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翌日、少し暑いような気がする道を歩き続ける

アルファ

(イグニスに近づいているんだな…)

エマ

アルファ様〜、疲れたの

レオン

エマはヘタレだな

エマ

別に歩けるしっ!

レオン

おぶってってやろうか〜?

ニヤニヤと笑うレオンにエマが顔を赤くする

エマ

うっるさい!

アルファ

レオン、あまりエマで遊ぶな

アルファ

(やれやれ、エマの気持ちにそろそろ気付かぬか?)

マル

2人は喧嘩してから余計に仲良くなりましたね

サキャーダ

ねー

マリン

うんうん!…ってあれ?

マリン

ね、あれってアースさんじゃ?

サキャーダ

…ん?

アース

あれ、みんな

アース

もう魔王を倒しに?

アルファ

まあな

アース

ふーん、そっか

アース

マルも行くの?

マル

…行かないわけないでしょう

アース

そ、可哀想だね

マル

何がですか

アース

え?言って欲しい?だって実の━━━━

マル

言うな!!!

マルの声が響き渡る

エマ

え、っと…?

マル

すみません、気にしないでください

いつも通りに笑ってみせたマルは、ギロリとアースを睨む

アース

あはは

愉しそうに笑ったアースは去ろうとする

アルファ

…どこに行っていたんだ?

素直な疑問が口から滑り落ちる

アース

え?魔王城

隣人の家にでも行っていたかのような軽さで答えたアースに

全員が絶句する

サキャーダ

お前ちょっとは考えろよ

アース

えーやだよ

マリン

どういうことですか…

サキャーダ

俺も詳しくはわからない

マル

レオン

…一体何者だ?

アース

あは、そうだ!

アース

俺もついて行っちゃおうかな

エマ

え?

アルファ

さあっと風が吹き、私はマルをチラリと見る

前髪を抑えるマルを見て、すとんと何かが腑に落ちる

そして何事もなかったかのように私はイグニスに向かった

エマ

えっ、あっ待って!

エマ

なんか雰囲気あるね…

マリン

もう、そこが魔王塔だもんね

レオン

なんか実感わかねーな…というかアースがくそ気になるんだけど

サキャーダ

本当になんで来るんだよ

アース

んへへ、魔王がどんな反応するのか拝んでみたくなってね

アルファ

…よし

アルファ

3日後だ

サキャーダ

…ん?

アルファ

明々後日、魔王城に行く

エマ

え、それまでは…?

アルファ

各自雑魚の掃除と自主練、それから武器の整理をしろ

レオン

雑魚の掃除…魔物を倒せってことか

マリン

なるほど、わかった!

アルファ

…マル

アルファ

少し話すことがある

マル

…っあ、は、はい!

ビクッと肩を震わせたマルを見て、私は少し安心してしまう

マル

…なんですか?

アルファ

話したいことはないか?

マル

え、あ…えっと

アルファ

マルが初め、私たちに何も感じずに笑っていたことは分かっている

アルファ

だが今は違うだろう?

マル

…っはい

マルは既に少し涙ぐんで私に頷く

マル

ごめんなさい…っ!!

アルファ

謝る必要はない

アルファ

それは、自分が望んでなったものじゃない

…そう

さっきのアースの言葉で引っかかったすべてがわかってしまった

アルファ

(あの兄弟は、本当に性格が悪いな)

アルファ

(分かりやすいほど兄弟だ、性格が似すぎている)

アース

…はー

あいつは、俺がここにきた理由を知らないのだろうか

…俺は

あいつのことしか頭にないのに

話し終えたマルはポツリと呟く

マル

ほんとはずっと…話したかったんです

マル

でも怖くて…嫌われたらって

マル

それに、みんなどんどん絆が深まっていくのが目に見えるのに

マル

私だけ置いてけぼりな気がして…

アルファ

ああ

アルファ

今更誰も怒りはしない

マル

…はいぃ

マル

私、みんなに話します…っ

そして、ついに3日が経とうとしていた

最終日の夜

マルは、みんなを呼び集めた

エマ

どうしたの?

サキャーダ

ゆっくりでいいから聞かせてね

待ってた、とでも言うように皆が耳を傾けた

アルファ

(なんだかやっぱり)

アルファ

(私には勿体ないほどいいやつらだな…)

マルを含めた一行を少し尊敬の眼差しで見つめた私の耳に

マルは、澄んだ声を届けた

マル

私、魔王の娘なんです

魔法使いから女勇者になりました

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コメント

3

ユーザー

ま、魔王の娘!? 確かにそれは魔王を倒すという仲間達に言い難い、よね……💦 相変わらず猫眷属の人達は……。アルファさんの言う通り性格が似すぎて兄弟だってすぐ分かる……😂((

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