だねぇ?
歩
ママがいるから辛くないよ!
―――
そうかぃ?良いお母さんだねぇ
歩
うん!
歩
だからママが居ないと困るの
―――
そうだねぇ
歩
あゆみのママ知らない?
―――
知らないねぇ分からんねぇ
歩
そっか…
―――
お家にもう居るんじゃないかなぁ
歩
本当に?
―――
君にご飯を作って待ってる
かも知れないよ?
かも知れないよ?
歩
じゃあもう帰るね
―――
…ん。じゃあ失礼。
歩
ばいばい
歩
棒人間のおじさん
無邪気に走っていく子供の姿。
その傷もママの優しさかぃ?
いいねぇ?愛ってねぇ
不気味な笑みを浮かべながら、 ''それ"は消えていった