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𝐆𝐞𝐚𝐭𝐬 IX
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爆炎が消える
残っているのは――
黄金の戦士。
完璧な勝利の姿。
が
パラド
永夢
永夢
貴利矢
黄金のエフェクトが、
微かに乱れる。
飛彩
その瞬間
細かな金の光が、
砂のようにほどけて空気へ溶けていく。
サラサラと流れ落ちる光。
絶対無敵の装甲が、
静かに消えていく。
生身の永夢の姿が現れる
永夢
その瞬間。
膝が折れる。
力が抜け
前のめりに倒れ始める身体。
飛彩&貴利矢
飛彩と貴利矢が同時に駆け出す。
崩れ落ちていく身体を、
飛彩が間一髪で抱き止める。
ぐったりと力の抜けた体
飛彩の肩に、永夢の頭が落ちる。
飛彩
貴利矢
飛彩
永夢
飛彩の耳が、
自然と永夢の口元へ近づく。
飛彩
呼吸の確認ができない
胸も動かない。
飛彩
すぐに永夢を地面へ横たえる。
貴利矢
飛彩が頸動脈に指を当てる
飛彩
貴利矢
その瞬間。
ドン。
ドン。
ドン。
飛彩は迷いなく胸骨圧迫を行う
飛彩
貴利矢はもう走り出している
貴利矢
ドン。
ドン。
ドン。
飛彩
胸骨圧迫の音が夜に響く
ダッダッダッ・・・
ダッダッダッ・・・
汗だくの貴利矢が、
AEDを抱えて全力で駆ける
貴利矢
滑り込むように横に膝をつく
AEDのケースを開く。
永夢の胸元を開き、
電極パッドを貼る。
貴利矢
貴利矢
貴利矢がボタンを押す
バチッ――!!
永夢の身体が大きく跳ねる
貴利矢
飛彩
ドン。
ドン。
ドン。
飛彩は即座に胸骨圧迫を再開する
飛彩
飛彩
貴利矢
貴利矢
胸骨圧迫中の飛彩が手を離す
貴利矢がボタンを押す
バチッ――!!
永夢の身体が再び大きく跳ね上がる
貴利矢
飛彩
ドン。
ドン。
ドン。
貴利矢
貴利矢
ドン。
ドン。
ドン。
ドン。
ドン。
飛彩
ドンッ。
ドンッ。
飛彩
飛彩
ドンッ。
ドンッ。
飛彩
貴利矢
貴利矢
飛彩
飛彩
ドンッ!
ドンッ…!
永夢
飛彩&貴利矢
永夢
永夢
永夢
飛彩
貴利矢
圧迫していた胸の奥で、
微かな反発を感じる。
ドクン……ドクン……
飛彩
飛彩
飛彩
張り詰めていた空気が、ようやくほどける。
飛彩
胸骨圧迫で震える手を、ゆっくり下ろす。
飛彩
貴利矢
貴利矢
永夢
永夢の目は開いていない
飛彩
貴利矢
永夢
永夢の指が、僅かに動く
飛彩&貴利矢
そして
永夢
ゆっくり。
永夢のまぶたが震える。
貴利矢
永夢は―
ゆっくりと目を開ける。
虚ろな瞳。
飛彩
焦点の合わない視線が、
ゆっくり揺れる
飛彩
飛彩
ぼやけた視界に、
少しずつ情景が映る。
永夢
見慣れた人影が2つ。
永夢
永夢
永夢
貴利矢
飛彩
飛彩
永夢
ぼんやりした頭で、その言葉を繰り返す。
永夢
永夢
永夢
貴利矢
貴利矢
貴利矢
永夢
飛彩
貴利矢
貴利矢
飛彩
永夢
永夢
永夢
永夢
飛彩がすぐに身体を支える。
背中を支えながら、呆れたように言う。
飛彩
飛彩
飛彩
飛彩
飛彩
貴利矢
ポケットからスマートフォンを取り出す。
貴利矢
ニュース画面。
患者全員回復の速報。
貴利矢
貴利矢
永夢は荒い呼吸のまま画面を見る
ぼやけた視界でも、
その文字ははっきり分かった。
永夢
永夢の表情が、ゆっくり緩む。
東の空が、少しずつ明るくなり始めていた。
長かった夜が終わり、朝日が地平線から顔を出す。
柔らかな光が、瓦礫の残る戦場を照らした。
永夢は、ぼんやりとその光を眺める。
静かな朝
飛彩
貴利矢
二人が永夢の方を見る。
飛彩&貴利矢
永夢の目が、静かに閉じている。
貴利矢
飛彩
飛彩はすぐに永夢の手首を取る。
脈を確認する。
胸の動き。
呼吸。
飛彩
貴利矢
貴利矢
その頃。
永夢の意識は、ゆっくり沈んでいく
深く、静かな場所へ
パラド
優しい声が、心の奥で響く。
永夢の意識は、安心したように落ちていく。
穏やかな眠りへ。
ピーポーピーポー・・・
遠くから、救急車のサイレンが近づく
静かな朝の街に、その音が響く。
誰かが通報したのだろう。
飛彩
壊れたアスファルト。
散らばったガラス。
戦いの跡だけが残る通り。
その中で―
永夢の腰のゲーマドライバーが、
朝日の中でかすかに光る。
戦いの終わりを告げるように。
そして
救急車が到着する
貴利矢
救急隊員たちがストレッチャーを運んでくる
救急隊員
貴利矢
救急隊員がすぐに永夢のそばへ膝をつく
飛彩
救急隊員
救急隊員が、永夢にモニターを装着する。
ピッ……ピッ……
静かに鳴る永夢の心音
飛彩
救急隊員
永夢は静かに担架へ乗せられる。
その顔は穏やかだった。
やっと安心したように。
幸せそうに眠っている。
その寝顔を見て、二人の表情も緩む。
貴利矢
飛彩
永夢の身体ががゆっくり運ばれていく。
壊れた街の中を。
瓦礫の間を。
昇った朝日が―
三人を、静かに照らしていた。
𓏸 𓈒 𓂃 𝐄𝐍𝐃𓂃 𓈒𓏸