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ゆず
ゆず
昔昔の誰かが言った。
"それ"は尊く気高い存在だと。
誰も触れてはいけないし、手を出した暁には守り神である亡霊に殺されると。
"それ"も誰とも会ってはならぬという掟があった。
けれど、ある一族が"それ"に手を出したことがある。
その一族は皆、"それ"を恐れ敬服し、手を出した罪で従っている。
一族の名を東山家という。
現在も"それ"は脆いガラスを扱うかのように亡霊と東山家に面倒を見られ、大切に保管されている。
"それ"の正体は人間の中で最も神様に近い存在。
そんな彼は何千年の時を経て何回も生まれ変わり今も尚生きている。
そして何故か"それ"は何度生まれ変わっても幼い性格、幼い姿で生まれ変わってくるという。
成長しても幼さは消えない。
つまり"それ"は異端だ。
紅葉(もみじ)
みーくん
日本酒を飲みながら窓の外を眺める。 夜風が気持ちい。
みーくん
紅葉(もみじ)
僕は生まれてから一度もお外に出してもらったことがない。
使用人さんになんでって聞いても謝られるだけで、聞いた僕が悪いみたいになる。
みーくんに聞いたら紅葉は何も悪くない。って言われるだけだった。
紅葉(もみじ)
紅葉(もみじ)
みーくん
紅葉(もみじ)
僕のせいなのかなと、いつもいつも考える。 みんな僕を見て怯えてるから。
みーくん
不安がっている僕の心を読み取ったのか、みーくんは僕をベットまで連れて行って優しく頭を撫でた。
みーくん
その声とみーくんの暖かい体温に落ち着いて僕は眠りについた。
みーくん