高校に入ってからもおれたちは変わらず 金曜日に会っていた
おれは無事に受験を終えたが
ユウの傷は増えるばかりだった
ユウ
スタスタ…
ユウ
よっ
カヤ
!
カヤ
なに、その傷…
ユウ
えへへッ…
カヤ
えへへじゃないよ…
ユウ
ごめん今日も頼む
そういってユウはカバンから 包帯とガーゼを取り出した
おれはユウの傷の手当てをよくするようになった
この日は右足が大きくすりむけていた
ユウ
帰り際に監督に足引っ掛けられて…笑
カヤ
…(ペタペタ)
カヤ
はい
ユウ
ありがと
カヤ
ねぇ…やめないの?
カヤ
もう見てらんないよ…
カヤ
なんでやめないのッ?
何度も「やめないの」って聞いた
でもユウはいつも答えを誤魔化してた
カヤ
これ以上、ユウが無理して笑ってんの見てられない…
ユウ
…
ユウ
ごめんな…ボソッ
カヤ
!
ユウ
確かに、監督の俺の当たり方はひどいけど
ユウ
バスケ、好きなんだよ…
ユウ
おれ、あと2年でチーム辞めれるんだ
ユウ
3年生になって、夏の試合終わったら。
ユウ
それ出たいんだ…
ユウ
…だからまだ辞めたくない
カヤ
…ポロ
ユウ
ありがとね、カヤ
ユウ
俺、頑張ってるから。
カヤ
…知ってるグスッ
ユウ
フフッ
ユウ
…あと
カヤ
?
ユウ
無理に笑ってないよ
ユウ
少なくとも
ユウ
カヤの前では
カヤ
え…?
ユウ
バスケ頑張ってんのは
ユウ
カヤに会うためでもあるからさ
カヤ
!
カヤ
ポロポロ…
ユウ
…だからさ
ユウ
そんな顔すんなって笑
ユウ
…もう暗いし帰ろ
ユウ
じゃーね!
カヤ
うん…!フリフリ
この数ヶ月後、
ユウから通話があった
ユウの誕生日の一日前だった
ユウ
…もしもし?カヤ?
ユウ
ごめん夜遅くに
ユウ
…おれ
ユウ
バスケ続けられなくなっちゃったッ
ユウ
…カヤ
ユウ
次の金曜日
ユウ
会えないや…
ユウ
いや、
もう
二度と。
ユウ
会えないや…ッ
ユウ
…今?
ユウ
……
ユウ
あそこだよ…
ユウ
どこって…笑
ユウ
わかるでしょ
ユウ
俺らしかわからない
誰も知らない場所。
カヤ
ハァ…ハァ…
カヤ
タッタッタッタ….
カヤ
!
カヤ
ユウッ!
ユウ
…
ユウ
ニコッ
この日が
すべての始まりだった






